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⚠️注意⚠️

・太宰治×ゴーゴリ

(ドストエフスキー×ゴーゴリ)です!

・作者の知識はアニメ止まりです

・作者は初心者なので至らないところかあ ると思いますがご了承ください

・大正時代モチーフです!

・太宰治···▸狐族

・ゴーゴリ···▸九尾の白狐神

・ドストエフスキー···▸九尾の黒狐神

・神聖と信仰の続きになっております。

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この横浜には三柱の神がいる。

一柱目は龍神。彼の容姿は黒狐の神に似ている。しかし、黒狐の神より少しばかり大人びた考えを持つ。そして養子で引き取った人の少女を溺愛している。             二柱目は黒狐神。野心が強く、頭が切れる。そして龍神や虎神にはない色香と妖艶さを持ち合わせている。横浜の中で随一の美貌を持っていると言われている。            三柱目は虎神。神は地球上のすべての人を愛すというが、彼こそがその言葉にふさわしい。神とは思えぬあどけない顔を持ち合わせておきながら彼の纏うオーラは神々しい。そのアンバランスさが魅力の一つだ。

実を言えばもう一柱、神はいるのだ。その名は白狐神。彼は黒狐神よりも美しく、この三柱と比べれば神位の階級はずいぶん上なのだ。強大すぎる力故に、彼は龍神に狙われていた。龍神はどんな手も使う。それらをどう回避するかを考え続けなければならないことに疲れ、明治以降は黒狐神の後ろに隠れた。だが問題はひとつあった。満足に外に出れず、退屈になるのだ。そんな彼に黒狐神はひとつ予言を言った。

『もう時期腕に睡蓮の文様を持つ男子が生まれる。その男子が18の誕生日を迎えた時、貴方は自由になれるでしょう。』

この話は睡蓮の男子と白狐の神の波乱万丈なラブストーリーである。

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私は今日で18歳になった。狐族の女子は16歳に。男子は18歳になると黒狐神の社へ就職しなければいけない。夜になると大社へ行く前に自宅でまず禊をする。その後白い簡単な着物に着替え、使用人4人が提灯を持って大社まで着いてくる。今日は大社へ就職する多くの狐族の男女のため、盛大な宴が開かれるのだ。私が5歳の頃、虐待をしていた家族と使用人がいる屋敷へ帰りたくなくてこの大社の塀に背中を預けて蹲っていた記憶がある。その時に声をかけてくれたあの美しい青年はいるのだろうか。大社を囲む木々に細いしめ縄が括り付けられ多くの提灯が吊り下げられている。大社へと続く道に面している家にはあかりが灯され民間人は拍手や舞を踊りながら道を歩く身を清めた新人達を見守っている。夜のはずなのに町はとても明るく、綺麗になっていた。門の前まで来て、4人ずつ丁寧に頭を下げて中に入っていく。 驚く程に広い庭に用意された箱膳の前に置かれた座布団に、一人一人正座で座っていく。箱膳の上には日本酒が置かれていた。大社の最上階の回廊に黒狐神は座している。そこから宴の様子を眺めるのだ。

「今宵、禰宜になった者。巫女になった者を祝して乾杯いたしましょう。」

神主が司会となって宴の合図を言う。だが私は引っ掛かりを覚えた。神主が変わったという情報はなかったはずなのに、あの日であった人ではなかったのだ。どこにいるのだろうかと、辺りを見渡し探してみるも、それらしい姿は見当たらない。私が焦っているうちに数々の衣を見に纏い、頭に飾りをつけた巫女が神楽を踊り出した。手に持った鈴を綺麗に鳴らして舞う姿は、シチュエーションも合わせて美しいものだったが、私はその光景を気にもとめずにあの青年を探し続けた。

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「新人。仕事だ。」

宴も終わり、仕事の説明を受けてようやく静まった頃、これから私の指導役になる『シグマ』という禰宜が私に仕事を支持してきた。

「了解です。」

「この箱膳を黒狐神のところまで持って言ってくれ。毒など入れても黒狐神には効かないぞ。」

「入れませんよ。そんな物騒なもの。」

めんどくさいなと思いながら長すぎる回廊を歩いて最上階を目指す。

「黒狐様。夕食をお持ちいたしました。」

襖の前で正座をし、顔を下に傾ける。

「どうぞ。」

爽やかな声で入室を促されたので両手で襖を空け一礼してから中に入る。するとそこには肘置きに左肘を立て、握りこぶしの上に頬をのせ、右膝を立てている黒狐神がいた。宴の席で夕食は取っているだろうになぜ配膳を?と疑問に思っていたら黒狐神は疑問に答える。

「それは僕のご飯ではありません。僕の将来の伴侶のご飯です。」

神は心をも読めるのだろうか。

「それは神によりますが、僕は読めますよ。」

プライベートの侵害ではないだろうか。

「そこら辺は気を使っているので気にしないでください。」

恐ろしいことに部屋に入室してから一言も喋っていないのに会話が成り立っている。

「貴方が睡蓮の男子ですか。」

「なんのことでしょうか。」

「楽にして構いませんよ?」

「では、遠慮なく。なんのことだい?」

「貴方には使命がある。僕と白狐の神が直々にくだした使命です。」

「内容は?」

「白狐の神に自由を与えることです。さぁ、ゴーゴリさん。食事ですよ。」

黒狐神がゴーゴリという名前を呼ぶと後ろの襖が誰にも掴まれていないなずなのにゆっくりと両方の襖が開いた。

「?!」

色白美肌で、ぱっちりと開いた瞳は形も色も美しい。神々しい白髪は三つ編みにしていた。間違いなく、あの日であった神主だった。しかし、先程黒狐神は将来の伴侶のご飯と言った。つまり……

「君は黒狐神の婚約者なのかい?!」

突然の大声に黒狐神とその婚約者は目を丸めた。

「ドスくんの婚約者?何を言っているんだい?」

白髪の美しい人は首を傾げる

「ええ。まあいずれは結婚するでしょうし。」

なんということだ。私の初恋の人は婚約者が決まっていたのであった。そのまま呆然としていると、美しい人はご飯を食べ始めた。

「あぁ。名前を言っていなかったね。僕の名前はニコライ・ゴーゴリ。気軽に呼んで。」

「ゴーゴリさん。教えてしまって良かったんですか?」

「彼は睡蓮なんだよ?大丈夫だよ。ドスくんも名前教えてあげたら?」

「まだ民間にも教えていないのにですか?」

「誰が最初でもいいだろう。」

「……そうですね。ぼくの名前はフョードル・ドストエフスキーです。」

配偶者……婚約者……結婚……。あの時からずっとゴーゴリに再び会う時のことを思って頑張ってきたのに……。

「もー。ドスくんが変な事言うから放心状態になっちゃったじゃない。僕とドスくんは結婚はしないよ。ところで君の名前は?」

ちゃっかり爆弾発言をゴーゴリは投下したため、今度はドストエフスキーが放心状態になった。

「私の名前は太宰。太宰治だ。」

「太宰くんかー。いい名前だね。」

美味しそうに夕食をほうばる姿は、本当に可愛らしかった。


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