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第一章:ラージャの生い立ち
舞台は1950年代バーラトにあるグジャラート州にあるジャングル。湿気が漂い、滑り気(ぬめり)が強かった。
父親のヴィクランは縄張りパトロールに出かけており、他のメスライオンたちは狩りに出かけていた。
一人息子のラージャ(カブ時代)は母親のガウリに育てられた。
※カブとはライオンやトラの赤ちゃんの英語表現です。
ラージャ「ねぇママ?今日もパパ忙しいの?」
ガウリ「そうね。パパは今縄張りを見張りに行ってるの。」
ラージャ「狩りとかしないの?」
ガウリ「狩りはタテガミがあるからできないの。待ち伏せする時に目立ってて獲物が逃げてしまうから…だけどね、もし大きいゾウやシカを相手にする時はメスライオンに従って協力して狩ることもあるから…」
ラージャ「でも僕は用心棒なんかなりたくない…僕は怖いし草食の肉のなんて食べたくないよ…」
ガウリ「もうミルクは終わったんだから、肉はちゃんと食べなさいね…それからあなたはオスライオンとして生まれんだから縄張りと用心棒になってこのムラ社会を背負うのよ?」
ラージャ「いやだよっ!!僕はおやつのトカゲと虫を食べればいいからっ!!それで充分だよっ!!」と子ども特有の駄々を捏ねていた。
ガウリ「そればっか食べたらお腹いっぱいにならないじゃない?」
その後狩りを終えたメスたちはご馳走の一頭の子ジカの首を牙で噛んで運んでいた。
ちょうどその頃パトロールを終えたヴィクランから先に子ジカを食べた。その臓器を食べる音はいかにも生々しく、ゾッとしていた。
数分後、子どもたちであるラージャと女の子ライオンのプリヤンカも食べ始めた。
ラージャの心の声「これで空腹を凌げって言うの?初めての肉だけどなぁー」と複雑になりながら頬張るしかなかった。
食事を終え、お転婆で活発な女の子のプリヤンカはラージャの顔を少し噛み、相撲をするかのようにラージャを倒して取っ組み合いをした。
これはまるで子猫同士の可愛いじゃれあいのようだった。
※ネコ科の動物は子どものうちからこのような遊びをすることで狩猟本能を鍛えるだけでなく、噛む時や爪を使う時力加減を学ぶ生存戦略としての側面があると言われています。つまり暗殺技術を会得するための遊びとも言える訳でもあります。イエネコだと可愛く見えても大型ネコ科だと脅威だと言われる理由がまさにそれです。
ラージャ「喧嘩なんて僕できないよ、プリヤンカっ!やめてよっ!!」
プリヤンカ「何言ってんの、ラージャっ!!アンタはこの群れの縄張りパトローラーになるんだからっ!!私の取っ組み合いに付き合ってよっ!!アンタがいないとダメっ!!」
ラージャ「そうやって僕たちオスをこき使うの?!」
プリヤンカ「こき使って何が悪いの?!ライオン社会はメスがリーダーじゃないと成り立たないのよっ!!」
ラージャ「プリヤンカなんて大っ嫌いっ!!」と襲うが、プリヤンカは「そうじゃなきゃっ!!」と取っ組み合うようになるのだった。
ラージャ「僕なんてなりたくてオスライオンになったんじゃないっ!!仲良く平和に過ごしたいんだよっ!!」とプリヤンカの耳に噛み付くが、プリヤンカは「甘えてないでよっ!!自然の厳しさを知らない癖にっ!!アンタは私たちメスライオンに黙って従えばいいの!!」とラージャの肩を前足で床を目掛けて押し倒した。
ラージャはガウガウと牙を出して怒るが、プリヤンカは「私の勝ち…でもその目を忘れないで…」と
プリヤンカが去った隙にラージャは「ミャーオッ!!」と子猫のような高い鳴き声を出してプリヤンカに襲いかかった。
プリヤンカは「やるわねっ!」と対応に応じた。
取っ組み合いを終えて惜しくもプリヤンカに負けてしまった。
ラージャ「また負けたっ!!」
プリヤンカ「でもやるじゃない?そうじゃないとオスライオンらしくないわよ…これでわかったでしょ、ライオン社会で生きてくために遊んでるんだから?」
ラージャは泣き出して、大好きなパパライオンのところへ甘えるのだった。
ラージャ「今日はパパと一緒に寝たいっ!!今日はプリヤンカに負けたからっ!!」とヴィクランのお腹に擦り寄せるのだった。
ヴィクラン「訓練だと思えばいいから。プリヤンカを見てるとガウリの子どもの頃を思い出すな」
ラージャ「ママの若い頃ってプリヤンカみたいだったの?!!」
ヴィクラン「そうだ。昔から私に体当たりして取っ組み合いもさせられたな、今のお前みたいに」と。
その時ガウリはヴィクランに向かって「ロアァァァァ!!!!」と咆哮して猫パンチを顔に目掛けてアタック。
ガウリ「これでも訓練だと思ってしてるのよっ!!次その話したらまた猫パンチ喰らいたい?!」と言い、ヴィクランは落ち込むのだった。
ラージャの心の声「口でも身体でもママには勝てない…」と怯えるのだった。
そんな時に1匹のイエネコと白いホワイトライオンを抱えた富裕層のヒューミーたちがライオンの群れを通り過ぎた。
ラージャ「パパ、何なのヒューミーが抱えてる生き物は?白いライオンの子どももいるんだけど?」
ヴィクラン「我々と同じネコ科の動物、イエネコさ…我々大型ネコ科と違ってヒューミーに飼われてる生き物さ…」
ガウリ「我々はライオンだからヒョウ属になるが、イエネコはれっきとしたネコ属だからねぇ…」
ラージャの心の声「イエネコか…僕もイエネコ暮らしを堪能して、ヒューミーに甘えたいなぁ」と羨ましい気持ちになっていた。
コメント
7件
読み終えたよ、黒屋ムラサキさん…🖤 **ラージャの「なりたくてオスライオンになったんじゃない」って叫び、すごく刺さったな。** 幼い頃から自分の役割を押し付けられて、平和主義なのに戦わなきゃいけない環境…。プリヤンカの「甘えてないでよ」も、愛情と厳しさが混ざってて苦しい。 イエネコに憧れるラージャの心の声、すごく切なかった…。 自分の居場所を選べないもどかしさ、ちゃんと描かれてて、続きもじっくり読みたくなったよ🌙