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「おはようございます」
控えめな声でスタジオに入ってきた内山。昨日の言葉が頭に残っていて、ずっとソワソワしている。
内山昂輝(心の声):
(昨日の……あれ、どういう意味だったんだろう。“本気で言ってたかも”って……あれは、冗談じゃないってこと?)
スタッフと軽く挨拶を交わしながらも、心ここにあらず。
そうこうしていると――またしても、背後から、声がかかった。
入野自由: 「おはよ。内山。」
ビクッと反応してしまった自分に気づき、内山は思わず早口になる。
内山昂輝: 「お、おはようございますっ」
入野自由: 「……昨日のこと、気にしてる?」
内山昂輝: 「……」
沈黙。けれど否定もしない。それだけで、内山の心がざわめいているのが分かる。
入野自由: 「ふふ、顔に出てるよ。そういうとこ、ほんと嘘つけないよな。」
内山昂輝: 「……からかわないでくださいって言いましたよね。」
入野自由: 「……うん。でもね、もう“からかい”じゃなくなってきたかも。」
その低く真剣なトーンに、内山は思わず視線を向ける。そこには、昨日のような茶化しはなかった。
収録が始まり、二人のキャラはまるで恋人同士のようなセリフの応酬が続く。
(キャラクターとして)
入野のキャラ:「お前が、誰に笑いかけても、俺には関係ない。けど…ほんとは独占したいって、思っちゃダメかな。」
内山のキャラ:「……俺は……どうして、そんなに俺のことばかり気にしてるの……?」
台詞の間に妙なリアルさが宿る。マイク越しの演技とは思えない、感情のぶつかり合い。
録音終了後――スタッフが驚いたように拍手する。
ディレクター: 「おおっ、今日すごい感情乗ってたね!まるでリアルだったよ!」
スタッフ:「二人、空気すごかったですね…!」
入野は、マイクから離れると内山にだけ聞こえる声でそっと囁く。
入野自由: 「君の“俺のことばかり気にしてるの?”ってセリフ…図星だったよ。」
内山昂輝: 「……!」
入野自由: 「俺、たぶん…君のこと、ずっと気になってる。」
その一言に、内山は反応できず、ただじっと入野の瞳を見つめ返すだけだった。