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15 - 第9話:コザクラチェック・特別回

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2025年05月14日

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第9話:コザクラチェック・特別回

ピンクゴールドのカーテンが開き、昭和レトロなテーマソングが流れ出す。


♪チェックするわよ、ぜ〜んぶ見てるわよ〜

今週の、コザクラチェ〜〜ック!




VRコミュニティ番組『コザクラチェック!特別回』。

今日のテーマは、“今一番気になる存在”。


カメラがズームすると、緑と赤のツートーンボブ、ピンクリップと白い昭和風フリルドレスに身を包んだコザクラが、キラキラのステージに立っていた。


「はいはーいっ!今日は……ちょっと真面目な話、しちゃおうかなって思ってます!」


コメント欄が一瞬ざわめく。


「え、珍しい」「ガチ語りくる?」

「コザクラ、どしたの」







【番組中:告白】


深呼吸を一つ。

彼女の笑顔がふっと落ち着く。


「system_0って知ってる? ――あの、VRゲームの無言のファントム。

今日ね、ちょっとだけ、話していい?」





【VR社会:反響と拡散】


コザクラの言葉は、ネット上ですぐに話題をさらった。


「この人は、誰かを傷つけないために、ずっと無言で戦ってるの。

“正しさ”とか“勝利”より、“壊さない方法”を選び続けてる――」




静かな声。けれど重い言葉。


「あたしの“お兄ちゃん”……だなんて、言えないけどさ」

「あたしにとっては、世界で一番、優しいファントムなんだよ」




コメント欄が一気に染まる。


「泣いた」「なんだこの特番」「今すぐLAST STRIDE入りたい」

「system_0=コザクラ兄説、これで確定?」







【現実:シスケープ開発部】


ユーヤは無言で作業を続けていた。

が、周囲の社員たちの端末には、COKOLOの番組ウィンドウがちらちらと開かれていた。


「これ……今配信してる“コザクラチェック”、見た?」


「system_0って……やっぱあの人?」


ユーヤは小さく息を吐き、視線を外す。

彼の右手は、マグカップではなく、NEO-Vヘッドセットに伸びていた。





【ログイン前】


デバイスを手に取る。

手元のディスプレイには、コザクラの言葉がハイライト表示されていた。


『この人は、誰かを傷つけないために――ずっと、戦ってる』




ユーヤはほんの一瞬だけ、眉をわずかに動かした。


何も言わずに、NEO-Vを装着する。

画面に浮かぶID――system_0。





【ログイン:闇に消える背中】


廃墟マップの空間に、影が現れる。

照準を合わせたプレイヤーたちが一瞬、手を止める。


system_0は――ただ、振り返らずに前へ進んでいた。


彼の後ろ姿に、誰かが言った。

「あの人、もしかして……ずっと誰かを“守ってる”んじゃないか?」

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