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大人になっても忘れられない恋をしよう。





『…きっと一生分の恋をした 』





剣持「貴女以上に好きになる人が見つからない」





これは切なくも儚い、苦しい恋の物語────





  • * * * * ꒰ ♡ ꒱ - - - - -




絢世 萌音あやせ もね





高校2年生





  • * * * * ꒰ ♡ ꒱ - - - - -






『きっと、』






剣持「絶対、」






「『忘れない』」





  • * * * * ꒰ ♡ ꒱ - - - - -





剣持「…めんどくさ……」





はぁ、と口からため息が漏れる





今日は月に1回の通院日





僕はストレスで胃が痛くなりやすいため鎮痛剤を処方してもらっている






待合室でお待ちください、


と言われ座れそうなソファーを適当に探す






1つのソファーが僕の目に止まった





その上には誰かのノートが。





でかでかと書かれた字でこう書いてあった






“死ぬまでにやりたいこと1000”






妙に目を引かれてパラパラとページを捲ってみる






①外で走り回って遊ぶ!!






②自分が食べたいものを食べたいだけ食べる!






どれも当たり前のことだが意志の強そうな時で“絶対叶える”などと書かれている






余程重い病気なのか…可哀想に、と





ノートをソファーの上に置こうとした時






「あッッッッッ!!!!!」






……デカい声が聞こえた





待合室の患者は全員こちらに注目し当の本人は僕に指を指し口を大きく開けた体制のまま立ち尽くしていた






……あれ、なんだか見た事のある人だ






そうだ思い出した






剣持「絢世…さん?」







『ヤバっ剣持くんじゃん』






『ちょっ、それ…中身……見た……??』






剣持「…すいません、


気になって」







『あぁ~見ちゃったか~…いや、剣持くんだから大丈夫か!』






何やら自分で解決すると勢いよく向き直った






『剣持くん!この事はどうかご内密に!!』






剣持「いや、言いませんけど重い病気なんですか?」






『うん!!膵臓癌すいぞうがんだよ!』






剣持「え、膵臓癌って…」






『長くは、生きられないんだ』

大人になっても忘れられない恋をしよう。

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