近づいた瞬間着物姿の人は奥の畳の部屋へとゆっくり移動し、こちらにむかって手招きをする。その姿は艶やかな着物と相まってとても妖艶で目が離せなかった。
畳の部屋へと向かうと更に距離が近くなり、期待で胸が高鳴っていた矢先の事だった。
「…え?男…?」
念願の着物姿の人に会えた喜びとは別に驚きを隠せないでいた。なぜならば目の前に座っているのは男性だったからだ。しかしタレ目でおっとりとした顔つきはとても女性らしさがあり可愛らしいと思う。
しかし次に驚きを隠せないのが体格だった。俺は平均より背が低い為あきらかに目の前にいるこの人は俺よりでかい、だがそれさえも魅力的に感じていた。
「あの…写真を撮らせてくれませんか?」
するとまた手招きをされる。俺は顔を近づけると耳元で「綺麗に撮ってね」と優しい声色で囁かれた。俺は首を縦に振り少し離れてカメラを覗いた。
「…やっぱり綺麗だ…」
男だろうが背が高かろうがそんな事は問題じゃなかった。カメラに映る着物姿の人はとても綺麗で艶やかで俺は無我夢中でカメラのシャッターを切る。
何枚か写真を撮っていると俺との距離が近くなっているのがわかりカメラから目を離すと笑みを浮かべてこちらを見ている。
「あの…」
言葉をかけようとした瞬間俺の足に着物姿の人の手が這っているのがわかった。その手つきはとてもいやらしくご無沙汰なのもあるせいか期待して自身も少し反応してしまう。
「…あの、写真…」
「可愛い反応するんだね。ね?ここ触ってもいい?」
「あ…はい。」
欲望に勝てず返事をする。期待に胸が膨らむ中、着物姿の人が俺のカメラに触れる。
「ねぇ、写真撮り続けて。」
「え?」
「これからする事全部。」
甘い言葉でそう言われればこれまた二つ返事で答えてしまう。俺は言われた通りにカメラを構える。
ゆっくりと太ももから上へと手が進みカメラを構える手が震えるのがわかった。恥ずかしくはあるが自身が完全に反応して触れて欲しくて仕方がない状態だったからだ。
「ちゃんと撮ってる?」
「…撮ります。」
シャッター音と共にチャックを下す音が聞こえる。唾を飲み俺は必死でカメラのシャッターを切り続けた。
「キミの可愛いね…食べちゃいたい」
「…っ、だ、ダメです。」
いやらしい手つきでそんな事を言うもんだからつい流されてしまいそうになるが、必死で堪えてまたシャッターを切り出した。
着物姿の人が唾を垂らすと滑りがよくなり部屋にシャッター音といやらしい音が響き渡る。視覚と聴覚が一気に犯されているような感覚に俺は達するのを我慢できずにいた。
「あの…もう出そう…ですっ」
「いいよ…出して。」
優しい手つきから少し力を込めて激しくなり俺は着物姿の人の手の中で果てた。久しぶりの感覚に俺はカメラを撮ることを忘れて先ほどの感覚を味わっていた。
「写真、撮ってなかったでしょ。」
「いや…こんな事されたら撮れないって…」
「じゃぁ、次も撮れなかったらお仕置きだから。」
「お仕置き…?」
「そ。次は頑張ってね。」
そう手のひらをヒラヒラさせて「またね」と言うと襖を開けてどこかへ行ってしまった。取り残された俺はしばらくその場に座り込み言葉の意味を考える。
「次って事は…また来てもいいってこと?」
恥ずかしさもあるがあの感覚が忘れられないでいる俺は次がある事に嬉しさが募り身支度をしてこの場を後にした
第3話へ続く。