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#あべさく
めかぶぷりん
8,213
29
雪月❄️
357
82
前回の続きです
💙「お前……何、言って……」
❤️「嘘だと思うか、翔太」
宮舘は優雅な所作のまま、ジャケットの内ポケットから一通の、ひどく古びた封筒を取り出した。渡辺の目の前で開かれたそれの中に入っていたのは、幼い頃、遊ばなくなる最後の日に渡辺が「これ、やるよ」とぶっきらぼうに投げつけた、青いラインの入ったおもちゃの警察バッジだった。
❤️「君の父親の隠れ家で、私たちが最後に交わした約束を、私は一瞬たりとも忘れたことはない。……
『いつか俺がデカい男になったら、お前を守ってやる』
そう言ってくれたね。……立場は逆になってしまったけれど、私はあの時からずっと、君だけを探していたんだよ」
宮舘の、底が知れないほど深い「執着」の正体が、すべて渡辺の胸の奥へと流れ込んでくる。無理やり組長にされ、この汚れた世界を辞めたいと願う宮舘にとって、渡辺翔太という存在だけが、この裏社会を生き抜くための唯一の光だったのだ。
💙「……ずるいだろ、そんなの」
渡辺は顔を真っ赤に染め、シートに深く背を預けて顔を両手で覆った。
ずっと胸の奥に仕舞い込んでいた初恋の相手が、今、自分を狂おしいほどの独占欲で包み込もうとしている。抗えるわけがなかった。
❤️「……幼馴染だからって、調子乗んなよ」
💙「調子に乗らせてくれるかい? 翔太」
宮舘はそっと手を伸ばし、顔を隠す渡辺の細い手首を優しく、けれど絶対に拒絶を許さない強さで掴み引き寄せた。至近距離で見つめ合う二人の視線が重なり、渡辺はついに観念したように、小さく
💙「……おう」
とだけ呟いた。
それは、かつて友好関係にありながら、今は激しい敵対関係にあった「Man」と「宮舘組」のパワーバランスが、私情(アイ)によって完全に書き換えられた瞬間だった。
同じ夜、数時間後の「Snow」の本部オフィス。
(前回の続きです。)
その時、オフィスの重厚な窓ガラスが、コツン、と外から叩かれたような音がした。驚いて深澤が下を見下ろすと、大通りに「岩本組」の高級車が3台、静かに徐行運転を続けている。そして、中央の車のサンルーフから、岩本照が般若の顔深澤をじっと見上げていた。
深澤は、呆れたように、けれど愛おしそうにクスッと笑うと、執務室の窓を大きく開け放ち、大通りの岩本に向かって叫んだ。
💜「おい! そこでストーキングしてんの、近所迷惑だから上がってこいよ!」
その言葉に、下の車から岩本が慌てて飛び出し、プロの速度でビルへと駆け込んでくるのが見えた。
数分後、息を切らせて執務室のドアを開けた岩本を、深澤は少しツンデレ気味な笑みで迎え入れた。
💜「……上がれって言ったのは、お前のモノになってやるって意味だから。……だから、責任とって、俺の理想ごと一生守れよ、照」
岩本は一瞬目を見開いた後、世界一幸せそうな、クシャッとした笑顔を浮かべて深澤をその大きな腕の中に抱きすくめた。
長年のしきたりでライバル関係にあった「Snow」と「岩本組」の歴史が、二人の恋心の成就によって、完璧な同盟へと塗り替えられた瞬間だった。
そして、ニュートラルゾーンの冷え切った裏路地。
🖤「俺は、俺の目の前にいる向井康二が欲しいだけ。……お宅のボスから奪い取る準備ができてるって言ったの、冗談だと思いました?」
目黒蓮の低い声が、至近距離で向井康二の鼓膜を震わせる。壁に押し付けられた康二は、目黒の広すぎる胸板を両手で押し返そうとしたが、その体躯はびくともしない。
🧡「待て、目黒……俺、仕事に誇りを持っとる右腕や……敵対組織のイケメンに、こんな風に転がされて……っ」
🖤「仕事の話なんてしてないって、ずっと言ってるじゃないですか」
目黒は掴んでいた康二の手首を緩めると、今度はその大きな手のひらで、康二の真っ赤に火照った頬を優しく包み込んだ。
🖤「向井さん。口ではそう言うけど、心臓の音、俺に丸聞こえですよ」
🧡「あ……」
🖤「俺を、ただの敵対組織の男としてじゃなく、一人の男として見て。……俺じゃ、ダメですか?」
国宝級のイケメン顔に浮かぶ、一切の迷いがない「男の目」。康二の心臓は、破裂しそうなほどの音を立てていた。仕事人間のプライドは、目黒の容赦ないゼロ距離のアプローチの前には、もう何の役にも立たなかった。
🧡「……ダメ、ちゃう。……俺も、目黒のこと、ずっと……」
康二が消え入りそうな声で白状した瞬間、目黒はふっと満足げに微笑むと、深く、深く、康二の唇を塞ぎにいった。
裏社会の右腕同士という最も危険な境界線が、二人の熱い抱擁によって、甘い恋の縄張りへと完全に書き換えられた瞬間だった。
それから、一ヶ月。
「Snow&Man」と「岩本組&宮舘組」の四つの組織がひしめき合うこの街は、かつてない奇妙な、そして絶対的な「安定」を迎えていた。
「Snow」の本部オフィスでは、深澤が岩本からの超過保護な『デートスケジュール』を見て
💜「照は本当に過保護すぎ……」
と微笑み、背後では阿部亮平が
💚「大介、今すぐ迎えに行くよ」
と佐久間大介との裏での恋仲を当然のように満喫している。
「Man」の組長室では、渡辺翔太が宮舘涼太の特製ロイヤル弁当を真っ赤な顔で食べさせられており、裏路地では、目黒蓮が康二の腰をガシッと抱きしめて
❤️「今夜は俺の家ね。今日の晩御飯何がいい?ハンバーグ?」
と意外にも甘いカップルライフを送っているようだった。それを物陰から見ていたラウールは、
🤍「なんかこれはこれで…尊いかも!……」
と新たな境地に目覚めていた。
友好と敵対、過去の因縁としきたりのすべてを私情で完全にねじ曲げ、書き換えた男たち。
血と硝煙の匂いが染みついたこの街の境界線は、もう誰にも引き裂けない強固な結び目で、新しく、そして永遠に回り続けるのだった。
これで完結です!!
最後は無理やり終わらせてしまいました…
コメント
2件

裏世界の敵対や友好関係も完全に無視しての強烈な恋心が、自分たちの世界を完全に塗り替えて、最後は本当に😍になってしまって…実際にはあり得ないことですが、小説ならではの定説を貫いてくれて嬉しいです!幸せを祈ります!
わああ完結おめでとうございます🌸✨ ラストの3組同時決着、尊すぎて声出ました…! 宮舘が幼い日の警察バッジをずっと持ってた執着エピ、渡辺が顔真っ赤にして「ずるい」って呟くところがもうエモすぎて破壊されました😭💕 深澤のツンデレ「上がってこいよ」からの岩本ダッシュも、目黒の「心臓の音丸聞こえ」からの康吉白状も全部最高…! 全員幸せそうでこっちまでにやけます。無理やりとか言わないでください、最後まで滾りましたよ!!🔥