「笑夢、コンパクトの蓋を開けて、カラフルなボタンを押してみて」
「え、なんで?」
「試しに変身して”マジックモーンド”に行ってみないかい?」
「でも風呂の中でできるの?」
私はそういえば風呂にいるんだ。今はなにも着ていない。
「できるさ、元に戻りたかったら、コンパクトの蓋を開けてカラフルなボタンを2回押してね。押したらまたここに戻るから。」
「わかった、開けてボタンを押せばいいんだよね。」
「うん!その通り!」
パカッ__
私は緊張を抑えながら、コンパクトの蓋を上げた。
ポチっ
ボタンを押すと、キラキラキラキラっとコンパクトから光が出てくる。
「ま、まぶし!!」_____
__________
「〜…ん?…」
目を開くとそこは彩りのある大きな広場にいた。
「うわっ!?コヤツおきたなのだ!!」
横からマントをした小学生が私の顔を覗きこむ。
魔法少女だ…
「なんでここに小学生が!?」
「小学生じゃないなのだ!中一なのだ!」
そんな変わらないような……
「チルルさんは…その…小柄で愛らしい…ってことだと…思いますよ…!」
ほわほわな声がきこえ、後ろを見ると同じく小さな女の子2人いた。ほわほわな声の持ち主が椅子に座りながらなにかを飲んでいて、となりでホウキの上で気持ちよく寝ている魔女のような帽子を被っている子がいた。
「そーいうことか!!新人サンキューなのだ!!」
「まぁ…はい……」
そういうことにしとこ…
「あ、自己紹介が…遅れました。私…九鬼 あずさって言います…趣味は絵描きです…よろしく…お願いします…」
「ボクは閏間 チルル!!趣味はマジック!見ててー!すごいなのだ!」
チルルちゃんは見たことないカラフルな落ち葉を拾い、手で隠す。
「たらららららら〜…じゃん!」
手を開くと大きく、可愛いピンク色の剣が出てきた。
「わっ!?…すごい……」
「この剣はお前にあげる!!リルたんがそれ武器だってなのだ!!」
「え…これが私の?」
こんな可愛くて強そうな剣を私が…
「大切に使ってよー?君はやらないかもだけど、チルルなんて排水溝に落としたんだから。」
急にコンパクトから見覚えのある子がホログラムで出てきた
「ん?どしたのそんなびっくりした顔して〜高桜 笑夢ちゃん」
「な、なんで私の名前を……!?」
リルたんみたいになぜ私の名前知ってんだ…!?
「ふふ、魔法少女証明書作ってんだからそれくらいわかるよ♪そういえば私も名乗らなきゃね、私の名前はルナ・ライト・レーヴ。趣味はハッキングよ。実際に会うことはないだろうけれど、よろしくね♪」
「てかお前、笑夢っていうんだ!!笑夢笑夢…わかった!これからお前はえむりんなのだ!!!」
「え、えむりん!?」
「じゃあ……改めて…えむりん…よろしくお願いします」
あだ名をつけられ、幸せな時間を過ごしている時、急に私のコンパクトから出てきたルナさんが表情を変え叫んだ。
「美甘市雪巻駅近くのチェーン店のハンバーガー屋で大火事発生。まだ中に人がいる。」
「射手・科学者今出発。それと笑夢、準備OK?」
「え!?すぐ初出勤!?」
初出勤がこんな早いとかある!?!?
「ちょっとこわいです……わたしにやれるかな」
「時間はなにがあっても止まらず動くが、人の命は場合によればすぐ終わる。魔法少女は時間と命、どっちが大切?」
今までなにもこの手で助けられなかった。
傷一つない手なのに、足はなぜか動けなくて…なぜか人前でそういうことをするのが恥ずかしかった。
でも今私は魔法少女、現実とは違う魔法少女。
なら私の手や足も、すぐ動いてくれるはず。
「私、行きます。」
つづく
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おまけ
魔法少女プロフィールが更新されました!!
・アナタ 高桜 笑夢
役職 剣士
・閏間チルル
役職 マジシャン
・九鬼あずさ
役職 画家
・榎本 紅葉
役職 魔法使い
・ルナ・ライト・レーヴ
役職 ハッカー
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