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「優雨!久しぶりだな!」

「……」

「お久しぶりです、杏寿郎。義勇も」


優雨が雄英へ入ってから鬼殺隊の隊員達と会う機会が少なくなった為、こうして会うのは実に1ヶ月ぶりだ。久しぶりに会う友人に優雨はついテンションが上がってしまう。それを感じ取ったのか、杏寿郎と義勇はふっと笑った


「……見てた」

「ああ、雄英体育祭ですか?気付いてましたよ。炭治郎と一緒にいましたよね」

「そうだ」

「うむ、相変わらずどうやって会話出来てるか分からんな」

「何となく言ってる事分かりますよ」

「それは優雨と炭治郎だけだと思うが……」

「炭治郎は凄いですよね。何も言わないのにこちらの気持ちを察してくれます」

「それはそうだな!」

「自分の事には疎い」

「ふふ。そうですね」

「炭治郎は自分に向けられる好意に対して鈍いからな」

「そうですね……所で、なぜ私を呼び出したのですか?何か用でも?」

「いや、用と言う用はないんだが…心配でな」

「心配?」

「大丈夫なのか?」

「ああ、そういう事ですか……大丈夫ですよ。雄英はひーろー育成学校ですから心配してくれたのですよね?ありがとうございます」

「嫌いだ。鬼殺の邪魔をする」

「私も嫌いですよ。あの人達は優しいから、この世の残酷さを知らないから。」

「そういえば、その怪我はどうしたんです?今の鬼に杏寿郎が劣るとは思えないのですが」

「ヒーローに見つかってしまってな!!不覚だ!」

「……」

「暗い話は終いだ!今日は休暇なのだろう?」

「はい。雄英もお休みです。」

「たまには息抜きもいいと思ってな、遊ぶぞ!」

「あら…それはいいですね。どこに行くのです?」

「現代っ子らしくゲームセンターに行こう!」

「うるさい」

「確かにげーむせんたーは騒がしいですよね。目もチカチカします」


1度だけ緑谷達に連れられ行ったことがあるが、音は煩いし目は痛くなるしと最悪だったのだ。善逸がいたら「何ここうるさっ!!鼓膜破れるぅぅぅぅ!!!」と負けず劣らずの騒がしさで言っていただろう。話がそれたが、記憶持ちである優雨達はあまりそういったところを好まない。山へ遊びに行ったり自然豊かな所でゆったりする方が合うことが多い。


「うーむ…やはり、俺達らしく山にでも行くか?」

「そちらの方がいいかもしれませんね。お昼はどうします?山へ行くならお弁当が必要でしょう?まぁ、そこら辺の山くらいなら数十分で帰れますが」

「ああ、それなら大丈夫だ!弁当を作ってきた!!」

「俺もだ」

「!?」

「ぎ、義勇と杏寿郎が……??あ、わかりました。千寿郎さんが作ったんですね?」

「いや、俺達が作ってきた!」

「炭治郎のパンもある」

「……因みに、お弁当は誰と作ったのですか?」

「俺と義勇の2人だな」

「大丈夫だ」

「義勇、練習したのはいいですがそれ1人で練習した訳では無いですよね?しのぶや炭治郎達に教わったのですよね?」

「独学だ」

「前世の記憶忘れました?」

「しっかり覚えているぞ!」

「あ、そうですか……」


優雨がここまで驚くのも無理ない。何を隠そうこの2人は料理音痴なのだ。特に義勇。前世で1度だけ義勇と杏寿郎の料理を食べた事がある優雨は2人で弁当を作ってきた発言に頭がクラクラしてきた。


「それは……その、大丈夫なのでしょうか」

「…あの時はすまなかった」

「俺らの粥で優雨が倒れた時のことだな!すまなかった!」

「りべんじ、ということでしょうか?」

「そうだ!普通に食えるくらいにはなっている……はずだ」

「……あの時と同じですね。まったく、いつも刀を扱っているのに包丁になった途端不器用になるんですから。指のその絆創膏、練習したからなのでしょう?」

「ふふっ、ありがとうございます。こんな素敵な友人が出来て私は幸せ者ですね」

「…炭治郎もだが……優雨もだな」

「そうだな、優雨は人の事言えないな!」

「えっ?」

「なんでもない!では行くぞ!」

「ああ…」

「はい」








おまけ(2人が作ったお粥)


ー優雨の屋敷ー

「優雨!大丈夫か?」

「鬼にやられたと聞いた」

「大丈夫ですよ。少し血気術を食らってしまって…情けないです」

「私には多少毒の耐性がありますのでそこまで心配するほどではありませんよ。しのぶからも1、2日くらい大人しくしておけば大丈夫だと言っていました」

「そうか、それなら良かった!食事は?」

「毒のせいかあまり食欲がなくて…今から粥でも作ろうかと」

「ちょうど良かった!俺らで粥を作ってみたんだ、食べてみてくれ!」

「具沢山にした……うまいとも思う」

「……!」

「では、お言葉に甘えて頂きますね」

「用意するから待っていてくれ!」

「……座ってろ」

「ふふ、ではそうさせてもらいます」


ー数分後ー


「優雨!待たせたな、出来たぞ!」

「ありがとうございま……?すみません、これは…?」

「見た目通りだ」

「粥だ!!!」

「粥……?」

(私の知っている粥はこんな黒々としていないのですが……とゆうか沸騰しすぎのせいかポコポコいっているのですが……)

「…いただきます」

「………どうだ?」

「上手いか!?」

「……………ゴフッ」

「ゆ、優雨!?どうした!?」

「やはり鬼の毒が…?」

「騒がしいですね、何やっているのですか?」

「胡蝶…!優雨が突然倒れてしまった!!」

「何故です?確かに鬼は殺しましたし優雨さんが倒れる程の毒では……って、これは?」

「粥だ!」

「はい?」

「粥だ」

「………」

「とりあえず優雨さんを運びますので手伝ってください。お説教はその後です」

「何故だ!?」

「!?」



「ねぇ聞いてます冨岡さん、煉獄さん。聞いてますか?確かに優雨さんにご飯作ってもらってるから自分も恩返ししよう!という気持ちは分からなくありませんよ。優雨さんの料理美味しいですからね。というか冨岡さんにもそういう気持ちあったんですね知りませんでした。あぁすみません話逸れましたね。けれどやっぱり料理って難しいんですよ。それは優雨さんは簡単に出来てますけどね?やはりある程度の知識が必要というか。つまり何が言いたいのかというとですね。なんで山でキノコ取ってきちゃったんです?いえ選択肢としては悪くないんですよ?山の幸美味しいですもの。えぇ。けれど冨岡さんも煉獄さんも鬼狩りの経験はあってもキノコ狩りの経験ないですよね?山の中って毒キノコとかあるんですよ。知ってましたか?冨岡さん達が入れたのはこれです。ベニテングダケ。下痢嘔吐筋肉の痙攣幻覚といった症状が現れる毒物ですよ。わかります?しかも今の優雨さん鬼の毒で弱ってましたよね?どうして毒で弱ってる人に毒与えるんですか馬鹿なんですか?毒を以て毒を制すとは言いますけど毒で弱っている人間にはききませんからね?馬鹿なんですか?あぁ馬鹿だからこんなことしでかすんですよね。たまたま私が優雨さんに用があって優雨さんのお屋敷訪ねてきたからよかったものの発見が遅れてたらただじゃすみませんでしたよ?どうせあれと間違えたんでしょ?タマゴダケ。美味しいですからね。まぁタマゴダケモドキを持ってこなかっただけまだマシですけど。あれは死人の例が多いですから。問題は毒キノコだけじゃないんですよ。他にも出汁とか。カツオとか昆布ならまだわかりますよ?けどなんですか、ヨモギの出汁ってなんですか?貧血等に効くのは知っていますがヨモギを出汁にするなんて聞いたことないんですけど料理以前に出汁の定義をもう少し勉強してきてください」


この後めちゃくちゃ土下座した

鬼殺隊とヒーローは分かり合えない

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