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鷹槻れん/鷹槻うなの

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鷹槻れん/鷹槻うなの

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臣桜
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#恋愛
水無月 京
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秋の夕暮れは早い。
以前ならまだ十分明るかったはずの時間帯も、一気に夕日が落ちて、どことなく物悲しい気分になる。
すべてのタスクが終わったとは到底いえないけれど、とりあえず急ぎのものは終わったし、あとは明日でも問題ないだろうか。流石に今日は二日酔いにはならないはずなので。
そろそろ会食のために移動しないといけないな、と豆さんの個室をみれば、まだパソコンに向かっている。何か作業をしているのだろう。
声をかけようと自分の荷物をまとめて、個室をコンコンとノックする。
「どーぞー」
日頃、社員には見せない気の抜けた声。いつの頃からか聞かせてくれるようになって。小さな変化にいちいちときめく自分が面倒だけど止められない。
「豆さん、そろそろ移動しましょう」
この時間なら外でタクシーいくらでも捕まると思いますので、急いで行きましょうと彼の支度を促す。
あらもうこんな時間かと言いながら、彼は掛けてあったコートをフワッと羽織り、パソコンを入れたブリーフケースを手に持つ。
「…なんですか、これ」
ふと彼のデスクの上をみれば、可愛らしい小さなテディベアのキーホルダーが置かれている。
「豆さんのキャラにはおよそ似合わなくて、なんか不気味です」
「…相変わらず言い方が酷い」
慣れたのか、戸惑うこともなく笑い飛ばす豆さん。
「これね、可愛すぎて流石に俺には使えなくてさ」
「…でしょうね。というか誰から貰ったんですか」
「内緒。てか弓家さん、これあげる」
えええ?
「私もテディベアつけるようなタイプの女じゃないですけど」
「でも俺か弓家さんかって言ったら弓家さんじゃない?間違いなく」
「…その究極の二択じゃ議論になりませんよ…」
うめく私に構うことなく、豆さんが私のカバンをスッと肩から抜き取って取っ手にキーホルダーをはめる。
カバンの色合いと、キーホルダーの色味が絶妙にマッチして
「あれ、なんか思ったよりいいじゃん」
「うわ…否定はできないですね」
なぜ会食に行く前にこんなことを…。
「あ、弓家さんちなみにね、これ…」
「ちょっとこの話、長くなります?」
彼の続く説明を聞きながら、2人で足早にフロアを横切る。
もう、だから急いで移動するんですってば!!
夕方のタクシーは心臓に悪い。
都心とはいえ、それなりの人間が車を使うので、自家用車、タクシー、送迎車とあらゆる車が車線に列をなしている。
約束の時間に間に合うかしらとやきもきする私の傍で、パソコンを開いて明日の資料を確認したり、時々誰かに電話をかけて指示をしたり。
豆さんのメンタルは、やはり尋常ではない。
「そうだ、弓家さん」
「はい」
「明日でいいんだけど、人事のパートナーの打ち合わせ枠、無理やり30分こじあけてくんない?」
「過去イチで無理な依頼してきますね」
流石に無理でしょう、とパソコンを開いて彼の予定を確認しようとすれば、「あ、やっぱいいや」と手で動きを制された。
「ご自身が無茶言ってることにお気づきになりました?」
「いや、俺が直接連絡するわ」
俺たち仲良しだからねと早速スマホを取り出す。
ずいぶん軽いノリなので相手も困るのでは、と新たなやきもきが追加されたところで、電話がつながったようで会話が始まった。
「明日どこか30分ちょうだい。え、無理?」
豆さんの心外そうな声を聞いてこちらが驚く。まさか、本当にそんな簡単に時間が確保できると思ってたんじゃないでしょうね。
「えーそれでもお前友達かよ」
「大体さ、朝起きてから最初のMTGまで何時間空いてんだよそこ使えるだろ」
「人事は会議時間規制厳しいよな?18時だっけ?じゃあそのあとでいいじゃん」
「は?パートナーは完全に規制対象外だろうが甘えんな」
豆さんの気取らない、そしてかなり強引な会話は初めて見るかもしれない。私にはまずそんな無茶は言わないし、ユニットの会議でもそんな態度は見せる素振りもない。
数多ある評判からも、多分こんな高圧的な態度はスタッフには取らなくて…彼と同等のランクにいるパートナーだからこそ、砕けた姿勢で話ができるのかもしれない。
実際自分がそんな無茶振りされたらビビって心臓が止まりそうだけど…気取らない間柄なのは羨ましい、なんて。身の程知らずな欲求が湧く。
「おっけ。8時な」
私が好き勝手妄想していれば、話がまとまってしまったらしい。
「弓家さん、会食の翌日で悪いんだけど、明日8時になったわ。自宅から参加してくれる?」
「え、私も出るんですか」
「多分いてもらった方が助かるかな」
なんでですか、と聞いても彼は微笑むばかりで。
これは回答が引き出せなさそうだと諦めて前を向く。
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