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「話は終わったか? 次は我の番だ。貴様とはここでじっくりと話し合うぞ!」


ルティとの話が終わり小屋から出ると、目の前にはサンフィアが仁王立ちで待ち構えていた。ここがどういう村なのか彼女だけは分かっているようだ。


「ではではアック様。お話が終わるまでシーニャたちとお待ちしていますね!」


随分と物分かりが良くなったようで、大人しくルティが小屋から出て行く。大したことはしていなかったはずだが、気のせいかおしとやかになった気がする。


「ふん。節操の無い男め」


それにしても、サンフィアの見た感じはどこも変わっていないように見える。しかし少女から大人の女性に成長したかのような雰囲気だけは何となく感じてしまうのだが。


「あ~、幻霧の村ではどんな修行を?」

「……言う必要があるのか? たとえ我の男であろうとも、深入りは許さぬぞ?」

「そういうことならいいんだけど、力はどれくらいついたのかなと……」

「矢だ。貴様が我からの攻撃と気付かなかったのが、何よりの力だ!」


ああ、あれか。サンフィアがいるとも分からなかったし、普通に気付かないと思うが。


エルフ族であるサンフィアの強さは今のところ確かめるすべがない。しかしエルフの村とされる場所に彼女を送り出したこととエルフに関係する魔石が出たことは、決して偶然なんかじゃないはず。


そうなるとおれから彼女に出来ることといえば、専用魔石でも無い魔石を渡すことくらい。おれと話をしたいように見えるが、よくよく見るとサンフィアの態度はおれから何かを待っているようにも見える。妙にそわそわしているし、彼女らしくない。


顔もほんのり赤らめているようだが一体何を考えているのか。


「……この村のことは何か聞いてきたのか?」

「当然だ! 我はあの女狐……ネローマに従ってここにたどり着いただけのことだ。エルフが逃げ込み、ここに留まった話など信じてなどいない!」


幻霧の村長さんは上手くサンフィアを乗せてまんまと送り出したらしい。エルフの最後の砦だとか、そのままの意味だったようだ。


ここでガチャを引くことも恐らく分かっていてサンフィアを寄越したか?


形見の石といい精霊魔石のことといい、お膳立てはここで整うようだ。


「サンフィア。君に渡すものがある」

「そういうと思っていたぞ! は、早く渡せ! べ、別に我は貴様に会いたくなんて無かったのだからな!!」


何というツンデレだ。バレバレにも程があるぞ。


それはともかく、腰袋にしまっていた石を手の平に出した。するとどういうわけか、精霊魔石の方からサンフィアという|魔法文字《ルーン》が浮かび上がっていることに気付く。


形見と書かれた小汚い石の姿が見えないとなるとこの魔石と合わさったか。精霊結晶と属性結晶はそのままあるが、これに関してはエルフと無縁のようだ。


ともかく、サンフィアに魔石を手渡すことにする。


「……ほら、これがサンフィアの魔石だ。これがあれば精霊の力を使えるようになるんじゃないのか?」


精霊の色を表しているのか、サンフィアの魔石は碧色に輝いている。石を彼女に手渡すと何やら下を向いてしまった。


「フフフ……そうか、そういうことか」


そうかと思えば、何やら不気味に微笑んでいるような?


「ん? どうした、サンフィア……」

「フフ、ハハハハッ! ありがたく思うことだな! 我がこうして来てやらなければ、貴様は魔石を手渡す相手がいなかったのだからな!!」

「へ? いや、何でそんなに嬉しそうに――」

「大事にしてやる!! そ、それに、我は別にニヤついてもいない! 我だけが魔石の無い女だと思われたのは全然気にしてもいないのだからな!!」


どうやら何だかんだで専用魔石を持たないことをずっと気にしていたらしい。肝心の実力は確かめようが無いが、精霊の力を得られたならばとりあえず余計な心配は要らないだろう。何にしてもこれで遺跡捜索での心配は無くなった。


後はルティの話に基づいて彼女が来たとされる所に行ってみるしか無さそうだ。

Sランクパーティーから追放されたけど、ガチャ【レア確定】スキルが覚醒したので 、好き勝手に生きます!

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