「笑夢その調子。初めてだよね、あっちに行ってる子、世話好きだから。安心しろ、頑張れ」
なんだかやる気が出てくる。
「私が用意するブラックホールに入れば、あの場所へ行ける。そして同じ頃にあっちも着くだろう。」
ルナは手を床へ向け、ブラックホールを作った。
「えむりんがんばれなのだ!!」
「初仕事、いろいろ…ありますが……どうかご無事で…」
私はルナが用意したブラックホールの中に飛び込んだ。
「わぁー!!!た、高い…!!」
ブラックホールの中へ入るとすぐ現場の上の空へと移動していた。
「あのハンバーガー屋って私が今日行こうとした…!!」
見覚えのありすぎるハンバーガー屋が勢いよく燃えている。
ちょうど落ちている時、向こう側から仲間の気配を感じた。
向こう側を見ると、白衣を着た茶髪ロングヘアの魔法少女が私に向ってジャンプをして、私をお姫様抱っこしてきたのだ。
「へ!?!?きゅ、急になんですか!? 」
白衣の魔法少女のかっこいいオーラに胸がきゅんとなった
「君が新人だよね。慌てて出てきたもんだからすぐわかったよ。」
見た目に合うような低い声が耳に響く
「僕の名前は、来栖珠莉、サイエンティスト…自分で言うのもなんだがリーダーと呼べ。早速だけど君にはプレゼントをあげるよ。」
「よろしくお願いしm((((わっ!!」
珠莉さんの指で口を開けられ、何かクッキーのようなものが口に入る。
口に入れた瞬間すぐに熔け無くなった。なんなのだろうか、無味のクッキー…初めて食べたかも。
「あ、今君の口に入れたクッキー、亡くなる効果がある…とかじゃないからね?」
「はい…あの、私の名前は高桜……」
「じゃあ君のコードネームはピーチで!」
「ピーチ!?私桃アレルギーでー!」
「ピーチ、もう少しで着く。着いたらまず君は僕と一緒に中にいる人達を出して。出し終わったら、中にいるノワールエスピ…モンスターを倒そう。」
ノワールエスピ?コードネーム?魔法少女っぽい言葉ばかり使うな…
そんな事を思いながら私は縦に顔を振った。
「ピーチ、もしモンスターに会ったら君のポケットに入ってる小さな棒を使え。あともしピンチになっても私と、君のコンパクトがどうにかして助けるから。」
「はい…!頑張ります!」
珠莉さんはニコっと笑い、「いくよ」と言って一緒にすごく燃えているハンバーガーショップの中に入った。
「すごい…こんな燃えてて暑そうなのに逆に涼しく感じる…」
珠莉さんって薬師さんでもやっているのかな…でなきゃこんな物作れないよ。
「ふふ、それじゃあこのインシデントが終わったらいろいろ話すね。今は目の前のことに集中しよう。」
「君は1階、私は3階から。ルナ、ピーチサポートよろしく。」
珠莉さんがそう言うと、私の目の前に今日何回も見た3Dルナさんが出てきた。
「承知。二人共もう行け。」
「す…すごい……」
珠莉さんは「またね」と言ってそのまま真っ直ぐ走って行き、私も走って階段を降りた。
「ピーチ、1階に取り残された子供と大人がいる。恐らく家族だ…微妙な位置にいるな。」
私は階段をすばやく降り、1階に到着した。
「ピーチから見て左側にいる。そのまま少し進んだらいると思う…あ、もう分かってるだろうけど、火とか気にせず突っ込んでみな。」
「うん、わかった…」
恐る恐る1歩を踏み出す。
「…っ…ん?あったかいだけで、身体燃えない…!?」
「あ、でもずっとそこ居たら燃えるぞ」
「え!?……あ…まぁそうだよね…」
「誰か…誰か助けて……」
私はかすかに聞こえる家族の声を聞きながら見つけに行く。
「この火の向こう側だ。」
「うん…!」
メラメラ燃える火をくぐり、家族がいた。
「もう大丈夫ですよ、すぐに助けます。」
「ピーチ、私がタオルだすから、それを首と腰にまいて男の人をおんぶして。そして女の人と子供は抱いて入口から出ろ。」
そう言ってからルナはタオルを出した。今はすごい時代だな…
「……よし、できた。3人持てたよ」
「そのまんま火突っ込んで行って。ピーチがさっき食べたクッキー、その食べた人の手が触れれば少しは熱くならないから。だけど早足でね。」
私は顔を縦に振り、その場から離れた。
「出口まで少しだ。ここの階ならまだノワールエスピはいない。」
「……はぁ…はぁ……外…出れたよ!…」
入出口の周りには消防車や救急車が沢山いて、その奥には沢山の人が燃えているハンバーガーショップを見ていた。
「ピーチ、あとはその家族を救急車の裏に置いて、あとは私が何とかするからコンパクトを置いて1回離れて。」
早足で近くの救急車の誰も見ていないところに下ろし、コンパクトをおいて離れる。
「Be aware of things!!」
ルナがそういうとそこはすごく光だし、救急隊員が家族に向かって走ってきた。
「まだ息してる、すぐに連れて行こう」
家族は無事運ばれ、何故かコンパクトは戻ってきていた。
「私はここにいるぞ、一応みんなには見えていないし気づいていないから安心しろ。」
「わぁ!?いつの間に…!!…この姿…気づかれてないんだ…」
「サイエンティストはもう用済み、今からノワールエスピの所へ行くらしい。私達も行こうか。」
「はい!!」
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