テラーノベル
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※死ネタ有
かつて最恐と呼ばれた戦争国家があった。
その国旗の下には多様な人々が集い、戦争国家とは思えない豊かな国を創り続けた。
9月24日_________その日までは。
国民の誰もが勝てると思っていた。
国への忠誠心はどの国よりも強く、どの国よりも先進的な技術を誇るw国ならば、と。
国民の予想通りに戦争は進み、多くの国がこの戦争もw国が勝つだろうと予想していた。が…
『メーデー!メーデー!メーデー!』
『w国南部より、大規模陸上部隊の越境を確認!!』
『国民は至急西ゲート付近まで避難を!!前線部隊は直ちに迎撃を開始せよ!!繰り返す_________』
未だ、あの時のロボロの声が頭から離れない。
敗戦の原因は、バールバラ同盟という不可侵条約を結んでいた、戦友国の裏切りだった。
想定していなかった事態に対処が遅れ、w国軍は一気に追い込まれることとなった。
戦況は下降し、戦争計画の立て直しも間に合わず、多くの仲間が戦場で散った。
それはもう、最悪な光景だった。
死んだ仲間には、普段は外交官として国を支えている彼が含まれていた。
どうやら、戦力が足りず前線へと出ていたらしい。
原型のない死体が転がる戦場では、身元の分かる死に方をしていただけマシだった…
他にも四人のメンバーが行方不明となり、ロボロ、チーノ、レパロウは隣国へと連れられた。
行方不明となったのは、ゲドちゃん、兄さん、しんぺいさん…それから、シッマ。
しんぺいさんが行方不明になったのは、軍にとってなかなか厳しいことだった。
軍医が行方不明となり、緊急でくられ先生に救援を要請したのはまだ記憶に新しい。
行方不明となった彼らがどうなっているのかは、未だ分かっていない。
腹部から赤い液体が流れていくのが分かる。
痛みはなく、熱を帯びるばかり。これやばいんかなぁ、なんて思いながら周りを見渡す。
しばらく地面に横たわっていたからだろうか。敵も味方も、立っている者はいない。
随分離れたところに赤い狼煙が上がっているところを見ると、グルちゃんは………
……あ~タバコ吸いたい。
最後の最後までタバコに執着しているところを見ると、ほんとにニコチン中毒者なのかもしれないな。と少しだけ反省するが、今更タバコをやめたとて死ぬのには変わりないだろう。
のろのろと、腹部を庇いながらタバコを取り出し、火を付ける。
「…最後のタバコはうまいもんやなぁ………」
視界が揺れている。まだ喋れてはいるけれど、足はすでに感覚がない。
ほんまに死ぬんやな、俺。
自覚するとなぜか笑えてくる。
ええやん、もう…マンちゃんもグルちゃんも……あっちにおるんやし。
もっとおるかもしれへんな。俺が寝とる間に……
…グルちゃんが逝かれたっちゅうことは、とんちも…?
シッマは………どうなんやろ……アイツしぶといからなぁ…
…楽しかったなぁ。心からそう思える。
戦争に関わって楽しいなんて、不謹慎なのは百も承知だ。
でも…皆で騒いで、アホみたいなことで喧嘩して、内ゲバして、怒られんの…おもろいやんか?
もっと皆と遊びたかったなぁ…それだけが、心残り…やな……
タバコの灰が落ちる。瞼がゆっくりと下がる。
「…………生憎、死ぬのは乳のデカい女の上って決めとんねん…」
腹部を押さえて、ゆっくりと起き上がる。
俺は酒飲みたいし、タバコ吸いたいし、美女に囲まれて死にたいんや。
てか、もしシッマがあっちにおったら面倒くさい。てかうるせぇ。
やから俺はまだ死なへん。
自分の死に場所くらい自分で探すわ。
戦場で、一人の男が立ち上がる。
〝荒廃と瓦礫の中から_____〟
〝_________再び軍旗が立ち上がるだろう〟
「………市民登録できへんってめっちゃきてんねんけど…」
「え゛ッ」
「大先生、ここミスってます」
「うそぉ?!」
「夜のBarとかおもろそうやん?」
「まあええんやない」
「…あ、いらっしゃ〜い……お嬢さん一人?」
「ようこそ、MAZI夜Barへ…ゆっくりしてってな」
スクロールお疲れ様でした!
今回はまじめにヤバシティ創立までのお話を、軍パロで書いてみました。
グルちゃんの「荒廃と瓦礫の中から再び軍旗が立ち上がるだろう!」が好きすぎて書いた作品
軍パロにするにあたって、色々設定いじったんですけど…わかりますかね……?
外交官ことマンちゃんが死ぬ=脱退
隣国へ連れられた=個人活動
行方不明四名=上記以外
みたいな感じになってます!
最後になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
良ければ次回や別作品も、読んでいってください。
next→神様にはなれないから
コメント
2件
コメ失礼…! こういう捏造の物語を見たことがなかったので、凄い見入ってしまいました…!!✨次回も楽しみにしています…!