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05 花火大会
私・べるは神社に学校のカバンを放り投げてベンチに座った。
ななっしーが自由すぎて忘れてたけどここ一様神社だった__。
私は慌てて投げた鞄を拾ってベンチに座った。
「学校はもう夏休みに入ったの?」
ななっしーが神社の階段に座って聴いてきた。
「うん!まあ部活で忙しくはあるけどね。」
そう返すと「へぇ〜」と自分から聞いてきた割には薄い反応が返ってきた。
なんだこいつ。
「そういえばななっしーは学校行ってるの?」
私の質問に驚いたような表情をしたあと、「言ってないよ〜」と呑気に返した。
「なんで?年齢は私と同じぐらいだよね?」
私がきくと、ななっしーは「う〜ん」と悩んだあと、「家庭の事情かなぁ」と言った。
なんかこれ以上私が首を突っ込むのはちょっとやめとこう。
「そういえばさ、再来週ぐらいにこの神社でお祭りやるらしいよ!花火もあげるらしい!」
その私の言葉に、さっきまでの会話に興味なさそうに花を見つめてたななっしーがパッとこっちを見た。
その後にいつものテンションに戻りつつ、「もうそんな季節か__」と呟いた。
「ななっしーさ、一緒に行かない?」
「いや、私は他に一緒に行きたい人がいるんだよね。それに___」
ななっしーは一度止めてからニヤニヤとこっちを見てめて、言った。
「べるは好きな人と行けばいいじゃん。」
「はぁ__」
『べるは好きな人と行けばいいじゃん。』
言われた時はあんま気にしてなかったのに、今になってちょっと引っかかる___。
そのせいで部活に集中できなかった___。
そういえばななっしーはその後、『早くしないと、手遅れになるよ?』みたいなことを言ってたな。
誰かに取られるとか、そう言う意味?
それはもちろん嫌だけど__。
「あ、べるさん!」
後ろから話しかけてきたのは、同じクラスのしぇいどさん___こと私の好きな人。
「あれ?しぇいどさんも部活あったの?」
私の質問にしぇいどさんは首を横に振って、「生徒会の仕事です!」と返してくれた。
しぇいどさんは生徒会の副会長をしてて、生徒からも先生からも信用がある、まぁいわば人気者だ。
「そっか、お疲れ様。」
労いを込めてそういうと「べるさんも部活お疲れ様です」と言ってくれた。
あ、そうだ。
「ねえ、よかったらしぇいどさん花火大会一緒に行かない?」
私が誘うと、「え、いいんですか!?」と喜んだ。
かわいい__。
「じゃあ、約束です!」
私はこの日、不快ながらもななっしーに勇気をもらえた一日だった。