「貴方が私であれば良いのに。
愛しい貴方。声も体も髪も全て愛しい。
でも違うの。私は貴方を愛したいわけじゃない。
私は「私」が大好き。
私の楽しい事が好きな性格、愛とか考える頭も惹き付けるような目も全て。嗚呼、愛しい。
だから、ね。貴方が私になればいい。
私が2人存在すれば、私は「私」と結ばれるわ。
愛しい貴方にしか頼めないのよ。
お願い。貴方、私になって」
ここは私の家の地下室。
私は1歩引いて見ている「私」だ。
ずっと話をしている本体の私の頭の中にいる「愛したいモノ」だ
さっきから愛について話をしている本体の私の名前はめぐる。
今から私はこの人間の中に入るのだろう。
この、今はめぐるに痛めつけられた四肢を投げ出して絶望している人間の中に。
めぐるを愛した悲しき人間の中に。
許してくれ人間。
「私」には身体が無いのだ。
「私」はめぐると違う身体同士、2人で生活していくのだろう。
ああ、楽しみだ。早くめぐるに触れたい。