その知らせはあまりにも突然だった――
「AYAI」での休憩中、店に着信があり、信じられない言葉を聞いて青ざめた。
『鳳条 龍聖さんが、バイクに跳ねられて怪我をされ救急車で搬送されました。今、手術中です。こちらの番号にかけるように言われましたので連絡しました』
全く状況がつかめない不安に襲われ、体中から血の気が引くのがわかった。
「怪我……? 手術……?」
頭の中が空っぽになり、思考能力が消えた。
「桜木さん? どうしたの、大丈夫?」
私の異変に気づいて声をかけてくれた同僚のおかげで何とか我に返ることができ、すぐ近くにいた綾井店長に事情を説明した。
「そんな……状態は?」
「わかりません。今、手術中って言われて、どんな怪我なのかもわからなくて」
話しながら、だんだん手や体が震え出した。
「わかった。病院まで送るから一緒に行こう」
店長は副店長に全てを託し、仕事中にも関わらず、自分の車で病院まで連れていってくれた。
「大丈夫?」
「あっ、は、はい」
「……大丈夫なわけないよね。心配だけど、きっと大丈夫だから、信じていようよ。君の……琴音ちゃんの大切な人に何かあるわけないんだから」
綾井店長……
必死に励ましてくれ、落ち着かせようとしてくれる優しさが、今の私にはすごく有難かった。
でないと……取り乱していたかも知れない。
「ありがとうございます。そうですよね、大丈夫ですよね」
「ああ、大丈夫だよ。信じよう」
「……はい」
病院にはすぐに到着して、急いで手術室を探した。
「鳳条さんの奥様ですか?」
待ち受けていた看護師さんが声をかけてくれた。
「は、はい。あの、りゅ……主人の容態は……」
「主人」なんて……初めて言った。
こんな時に使いたくなかったのに。
「今、手術中です。こちらへ」
案内された場所、そこにはスーツ姿の男性がいた。






