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加藤あいさ
21
哀 川 せ せ ら .
14,946
ねむ
222
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快晴「おらへんな…」
風太「ホンマ何処行ってんあの子?」
別館の一階から二階全ての部屋を探したが、音奈らしい姿が全く無かった。
快晴「別館は、ナゴミヤ旅館より二回り小さいな…」
風太「中からじゃあんまわからへんわ」
快晴「一階広場があって、右側には台所とリビング、左側には脱衣場と風呂場、中央ズドン…って行ったら二階上がる階段…。二階は家族の自室ってところやな」
風太「家族の部屋の扉んところに、ごっつボロイプレートかかっとったよな…」
快晴「おん。あと、オーナーさんのお父さんの部屋…綺麗やったけどなんか血生臭かった気が…」
風太「やっぱ呪いか?」
快晴「……もっ回行ってええか?」
風太「おん」
快晴と風太はナゴミヤ旅館名物と化している、呪いの根源の和水始の部屋へと向かった。
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別館の奥にある階段を登って右に曲がると、更に右側に続く廊下の一本道があり、その廊下には一枚の大きな壁があり、手前に扉一枚、少し離れたところにまた扉が一枚あった。
風太「ここから見て手前が「ちさよ」さんの部屋、向こうが「はじめ」さんの部屋やな」
快晴「おん」
快晴と風太は用がある路郎の父親、「はじめ」の部屋に入った。
快晴「やっぱ、薄ら血生臭い…」
風太「ここで呪い殺してんちゃうの?」
「はじめ」の部屋はベットはあったが、マッドレスや布団一式が無かった。向かって左側には黒いタンス、右側には学習机があり、部屋の奥には本棚が立って中には本棚が沢山入っていた。
快晴「オーナーさんのお父さん、読書好きやってんなー……。ん?」
そこで快晴はひとつ違和感が過ぎった。
快晴「アレ?何かちゃう…?」
風太「何がや?」
快晴は人差し指の腹を顎に付けて、左斜め上を見て、考えるポーズをする。
快晴「昨日の夜…。オーナーさんとお父さんの部屋に行ったら、首吊り自殺した時のロープがあった」
風太「オーナーが取ったんちゃうんか?」
快晴「取れへん言うてたで」
風太「あー…せやったな…。え?ほんなら何処に?」
快晴はしばらく考える素振りを見せてから、この部屋から出て行き、隣の「ちさよ」の部屋に入った。
快晴「ない」
快晴はボソッと呟くと、「ちさよ」の部屋の扉を閉めて、階段がある方へ足早に歩き、階段を通り過ぎて突き当たりにある廊下を真っ直ぐ歩いた。
すると突き当たりには大きな壁があって、手前には「ろあ」と平仮名で書かれた水色のプレートが扉にかかってあった。
快晴はその部屋の扉を開けるようとするが、鍵がかかっていた。
快晴「えーっと、確か鍵は別館にある言うてたなー。何処にあんねん?」
風太「そう言えばオーナーさん詳しゅう言うてへんかったなー」
快晴「壊してやフウちゃん」
風太「そーしたいんわ山々やけどなー。この間志土の部屋のドア壊した時に、ごっつイケメンな笑み向けられた思たら…「次やったら弁償な」ってごっつ低い声で言われた。めっちゃ怖かった」
快晴「普段温厚な人がガチで怒ったらごっつ怖いタイプやん」
風太「身に染みたわー。って事やからオーナーさんの目ー届くところで物壊すんやめとくわ」
快晴「ほんなら鍵探そか…。僕も別にあのオーナーさんに恨みあるわけちゃうしな」
快晴はそれだけ言うと、「ろあ」と書かれたプレートの扉から離れて、少し離れたところにある扉一枚に近づいた。
快晴「「じろう」。オーナーさんの部屋ここか…」
快晴は平仮名で「じろう」と書かれたプレートがかかっている扉を開けた。
風太「なんか、えらい少ないなー」
快晴「ホンマな」
路郎の部屋。
旅館のオーナー室を自室にしていると言っても、部屋の中の物が少な過ぎた。ベットはあるがマットレスや布団一式が無い。
風太「オーナーさんの部屋。生活感無いなー」
快晴「なぁ」
風太の言葉に同調する快晴。部屋を適当に見てみると、白いタンス、鏡台、紫色のクローゼットがあった。
快晴「白いタンスの中は…使ってへんタオルが二枚…。ごっついカッピカピ…昔使ってたんかな?」
風太「……鏡台ある…。部屋に鏡台置くんわイケメンになれるコツなんかな?」
快晴「そんなんでイケメンになれんるんやったら苦労せぇへんって」
快晴と風太は紫色のクローゼットを調べた。
快晴「引き出し開かへんな…」
風太「うわ、ほんのりなんかの花の香水の匂いする…。もしかして、イケメンになれるコツか?」
快晴「クローゼットくらいフウちゃんの部屋にもあるやろ、イケメン関係ないわ」
風太「待ってくれよ俺が持っとるってだけでイケメン関係ない…って!「俺が持っとる」ってだけでイケメン度が下がっとるみたいな言い方されとー気ィする!!」
快晴「そこの鏡台の鏡見ィや」
風太「やめろやお前!!イケメンかけ離れた厳つい顔なんわかっとるから!!」
親指で鏡を指差す快晴。風太は自分の厳つい顔を、角張った男らしい両手で被って、自分の顔を鏡で見るのを拒否した。