藍が車に轢かれた。
俺は頭の中が真っ白になり、パニックになっていくのが分かった。でも俺はそんな自分を落ち着かせ、藍に近づき救急車と警察を呼び、藍のスマホからお兄さんと妹さんとご両親に、俺のスマホで関さん達に電話をかけた。
そして少しすると救急車がやってきた。
「救急隊です!急病人の方はどちらへ?」
「こちらにいます!」
俺は咄嗟に救急隊を藍の元へ案内した。
「彼の名前は?」
「髙橋藍です。」
「髙橋藍さんですね。 」
そして色々と状況を話終えると
「それでは髙橋さんを搬送したいのですが、えっと…お名前は?」
「石川祐希です!」
「石川さん、藍さんの付き添い
お願いできますか?」
「はい、分かりました。」
そして俺は藍と共に救急車へ乗った。
そして車内で俺は不安な気持ちと戦いながら
冷たく冷えきった藍の手を握った。
「藍…ごめんね。喧嘩なんてしなければ… 」
そう言いながら俺は救急車の中で
藍の手を握り続けた。
それから少しして病院につき藍は
精密検査を受けることになった。
その間俺は待合室で待っていると
「祐希(さん)!藍(さん(ちゃん))は!?」
「皆、藍は今精密検査してるよ。」
「精密検査?」
「うん、脳に損傷がないかとか、
色々調べるために」
そう話していると
「祐希さん!藍は大丈夫ですか?」
「あ、藍のお兄さんに妹さん…」
「えっと、藍は今精密検査をしてます。」
「そっか、結果何も無いとええな… 」
「そうですね…」
俺が落ち込んでいると、藍のお兄さんの塁さん
が俺に近づいてきた。
「祐希さん…元気ないけど大丈夫ですか?」
「あ、塁さん…実はこの事故は俺が原因で
起きてしまった事なので…」
「祐希さんが原因?」
「はい…俺、女優さんと共演したりすると、何故か女優さんに好かれてしまって、抱きつかれたりするんです…嫌だと言っているんですが…その時につく香水の香りが藍にとって
不快だったみたいで、これが原因で喧嘩に
発展してしまったんです…」
俺は泣きそうになるのを堪えながら
そう言ったすると
「そうか…うちの藍がすまんな?」
「え?いえ!悪いのは俺ですから!」
「いやいや、藍昔からそうで…その、
嫉妬深いというかなんというか… 」
「そうだったんですね…」
そして喧嘩になった経緯を話していると。
「石川さ~ん?診察室1番にどうぞ?」
「あ、はい!」
診察室へ入ると
「えぇ、髙橋さんについてなんですが、怪我は軽度なんですが、脳の損傷が酷くて…」
「へ、、脳の損傷が酷いですか?」
「はい、精密検査をしたら脳の記憶を司る部位が損傷している事が分かりました。」
「記憶を司る部位を損傷…?」
「つまりは、目覚めたとしてもしばらくは記憶喪失になってしまう可能性があります… 」
「そんな…」
「ですが、大丈夫です。時間の経過と共に記憶は戻りますから!」
「そうですか…」
「それで、髙橋さんはまだ意識は戻ってませんが、病室にいらっしゃるので、お顔見ていってあげてください」
「分かりました。」
そして俺は診察室を出ると先生に言われた事を
みんなに話した。すると、
「そうか…」
「藍、、心配だなぁ。」
「俺も心配だよ。」
「智さん…」
それから皆で藍の顔を見た後
各々が家帰った。そしてそれから皆が
時間を作り藍のお見舞いへ行くようになった。
そしてお見舞いに行くようになってる
数週間後
俺のスマホに一件の着信が来ていた
相手は関さん。電話に出ると
「もしもし?関さん?」
聞き慣れた声が聞こえると同時に
嬉しい報告がきこえた。
「祐希!藍が目を覚ました!」
「え、本当ですか!?」
「おう!それに記憶も残ってるぽいんだよ!」
「え、嘘!良かったです…グスッ」
俺は思わず泣いてしまい涙を止めようと
必死になっていると
「あれ?祐希泣いてる?」
「な、、泣いてませんよ…」
「ごめん、ごめん!とりあえず待ってるから
早く病院来な?」
「あ、はい!今向かいます!」
そして俺は急ピッチで荷物をまとめ
藍から貰ったコートを着て病院へ向かった
藍の病室で
「藍!!」
病室のドアを開けるとそこには楽しそうに
笑顔を浮かべ会話をする藍の姿があった
「藍が生きててくれて良かった…」
そう思いながら俺は藍に近づき
こう言った
「藍…ごめんね?俺のせいで事故に遭わせちやって…」
そう俺が謝ると藍は何故か怯えた顔を
しながら こう言った
「ごめんなさい…あなた…誰ですか…?」
「え…?」
思わず皆そう言った同時に俺は身体の中から
すぅーと何がが抜け落ちていく感覚になった
「嘘…藍、俺の事…覚えてないの?」
「え…?はい…覚えてないです…」
藍は怯えた顔から一変し 困惑した顔で そう言う
「え…藍ちゃん?本当に覚えてないん?
祐希さんの事!?」
有志が困惑しながら藍に聞いた。すると
「祐希さん…?西くん…この人 祐希さんっていうん…?」
「あぁ、そうだよ?藍ちゃんがずっと憧れてたバレーボール選手の石川祐希さんだよ? 」
「俺が憧れてたバレーボール選手?」
「そう!ずっと藍ちゃんは祐希さんみたいになりたいって練習頑張ってたんよ?」
「そうなん…でもごめん…それだけ
言われても思い出せへん…」
俺が落ち込んだ顔をしていると
「でも…誰かもどんな人かも分からへんけど… すごく大切な存在だった記憶はあります…」
「藍…」
俺の目からは涙が溢れた。
名前も、どんな人かも分からないのに それでもすごく大切な存在だと言ってくれた そう覚えてくれていた事に俺は思わずあんな事を藍に言ったしまった事。藍をたくさん傷つけた事を、つくづく謝りたくなったのと同時に俺は決心した。藍の記憶が戻っても戻らなくても藍のそばにいて藍を愛し続けたいと。
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