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どぅわん
第7話 「暴発! 技術長の新発明」
朝のセリエナ。
ひんやりした空気に包まれた工房街の奥から――。
ドォォォォン!!
爆音とともに白煙が上がった。
受付嬢:「ひゃっ!? ま、またですか!? もう何回目なんですかぁっ!」
クロナ:「……爆発音の位置、前回と一緒。犯人、同じだな」
陽気な推薦組:「あははっ! 今日も元気だねぇ、セリエナ!」
勝気な推薦組は後方のテントから顔だけ出して、呆れ顔。
勝気な推薦組:「ほんと懲りないわね……。あの人が無事ならいいけど」
クロナと陽気は視線を交わし、静かに工房へ向かう。
扉を開けると――中は煙とススで真っ黒だった。
技術長:「……ふむ。爆発半径は予定の半分。上出来だな」
受付嬢:「上出来じゃありませんっ! あと少しで倉庫ごと吹っ飛んでたんですよ!?」
技術長:「倉庫が吹っ飛ぶなら、設計の見直しが必要という貴重なデータが取れるじゃないか。なあ、クロナ君」
クロナ:「……うん。悪くないデータだと思う」
受付嬢:「相棒まで肯定しないでください!」
陽気な推薦組(ケラケラ笑いながら):「やーっぱ最高だな、この拠点。退屈しない!」
勝気な推薦組は頭を押さえてため息をつく。
勝気な推薦組:「これで退屈しないとか言えるの、あんたぐらいよ……」
技術長は焦げた図面を拾い上げ、
「次はもう少し安全性を――」
と呟きながら、まるで懲りていない様子。
技術長:「次こそ完璧だ。衝撃吸収材を“雪だるま構造”にすれば……爆発しても柔らかくなる!」
受付嬢:「柔らかく爆発ってどういうことですか!?」
クロナ(無表情のまま):「やってみよう」
受付嬢:「やらないでください!」
そのやり取りを見ていた陽気が笑いをこらえきれず、
陽気な推薦組:「クロナ、今度その“柔らか爆発”で遊ぼうぜ!」
勝気な推薦組:「……アンタまで参加する気? 本気で言ってるの?」
陽気な推薦組:「だって面白そうじゃん! もし成功したら“ふわっと吹き飛ぶ”とか最高だろ!」
勝気な推薦組:「最高なのはあんたの頭の構造よ」
そんな喧騒を背に、技術長はぼそっと独り言。
技術長:「……失敗は発明の母、成功は退屈の父。うん、やはり爆発こそ進歩の音だな」
そしてその瞬間――
ドカァァァァンッ!!
再び煙が上がる。
今度は扉の隙間から、焦げた雪だるま型の何かが転がり出てきた。
クロナ:「……柔らかかった」
受付嬢:「そこじゃないですぅぅぅ!」