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全寮制私立△〇学園は、日本屈指のお金持ちが集まる超エリート学園
そして、その学園に入学することになった僕、一ノ瀬 はる
僕は、高校2年生のオメガで、前の学校はカースト制度とか、アルファだとかベータかオメガだとかそういうのに縛られない学校にいた。
だけど、この学園はカースト制度が根強くあるみたいで…噂によると、アルファ、ベータ、オメガって言う位があることはもちろんのこと、アルファの中でも位があるぐらいらしい
絶対に関わりたくない。なぜなら!僕はアルファが大っ嫌いだから!
幼少期のおぼろげな思い出だけどアルファのちびっ子達に虐められた覚えがあるし、、普通にテレビに出てる政治家、俳優のアルファとかの横暴な態度とか上から目線な態度とか気に入らない
僕たちみんな同じ人間なのに…どうしてカーストを付けたがるんだろう…
それに、アルファが経営している会社のせいで、父親が経営していた会社が倒産して、貧乏生活に…父親はその後海外へ出稼ぎに。母は今でも昔に執着しているらしく、少しだけでも昔のような生活に戻りたくて、何とか学費を捻出し、僕をこの学園に入学させた
貧乏人なのにお金持ちの学校に通うことになってしまった…
そして、今日はその入学式
桜が散り始めた頃。僕の心とは裏腹に青空が広がっている
「はぁ…」と1つため息
そして、僕は全寮制私立△〇学園への入学式へと向かった
歩いてきているのは僕ぐらいでみんな黒塗りの高級車とか外車で正門に向かっていく
いいなぁ…僕も車で行きたい…
大きな門をくぐるとまだ道は続いていて、車で校舎の手前まで行ってお嬢様やお坊ちゃまを降ろしてる
自分で歩けよ!!!と思いながらも僕も校舎まで向かった
校舎に着くとクラス分けが掲示してあって、僕はΩクラスの〇組だった
クラスに入ると可愛くて、大切に育てられてきた感が満々の子達に可愛い子がたくさんいた
僕はこの世界と違いますよ…と思いながら教室に入り、座席表を見ると僕の席は真ん中でハズレを引いてしまった
あちゃーやってしまった。と思いながら席に着くと隣の子が話しかけてきた
「ねぇねぇ、あなた中等部からいらしたの?」といかにもお嬢様で可愛らしいふわふわ系女の子が話しかけてきた
「あ、いや…違います」
「やっぱり!そうですわよね!いなかったですもの!ふふふっ!まぁでも、成金かなんかなんでしょ?このクラスに入れてるってことは大丈夫そうだわ。今日からよろしくね」と手を差し伸べてきた
その手を受け取り握手した。
ま、成金どころか貧乏人だけど
「わたくしは、花恋(かれん)と申しますわ〜以後お見知りおきを〜」
「僕は、」じゃなかった…「わたくしは、一ノ瀬 はると言いますわ!よろしくですわっ!」
なんか、変な感じになっちゃったけど大丈夫かな…
「ふっ!なんですか?その口調は、わたくしの真似ですの?似てないからおやめなさい」
「すみません…」
「いいのですわよ!わたくしの真似をしたくなりますわよね!十分分かりますわ!わたくしは小等部からこの学園に通っておりますのよ!トップ4様に愛されるように日々励んでおりますわ。おほほっ、くれぐれも、2S様とは関わらないでちょうだいね。ほほっ」と言ってきた
「2S?」
「・・・え、知らないんですの!?成金でも全員知ってると思いましたが…知らない人と初めて会いましたわ…びっくりですわ!」
え、そんなに!?バ、バレちゃった?結構重要な人物だったんだ
「まぁ、いいですわ!最近お金持ちになられたのでしょ?仕方の無いことですわ!いいですわ!このわたくしが詳しく説明してあげますの!まず、この学園は、日本屈指のいいえ、中には世界屈指のお金持ちが集まる超エリート学園なのはご存知ですわよね?」
「えぇ、まぁ…」
「そして、その学園の頂点に達するのが2S様ですの!ま、それは後で紹介するとしますわ」
「この学園は、幼、小、中、高、大の一貫校なんですの!そして、わたくしたちは高校ですわ!」
「そして、この学園は全寮制ですの!ですが、わたくしたちは別に寮に住まなくても住んでもどちらでも構いませんわ!しかし、貧乏人のオメガクラスは絶対ですの!とはいえ、東京にあるのにも関わらず少し山奥ですので通うのは大変ですの!だから、皆様は寮にお住いになっておりますわ!」
僕は貧乏なので貧乏人のオメガクラスに入る方が良かったんだけど、お母さんがお嬢様気質だから、家事全般が壊滅的なのと、お金を稼がないといけないからバイトをするために貧乏人のオメガクラスじゃなくてどうしてもお金持ちのオメガクラスに入ることになってしまった
しかも、お金持ちのクラスは就活とかにも有利。貧乏人のクラスだとそのまま企業のお偉いさんの性奴隷になるってことも聞いた。だから、バレちゃいけない
「高校では、アルファ様とオメガ、それに貧乏人のオメガ達と区別されてるんですの!A棟には、アルファの中でも選ばれた最上級のアルファ様たちがいらっしゃいますわ!その中からも4人に絞られたのがさっき出てきたトップ4様たちですわ!B棟には、アルファ様たち。ここには普通のご家庭で生まれたアルファ様などもいらっしゃいますわ!そして、私たち…ある程度の名家であり、寄付金を納めたオメガがいるんですの!そして、C棟では、貧乏人で庶民の言わば底辺の落ちこぼれで、アルファ様たちからの洗礼を受けられますわ!」
洗礼って…いわゆるいじめってことだよね…これが、カースト制度のある学校か…
「あまりでかい声では言えませんが…C棟に入ったら死と同然の扱いをされることも…わたくしは怖すぎてC棟には近づくことができませんわ…」
「誤解されたら、いじめられますもの…考えただけでゾッとしますわ」
「ま!そんな感じですの〜。あ!ひとつ大重要なことを忘れていましたわ!2S様のご紹介を忘れておりましたね!厳密に言わないと親衛隊の方々が来るのでわたくしのメモ帳に書いてあるのを朗読いたしますわ!」と言ってメモ帳を取りだした
ペラペラとめくった後「2S様それは由緒正しき名家または世界に名を轟かせる世界屈指のお金持ちなのですわ!2S様たちは富の象徴である紫のネクタイに金色の学園のマーク、校章というのですかね…の刺繍がされているのですの!」
「これも知らなそうですから、教えて差し上げますわ!2Sの由来はアルファの中にもランクがあるんですわ!C、B、A、Sと位が別れているんですの。で、その0.01パーセントのSクラスの2人のことをさすのですの!」
「この制度はオメガもありますわよ!Sクラスの人は、オメガのSクラスの人を愛人に…本妻は、アルファのSクラスの人を…なんて話も…オメガのカースト制度はちっぽけなものですから、重視されることはそうそうないですわっ!」
「この学園は指折りのお金持ちしかいないですけど、それでもSクラスのアルファが2人もいた時代はないんですの」
「ええっと、それから…」と言ったところで先生が教室に入ってきて「皆様、体育館に行きますので廊下に出てください」と言われた
「残念ですわ!また今度にしましょう!もしかしたら今日の入学式出会えるかもしれませんわ!」と言って席を立ち上がる
僕もつられて席を立ち上がり廊下に出た
体育館に行くと体育座りで待っている生徒が居て、そのことを花恋さんに聞くと
「あぁ…その人たちが1番下のクラスですの…可愛そうですわよね〜ほんと」
「・・・うん…そうだね」
僕だけ逃げているように思えて早くその場から逃げたくなる気持ちになった
「でも、仕方ないことですの!これが世界の構図ですわ!残念なことですけど…こんなことで悲しんでるようじゃ今後この学園ではやっていけませんのよ!」と言われ何とか持ち直した
入学式が終わると2S?が来なかったことによるみんなの落胆ぶりが凄かった
あちこちで「はぁ…また来年かー見れる…」
「仕方ないわよねーあのお方はもう未来を背負っていらっしゃるんですもの…」とクラスがどんよりモード
そんなにいいものなのかな?だって、この子達はある程度お金持ちなわけで、2S?と別にいなくてもいいんじゃないのかな…
そんなこと言ったら全員から袋叩きにあいそう…言わないけど…
初日は結局2Sってなんだったんだ?みたいな疑問しか残らなかった
花恋さんに寮まで一緒にいかが?と言われたけど用事があるからごめんねと断ってバイトへ向かった
バイトは高級フレンチの皿洗い係と居酒屋と深夜の会社清掃
それが終わるとご飯食べてお風呂入って2時間寝てパン屋さんで生地作りのお手伝いしてから学校に行く
2日目の午前授業が終わりお昼休みの時、また花恋さんに誘ってもらったけどお弁当なんだーと言うと花恋さんが貧血なのか分からないけど額に手を当てて「お、、お弁当!?あ、あなたそんなに苦労しているのね…成金とはいえ、お弁当とは…」
え、ば、バレた?さすがに貧乏臭かったか…
「いいえ、花恋…成金だから仕方ないわよ!平等に接するべきだわっ!わたくしは食堂でランチ行ってきますわ〜」とフラフラしながら出ていってしまった
だ、大丈夫かな?
クラスメイトを見るとほぼ大半が食堂に行って半分の子は何食べてるのかな?と思ったらお重だった
お、お重!?そっちの方が変じゃない!?
なんかどこもかしこも、お金持ちだらけで疲れてしまった
しかも、教室じゃ食べにくい。と思い教室を出て、何か休めるところはないかと校舎外をうろちょろしていると立派な温室?みたいな小屋がでてきた
手入れはされてないっぽくてガラスにツタが張り付いてる
温室だよね…?ツタが建物を覆いすぎてなんの建物かわかんない
でもここならお金持ちアピールなんかされないし嫌味とかもないし気楽に過ごせそう!
ドアが開いていて中に入ってみると、外から見た通り草があちこちに伸びていた
さらに奥に進んでみると真ん中の空間だけ開いていて丸い机とベンチが一つづつ置かれていた
神秘的な場所だなーなんて思いつつご飯を食べたあと、やることもないしお花とか育てるの好きだったから綺麗にすることにした
幸い、ツタ切り?みたいな大きめの手入れするハサミとジョウロとスコップが置いてあった
「よし!」と言って大きめのハサミを手に取ってツタを切り始めた
昼ごはん休憩のチャイムが鳴るまで忙しなくハサミでツタを切った
次の日もその次の日も毎日温室に行った
そろそろ枯れた花を撤去しよう!っとその前に〜お昼ご飯〜
「腹が減っては……なんにもできぬ!って言うし!」と言いながらベンチを見ずに座るといつも座ってるベンチとなんか違う!と思ってベンチを見ると綺麗な顔をして寝ている男の人の足の上に乗ってしまった
「うぇ!?あっ!あっ!」と動揺していると男の人が起きてしまった
「あ、わざとじゃないんです!すみません!気づかなくて…ごめんなさい」と頭を下げる
何も言わないので顔を上げると起き上がっていた男の人と目が合った
吸い込まれそうな程綺麗な顔と瞳
「君・・・」と言って僕の顔に近づき見てくる
ジロジロ見終わったあと「はる…だよな?」と言って抱きしめてきた
「うぇ!?あ、あっ!ちょっ!ちょっと待ってください!あなた!アルファですよね!?僕、オメガ!」
「待たない、何十年待ったと思ってるの?それに、知ってる。オメガってこと匂いでわかる」
そもそも、この人と会ったことないし、待たせた覚えもないんだけど
「ちょ、ちょっと、離してください!しょ、初対面でこんなこと、していいわけないじゃないですか!」と押し退ける
「・・・」
なんか、寂しそうで悲しそうな顔をしたあと何かボソボソ言ってた
声が小さすぎて言ってることが途切れ途切れにしか聞こえない
はてなマークをいっぱい浮かび上がらせている。あ!今のうちに逃げよう!これ以上関わったらダメだ
「あ!お昼寝の邪魔でしたよね!すみません…で、では!!!!」と言ってドアまで歩く
後ろから「あ、待って!はる!」って声が聞こえたけど無視し手飛び出した
あんなイケメンに初めてあった
黒髪が綺麗で鼻が高くて、目も大きくて、だけどキリッとしてた
絶対アルファだし…って考えるな!絶対関わっちゃいけない!!!でも…何で僕の名前知ってたんだろ…
これが2Sとかって言うやつだったら死!
だけど、ネクタイつけてなかったような…?
あっ…でもこれからのお昼ご飯どうしよう…
「はぁ…」
そういえば…お弁当!温室に忘れてきたんだった!お腹空きながら授業受けれるかなぁ
お腹鳴ったらまた貧乏人だのなんだの言われるんだろうな〜
ま、あんな人が僕のお弁当手を出すことないから次の時間の休みにでも取りに行こう!
そうして、取りに行ったらベンチの上にも下にもどこにも見当たらない
「えっ?えっ?まさか…持って帰られた?」
「今度会った時に請求しないと!僕のごはーんが…それとお弁当箱も…」と呟くと、後ろから「やっと来た」って言う声がした
「遅い。どれだけ待ったと思ってる」
「ん?はい?」と振り返ると、今日の男の人がいた
それに、手には僕のお弁当箱を持っていた
「あ、それ僕のお弁当なんです。返して欲しくて…」
「返せれないな…」
「えっ?」予想外すぎる答え
普通に人のもん奪っておいて返せれないとかどういうこと?頭おかしいのか?
しかも、もう関わらないって決めたのに…
「返すには条件がある。俺の番になれ」
「・・・・・・・・・・・・・はっ!?」
なんじゃそれ!!!!!しかも、なれって何!?
なってくださいだろうがっ!
なるわけねぇだろ!こっちは、人生かかってるんだよ!アルファと違ってずっと番ってものが人生を支配するんだよ!
もう頭にきた!「なれません!!!!そんな言い方する人とはなれないし、初対面でこんなこと言う人は信用できません!第一、落し物を返さないってどういうことですか?僕のなんですけど!!!!」
あっ…やってしまった
これで標的にされたり…僕の人生終わった…
こんな口答えするやつは貧乏に違いないって調べられて、虐められて、家族全員が路頭に迷って、雑草食べる生活に…なんて考えていると「ふっ…やはり一筋縄ではいかないな。しかし、アイツが見つける前に囲わないと…」
アイツら?誰のことだろう?って考えてると、急に顔を近づけてきて、僕のうなじにキスしてきた
「うわっ!何やってるんですか!?」
「絶対、番にしてみせる」と言ってお弁当を返してくれた
あの男の人は帰っていった
「あ、ありがとうございます」
あ、うなじのこと謝ってもらってない!僕のことなめやがって!絶対番になんかなるもんか!
今日一日はそのあとの授業も下校もバイトも集中出来ず常に頭の中がご飯だらけ。家に帰って夕ご飯食べたら何とか収まったけど!・・・絶対許さない!僕は貧乏だから、1食ギリギリで食いつないでるのに…そんなご飯を食べるなんて!絶対許せない!!!!うなじのキスも返せ!!
とは思ったものの、あのアルファさんと関わりたくない。
明日からご飯どこで食べよう…
ま、何とかなるか!と思い、明日を迎えた
教室の居心地も悪いしご飯食べる場所を見つけたいってことで校舎を出て散策していると噴水を見つけた
おっ!ここいいじゃん!っと思い座れる場所がないかと探してるとベンチに座っている髪がふわふわな金髪の綺麗な人が足を組んで、なんかの本を読んで、座っていた
表せる言葉がないくらい綺麗な人だ
絶対アルファだよね…
なんでこんなに会うのかな…
昔から、くじ引きとかハズレばっかり引いてたし…僕って運がないのかな…と考えつつ、座ってる人を見ると天使?かなってくらい顔が整ってる。
ずっと見ていたくなるような…そんな感じ…吸い込まれていくような…なんてずっと見続けていたら目が合ってしまった
目が合ったことにびっくりして目を逸らす
か、帰ろ!と思い来た道を戻ろうとしたら「ちょっと待って!」
「はるちゃん?はるちゃんだよね?」
「久しぶり!元気だった?」と聞いてきた
えぇ…またこの展開?もー誰だよ!
なんか面倒くさくなってきた
声を裏返して振り向かずに「えっと、人違いです!じゃ!」と行こうとすると「待って!絶対に人違いじゃないから!だってずっとずっと写真で見てきたし!AIとかで成長した姿見てきたし!」
AI!?僕の写真!?と驚いていると、回り込んできて顔を覗いてきた
「やめっ」
「AIよりか遥かに可愛いね!あ!いま、この学園にいるってことはΩってことだよね?はるちゃん…クンクン…αって感じじゃないし」
「それは侮辱じゃ!?」
「あっ…ハハッ…ごめんごめん、はるちゃん怒った?ほんとにごめんね…俺、はるちゃんに嫌われたら生きていけないからさ…」
僕に嫌われたら生きていけないって、どんだけあんたの人生、価値がねぇんだよ
「ねぇ…俺の事知らない?」
・・・
知らない
誰?わからんって顔をしていると「俺さ、、はるちゃんに見つけて欲しくて俳優とかやってきたんだ…でも、そっか…」と、なんか知らんけど自分語りをし始めた
「あ!あとね!ずっとはるちゃんに話したかったんだけど、はるちゃんが折ってくれた折り紙まだ持ってるんだよ?はるちゃんが貸してくれたハンカチもまだ持ってるし、小中も写真コレクションしてるんだよ?今度見せてあげるね!俺の愛!でもさ、はるちゃん、俺こんなにも愛してるのに…なのに、俺頑張ってきてるのに…はるちゃん全然迎えに来ないし…。でも、今日、はるちゃんが迎えに来てくれ」と言って抱きしめてきた
ん?ん?ん?小中の写真コレクション?俳優?何言ってんだこの人
「幼い頃の俺とは違って今ははるちゃんを守れるし幸せにしてあげられる。守られてばっかだったけど…今度は俺がはるちゃんのこと幸せにしてあげるからね」
「それに、否が応でも俺の事覚えさせてあげる」
気持ち悪っていう感情もでず、なんかの障害物にぶち当たった衝撃みたいな…色々ありすぎて多分麻痺してて驚きとかっていう感情が通り越してしまった
「にしてもはるちゃん本当に可愛いね。やっぱり、僕の天使だ」と僕の顔を愛おしそうに撫でた後、うなじにキスしてきた
「え!?ちょ!ちょっと何してるんですか!?」
「え、そんなに驚く?はるちゃん、そっちの経験ないのか…ウブで可愛い♡大丈夫、俺が、俺好みの体にしてあげるね♡誰にもはるちゃんは渡さない。誰にも」と言ったところでチャイムがなってしまった
ありがとうチャイム!怖すぎてちびるところだった!
「ほら、チャイム!チャイム鳴った!僕行くから!」
「・・・授業なんてサボればいいよ。学校辞めても、俺がずっと養う。何か欲しいものある?今度あった時にプレゼントするよ!車?家?土地?権力?地位とか?うーん…俺からプレゼントしたことないからなーはるちゃんの欲しいものなんでも言って!全部あげる。欲しいもの全部あげるから…だから…番に」
「いらないです!離してください!僕は授業が大切なの!」
「・・・そっか…」と言ったあと何か呟いてたけど、「わかった。またね…」と悲しい顔をする
またねってなに!?正直、一生会いたくないんだけど!
考え抜いた末にと言って走って帰った
なんか、悪寒がしてチラッと振り返ると、こっちをずっと見て立ち尽くしている。その雰囲気がゾッとするほど…言い表せない程の恐ろしい雰囲気
まっ!一生関わることない!というか関わらなければいいだけの話…
それでも脳裏にこびりつく
それから急いで教室に戻って、先生とクラスメイトから向けられる冷たい目線にやってしまったと感じながら、席に着いた
授業中も温室であった人と、さっきあった人が頭から離れない
なんなんだろう…あの二人は…どこか独特な雰囲気がある。
ま、関係ない関係ない
授業が終わりお昼ご飯の時、やっぱりお弁当であることに対して向けられる冷ややかな目線に耐えきれなくなり教室から飛び出した
あぁ…もーなんでこんなことになっちゃったんだろう…つい数日前まではのほほんと暮らしてたのに…
いじめと隣り合わせ…バレたら一巻の終わり…
歩きながらなんで、あの二人に会ってしまったのかを考えると、温室に、噴水…校舎外だからダメなのか?
そっか…あんだけのイケメンがいたら普通に考えて騒ぎになるもんな!よしっ!校舎中で探検だ!
誰もいない場所…静かな場所…
図書館!
図書館はご飯食べれるかどうかわかんないけど…
案の定、予想してた通り飲食禁止だった
残念…
じゃあ…森を隠すなら木の中?気を隠すなら森の中?みたいな感じで、大勢の人がいるところとか?
食堂か!いや、いや、食堂こそお金持ちがいっぱいいるところなのでは?
ま、行ってみるか!ちょっと除くだけでも…と食堂に行くと、やっぱり沢山の人だかり
そういえば…ここだけ唯一アルファとオメガが、共存できる場所なんじゃなかったけ?
カップルとかも多いな〜なんて見ていたら、お腹が鳴ってしまった
そろそろお腹も限界だ。入っちゃえ!
豪華な内装にいい匂い…
ここなら白米だけでも何杯でも食べれそう…
ちょうど、真ん中あたりの席が空いたのでそこに座ってご飯を食べる「いただきます」
ん〜久しぶりのご飯は美味しい…涙が出るよ!
ずっと邪魔されてばっかだったし…
考えただけでもムカつくし寒気がする
どうなってるんだ!この学校は!!!と食べていると、何やら騒がしくなってきた
よく聞いてみると2Sだと騒いでいる
どんな奴だ!拝んでやる!と思って僕も人だかりの方へ行く
うーん…でもみんなの身長が高くて見れない
見ることを諦めて、席に戻ろうと振り返ったその時
「ここら辺に居るはずなんだけど…って…あ!いた!はるちゃん!!!」と聞き覚えのある声が…
「見つけたな…」
僕の目の前の人だかりがスっと両端に寄って、噴水で会ったあのアルファと、温室で会ったあのアルファさんが通る道ができた
背筋がゾワッとした
こっちに来るッ!
「やっぱり俺の見立て通りだったね!もう、匂い覚えちゃったし!感謝してよぉー俺の嗅覚で見つけたんだから!」
「俺もわかっていた。お前、俺の方がはるに会うのが早かったからな。調子に乗るなよ」と言いながらこっちに歩いてくる
しかも…よく見ると2Sの象徴である紫のネクタイに金色の学園のマークを着けた、2人のアルファが…
「はる」「はるちゃん」
「「迎えに来たよ」」
僕の学園生活、3日目にして終わってしまった
コメント
5件
めちゃおもろいです!続き待ってます
由紀ちゃん!お久しぶりです!今回のお話もとっても面白かったです! 次回も気長に待ってます!