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〜中央王都からの帰り道〜
「はぁ…今日は散々だったなぁ…。会議は遅れるし、レギンツには怒鳴られたし…もーやだぁ」
私ことミアはまた愚痴を溢しながら歩きながら自身の家に帰っている途中だった。疲れているのか少し猫背になっている。すると私のお腹から「ぐぅ〜」とお腹が大きく鳴った。
「そういえば朝から急いでたから何も食べてない…食べて帰ろ」
重い足取りで近くに店がないか見渡す。すると小さな屋台が見つかり「ラー麺」と書いてある店だった。らー…なんて読むんだろ?読み方なんてどうでも良くなってしまい、そのまま屋台に入って行った。
「いらっしゃいやし〜」
屋台に入ると1人の男性が料理を作っていた。すごく美味しそうなご飯に見えるけど初めて見るご飯…私は咄嗟に質問した。
「これ…何て言う食べ物なんですか?」
「ん、嬢ちゃんこれ知らんのかい?これはラーメンって言う食べ物さ」
「らーめん?」
初めて聞く名前に少し困惑したが、一応美味しそうだったんで注文して食べる事にした。
「ここの国ではラーメンとかないのかな嬢ちゃん?皆んなそんな反応するんだよ」
「ここの国ってことは…違う国から来たんですか?」
「そう、ウルカラ大陸から来たもんでね」
男性は料理作りながら「ニコッ」っと笑顔をしている。料理の作り方が特殊だったのでミアはずっと作る工程を見ていた。それはもう見惚れる程だった。
「す、すごい!こんなの初めて見た」
「へへっ、照れますな」
男性は褒められたのか少し照れている。そしてらーめんが出来て私の目の前に渡された。白い湯気が立っておりとても熱そうだけど、そよりも美味しそうな香りが私の鼻をついた。マジで美味しそう…。
「へい!味噌ラーメンお待ち!」
「これがらーめん…頂きます。えっと…すいませんスプーンとかフォーク無いんですか?」
「え?そこに箸ありますぜ?」
「はし…?」
男性は大きく目を開け口を開けながら驚いている。男性が言っている箸ってこの木の棒みたいなやつかな…?ど、どう扱うんだろ???
「マジかぁ…ここは箸も知らないのか。使い方教えたいが麺伸びちまうし…しょうがない」
男性は屋台の机の引き出しを開け何かを探している。何秒かしたらフォークを取り出し私にフォークを渡してくれた。
「すいません…使い方分からなくて」
「大丈夫さ、ここ箸の文化無いんだろ?」
「はい、その…箸っていう物は私たち使わなくてぇ、フォークやスプーンやナイフ等などを使っているんですよ」
「なるほど…この国確か他の国に比べたら発展途上国なんだっけ?」
「まぁ…そんな感じですね」
男性と喋りながら私はフォークでラーメンを掬い一口食べた。するとあまりの美味しさに少し間ができてしまう。
「んなぁ…ものすごく美味い!」
私はらーめんをガツガツ勢いよく食べていた。
「へへっ、それはありがとうなお嬢ちゃん!」
私の反応を見てとても満足な顔をしている。そんなことよりこの味噌ラーメンうまぃ〜。
「外の世界は広いんですね…もっとこんな美味しい食べ物を食べたいなぁ」
「世界は広いぜお嬢ちゃん!こんな飯よりももっと美味いものが存在するぜ!」
その後男性と雑談しながら美味しくらーめんを食べた。今好きな食べ物は何かって聞かれたら絶対らーめんって答えそう〜、また食べてみたいなぁ〜。