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「…僕を抱いてくれませんか」
「は…」
それは、遠い昔主だった人の生まれ変わりから発せられた言葉だった。
「晴明くん、自分が何言ってるかわかってる?」
「はい。意味を理解した上でお願いしてるんです…」
そう述べた彼の目は濁りきっていて、何処か孤独を孕んでいる。息苦しい雰囲気の中視線を落とすと、正座している彼の手首から血の滲んだ包帯が目にとまる。
「ツ…」
こちらの視線に気づいたのか、微かに震える手で自身の肌を隠す。
その姿は怯えた小動物の様で、自分の中にある卑猥な考えを誘いこんできた。
「ゴクッ…晴明くん、まず経緯を教えてくれない?
僕はただ、倒れてた君を寮まで届けただけだよ? 」
そうだ、僕は道端で意識を無くした晴明くんを送り届けただけだ。それだけであまりお互いを知らない人間…嫌、妖怪、ましてや元神に身体を預けると、?必ず元凶があるはず…「隊長さん」
「?!、晴明くん…」
「、隊長さんが何を思ったのか分かりませんが貴方が気にする事じゃないです」
そういうと、彼は立ち上がり引き出しから封筒を取り出した。
「晴明くん、だから質問に、」
「どうぞ」
僕が言いかけると晴明くんは取り出した茶封筒を顔の前に突き出し、こう言った
「これで何も聞かずヤってください 」
茶封筒の中身は大金で、一教師の給金ではなかった
「ツ…これ一体」
「急に言ってすいません。今が無理なら今晩にでも…」
「・・・」
大金を押し付けられ夜にまた逢いましょう
それが晴明くんとのこの短時間でついた会話の結末だった