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コ 「 じゃあ、解散、自由行動で〜す 」
明るくポップな見た目だがどこか不気味な大きな古びた建物の前で、遠足かのようなノリでコンちゃんが言った。
正直みんなが心配だし、自分自身の身を守れるかも心配だ。
でも、みどりをあそこまで追い詰めた復讐、そしてぐちつぼを取り戻す為なら何だって出来るがした。
コンタミ視点
お世辞にも趣味が良いとは言えない、不気味で派手な内装に、一周回って面白味を感じる。
崩壊前の人間の感性も中々面白いじゃないか、と思うが、それが全ての人間に適用される訳ではないのもまた事実だ。
この悪趣味…変わった建物をデザインした人の思考を知りたい、とも思ったが自分も人の事を言えない程常識を逸脱した感性を持っているのは自覚している。
今こそ崩壊時に人口が大幅に減り廃れてしまったこの国も、栄えていた事を示しているであろう、人々の生きた証に目を向ける。
崩壊の原因とされている御伽噺が、ただの御伽噺に過ぎないのか、真実なのか、ふと脳裏に過ぎるが、今の自分にはそれを気にする余地もないらしい。
コ 「 …君がウチの仲間をいじめてくれたのかい? 」
迷彩柄の服に、頭に被ったビニール袋。発達した筋肉。
みどりの情報と一致している。
ト 「 そんなぁ、人聞きの悪い… 」
コ 「 君は嘘が少々苦手な様だね? 」
コ 「 報いはしっかりと、受けてもらうよ。 」
仲間に手を出す輩は許さない。
二度と同じ過ちは繰り返さないと誓ったんだ。
金豚きょー視点
き 「 かったりぃ… 」
態々探し出して倒しに行く、という面倒さもあるが、久々の骨のありそうな相手に胸が踊るのも事実だ。
…らっだぁと戦ったのは例外や。
骨が有る無い、の次元じゃない。
明らかに人を殺した事も、喧嘩すらもした事の無さそうな奴なのに、歯が立たなかった。
人間じゃないっちゅうのもあるのかもしれへんが、だとしてもおかしい。
らっだぁには裏がある。
筈なのに、アイツからは嘘をついている気配が全くしやんのや。
ぺいんととぐちつぼは明らかに嘘をついてるのがわかるが、敵意は感じん。
もっと信用してくれ、とも言いたいが、アイツらには無理なのかもしれない。
俺らは信用してるつもりなんやがなぁ…
一人でいると余計な事ばかり考えてしまう。
今は復讐の事を考えてりゃいいんや。
それにしても中々敵が見つからへん。
き 「 あー、自分から出てきてくれりゃ楽なんになぁ、… 」
スッ
何が来る…!
だだっ広いエントランスホールと思われる場所の奥から矢が飛んで来て、そこから黒い猫耳の着いたフードを被った白髪の男が現れる。
確かどりみーが言ってたやつか…?
それにしても、
き 「 随分なお出迎えやなぁ? 」
レウクラウド視点
レ 「 うーん… 」、
ぐちつぼとみどりくんの実力は本物だ。
にも関わらず、みどりくんはオーバーヒートするまでの戦闘を強いられ、ぐちつぼに関しては帰って来れていない。
そんな相手のアジトに乗り込むのは不味かったのでは…?
と、今更ながら考える。
みどりくんの話だとぐちつぼがナニかをして、アジトの目の前に一瞬で着いた、と言っていた。
まるで魔法だ、と。
正直魔法なんて御伽噺の中だけの話だろうと思うが、そうするとそれの理由がわからない。
レ 「 一体どうなってr… 」
「 わっ! 」
レ 「 どわぁ!? 」
色々考えながら歩いていると、誰かとぶつかってしまった。
相手はその衝撃で床に倒れてしまっている。
レ 「 ごめんなさい!大丈夫ですか…? 」
相手に手を差し出す。すると、相手は手を掴み起き上がった。
「 いえいえ、私こそすみません! 」
鮮やかな紫色の髪と瞳で、容姿や声から多分女の子だと思われる。
自分とは頭一つ分以上身長が離れているので、結構年下なのかもしれない。
そんな子がなんでここに…?
「 私の弟があっちの方で怪我してて…身動きも取れなくて、それで…ッ 」
「 助けてくれませんか…ッツ 」
女の子は今にも泣きそうだった。弟思いのいい姉なんだろう。
レ 「 うん、今すぐ助けに行こう! 」
「 ありがとうございます、大人の人が居て良かった…っ、着いてきてください! 」
そういって駆け足で行く女の子の背中を追う。
レ 「 俺大人じゃないけど…って、そんな事どうでも良さそうだね… 」
気が付けば背後には俺より1mほど高い機械の巨人が立っていた。
そして、女の子は切り裂かれた壁紙のように裂けた空間から大きな鎌を出していた。
「 いやー、本当にありがとうございます、お兄さん 」
「 まんまと僕に騙されてくれてェッ! 」
さて、どうしたものかな…っ!
ぺいんと視点
ぺ 「 不気味な場所だな… 」
まるでホラゲーの建物かのようなおぞましい雰囲気だ。
俺がこの場所が相手のアジトだとわかった本当の理由は、ぐちつぼからの信号だ。
道化師
と、ぐちつぼは言っていた。
かなり距離が離れているのに信号を送れるのは素直に凄いと思う。
それに、今の俺達の身体は、嫌、俺達だけではなく今生き残っている人間皆、俺達が生きていた頃より劣化している。
魔力がほぼないのだ。
皆が 能力 と呼んでいる物の正体はただの魔法だ。
他より魔力の強い人が、自分の適正魔法のみ扱えている状態だ 。
昔は誰もが適正魔法以外の魔法も言葉を放つのと同じように使っていたのに、今はそれが衰えてしまった。
現代人の体内の魔力が減っている事だけでなく、知識すらも無くなっている。
いくら魔法を使うのをサポートする 魔道具 が無いとしても、使えて当然なはずだったのに何故…?
グルルルル…グルルルル……
ぺ 「 何の音だ…? 」
音のする方向へ向かい、扉をくぐる。
ぺ 「 暗っ… 」
魔法で光を灯すと、俺は絶句した。
相手は大きな身体を起こし、大きな頭を持ち上げて此方を見下している。
ぺ 「 なんでこんな所にドラゴンが居るんだよ…ッ!」
らっだぁ視点
ら 「 劇団長室… 」
読めるはずのない文字が何故か読める。
より一層派手で不気味な扉を開けると、書斎のようになっていた。
木製の机の上には、沢山の御伽噺の本が並べられていた。
本自体は古いが、開かれた本はホコリを被っていないので、つい最近まで読まれていたのだろう。
本といっても文字の書かれた紙が纏められているだけだ。
数冊の開かれた本はどれも同じ話のようだ。
ら 「 勇者と賢者と…青い悪魔、…? 」