「やっぱり…こいつ、不死かよ!」朱音が呆れた声を上げる。
ライオンの体が再び動き出し、以前よりもさらに大きく、威圧感を増していた。
その瞬間、透の表情が曇る。
「まさか…それも使う気か…」
ベンテゴストが笑みを浮かべ、透の手から一度失われた呪具『紫狼』がその手に収まっていた。
「これも俺のものだ。お前の武器が、今度はお前を狙うぞ!」
ベンテゴストの術式によって、透のかつての武器である紫狼が目覚め、凶暴なオーラを放ち始める。
その姿はまるで生きた狼のように変貌し、紫色の炎を纏って神風たちを威嚇していた。
「くそっ、今度は俺の紫狼まで…」透が苦々しい表情で呟く。
「どうする?透、あれは元々お前の武器なんだろ?」神風が冷静に言う。
「簡単に取り返せるものでもない…けど、何とかするしかない」
ライオンが地を揺るがす一撃を繰り出すと同時に、紫狼が素早く神風に飛びかかる。
「厄介だな…!」神風はかろうじて攻撃をかわし、紫狼の爪が地面を深く削るのを見て冷や汗を流す。
一方、透はライオンと直接対峙していた。
「お前を倒さないと、俺たちには未来がない!」透が渾身の力で攻撃を仕掛けるが、不死のライオンは再生し続け、その威力を全く失わない。
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