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#ファンタジー
芙月みひろ
94
設楽理沙
1,542
夏休みが終わる頃。僕は、白瀬さんにあることを言おうとしていた。
『好きだ』と。
でも、なかなか言えなかったそんなある日。白瀬さんが、駅で年上に見える男の人と話しているのを見かけた。
「灯、久しぶりだね。」
「……悠斗?」
「元気そうでよかったよ。」
二人はとても親しげに話していた。僕は、その場を離れた。
自分が何を考えているのか分からなかった。
翌日。白瀬さんは、いつものように僕に話しかけた。
「朝倉くん、おはよう」
「……うん」
「どうしたの? 元気ないね」
「別に」
白瀬さんは、少し黙った。
「そっか」
その日から、僕は少しずつ白瀬さんと距離を取るようになった。
話しかけられても、短く返す。
放課後も、一緒に帰らない。
白瀬さんは、そんな僕の変化に気づいていたのかもしれない。
ある雨の日。校舎の階段で、白瀬さんが僕を呼び止めた。
「ねぇ、朝倉くん」
「……何?」
「私、何かした?」
僕は答えられなかった。白瀬さんは、静かに続ける。
「最近、声が遠い」
その言葉が、胸に刺さった。
「……白瀬さんには、分からないだろ」
「え?」
「僕が何を思って、どんな思いで白瀬さんと接してるのか。」
白瀬さんは黙った。僕は、自分でも驚くほど強い声で言っていた。
「僕は、白瀬さんのことを何も知らない。見えない大変さも、どんな気持ちで過ごしているのかも」
「朝倉くん、」
「だから……僕がそばにいても、なにも意味ないんじゃないかって。」
階段には、雨の音だけが響いた。
白瀬さんは、しばらく何も言わなかった。そして、ぽつりと答えた。
「……そばにいてくれるだけで、十分意味があるんだよ。」
僕はその言葉に顔を上げた。
けれど、白瀬さんはもうその場には居なかった。
コメント
1件
もう第7話、読み終わったよ〜〜!!😭💦 駅で白瀬さんが年上の男の人と話してるとこ見ちゃうの、辛すぎる…!!「悠斗」って呼ばれてるの聞いて、主人公が距離置き始める流れ、胸がギュッてなったよ…。 でもラストの「そばにいてくれるだけで十分意味があるんだよ」って白瀬さんの言葉、めっちゃ刺さった…!雨の日の階段のシーン、映像が浮かぶみたいだった。続きが気になりすぎる!!藍碧さんほんとエモいのありがとうございます✨