テラーノベル
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38度2分。
「ちょっと熱が高いね」
「…ごめん、阿部。送ってもらって」
「いいよぉ、そんなこと。でも…珍しいね、舘さんが熱出すなんて」
レッスン中、普段より辛そうな顔を見せた彼。
他のメンバーに気づかれないように振る舞っていたけど、何となく…僅かな呼吸の乱れが気になって…。
解散後に声をかけると、赤い顔に上がったままの息。
通常の状態じゃないことは明らかだった。
大丈夫と言い張るのを捕まえて、半ば無理矢理付き添って彼の部屋へ上がり込んだ。
「風邪…というより、疲れかな?最近立て込んでたもんね」
「…情けな…」
「そんなことないよ。しんどいときは言って?できることならするから」
「……ありがと」
可愛い…
不謹慎かもしれないけど、弱った彼の姿に興奮すら覚える。
「何かいるものある?オレ買ってくるけど」
立ち上がろうとしたオレの手を、熱い手が掴んだ。
「…何も、いらない。ここに居て?」
「……甘えたいの?涼太」
「…ん」
コクリと頷いて、熱を帯びた瞳でこちらを見る様子に、胸がドキリとする。
「かわいい」
「かわいくなんか、ない」
「ううん。かわいいよ、涼太」
そっと、熱い唇に自分のそれを重ねた。
「ん…、ん、」
繰り返すキスに、とろんと目尻を下げて小さく鳴く。
抵抗も見せず、自ら唇を吸う彼に、止められなくなる。
何度も唇を喰むキスをすれば、彼の腕がオレの首に回され、もっととせがむように角度をつける。
それ、オレの理性飛ばしちゃうんだけど?
「ダメだよ、涼太。大人しく寝てなきゃ…」
「…お前から、してきたくせに…」
あれ?熱あるのに、誘ってくるの?
それとも、熱のせいなの?
「…したいの?涼太?」
「…聞くなよ……」
「オレ、する気なかったんだけど…」
「…したくないなら、いい」
「したくないわけないじゃん」
「じゃあ、抱いて…阿部」
「仰せのままに…」
優しく笑って見せながら、奥では熱い疼きが抑えられずにいる。
じっと瞳を覗かれて、見透かされてるんじゃないかと内心ドキリとした。
「辛かったら、言ってね?」
「…ぅん」
「涼太の中、熱い…」
「ん、んん”っあ、はぁ、あっ…」
「平気?…無理、してない?」
「ぁ…っ、大、丈夫っん♡へ…ぃきだか、ら、あっ」
熱い身体を抱きしめて、奥へと深く、深く繋がる。
「ああぁっ!あ”♡んぁっ!」
「涼太、愛してるよ」
「ん、ぅんっ♡…あ、べ…、阿部…っ好き…っ」
いつもより熱い体温が、一層興奮を高めていく。
紅潮した顔は、熱のせいなのか行為のせいなのか…
白い肌を染めるそれは、彼の艶やかさを更に引き立てた。
「もう、イく?」
「うん、ぅん…っ、イく…っ♡一緒に…あ、い、って、……っ」
ぶるっと身体を震わせて熱を散らした涼太の中で、薄いゴムを隔てて熱を放った。
「大丈夫?涼太」
「…うん」
2人でシャワーを済ませると、リビングで涼太の髪を乾かしてやる。
丁寧に櫛を通しながらドライヤーを当てると、本人の性格のように真っ直ぐで綺麗な黒髪に艶が出る。
「綺麗だね、髪」
「…そう?ありがとう」
熱のせいか、ぽわぽわしているのが可愛らしい。
「終わったよ。さ、温かくして早めに寝な?」
「…阿部が終わるの、待ってる」
お?甘えたモード継続中?
ソファに座る涼太の横に腰掛けると、優しく抱き寄せ髪にキスを落とす。
「オレもすぐ乾かすから。ベッドで横になってなよ」
腕の中の涼太は、やっぱりまだ少し熱い。
「…ここで待ってる」
そう言って、オレの脚を枕にしてソファに横になってしまった。
「…もう。しょうがないなぁ」
そのまま寝てしまわないでね?なんて言いながら、自分の髪にドライヤーをあてた。
普段弱さを見せない彼が、時折オレに甘えてくるのは限界を超えてしまってから。
そうなる前にもっと頼って欲しいけど、バランスが崩れて何かしら不調が出るまで我慢をしてしまうのが、彼の性分らしい。
「心配させないでよ」
「ん…な、に?」
ベッドの中で寄り添って、微睡み始めた彼の額にキスをする。
「おやすみ。涼太」
「ん、おやすみ…」
首元に顔を埋めて眠る涼太は、少し幼く見えた。
朝にはすっかり熱も下がったみたい。
涼太はオレより全然早く起きていて、キッチンに立って朝食の準備をしていた。
「おはよう、阿部」
「涼太、おはよ。もう平気そうだね」
「ん。…ありがとう」
「んーん、涼太が元気になったなら良かった」
「顔洗ってきな?ご飯にしよ」
「はぁい」
こんなに穏やかな時間を過ごすのは、久しぶりだった。
温かいご飯と、目の前には愛しい人。
心と身体が満たされていくのを感じたのは、オレだけじゃなくて、きっと彼も同じだ。
「こういう時間、いいね」
「うん」
「オレ今すごく幸せ♡」
「…うん」
「りょーた?」
「うん?」
「愛してる♡」
「………うん」
…end
あべだては彼女のような彼氏×彼氏のような彼女がいい!
コメント
2件
ジャスティス…っ!✨✨ 最高で胸がいっぱいです✨