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やばい好きかもしれん
無法地帯と化したコメント欄。
黒曜石の様に鋭い鈴木ちゃんの目。
息を飲む砂鉄。
清々しい表情で笑っている口紅。
そして、結局何も出来ない俺。
(あぁ、結局、救えないんだろうな。)
「ねぇ、言ったよ?全部、うふふッ、」
口紅が笑い飛ばす。何故この状況で笑えるのだろうか。
俺には全く検討が付かない。
…パチンッ
いっときの静寂を切り裂いた指を鳴らす音、
砂鉄が指を鳴らした瞬間、撮影部屋の扉が開いた。
「警察だ!」
3人のガタイのいい警察官が、入ってきた。
「…は?何、…まさか!」
ただの憶測でしかない。だが、タイミングが良すぎる。何故砂鉄が指を鳴らした瞬間に警察が?
俺は警察から、砂鉄、鈴木ちゃん、口紅がいる方へ視線を向ける。
「今までの全部…ち、茶番だったのかッ?」
「んふふふふッ…さっすが、警備王さぁん、頭の回転だけは早いんですねぇ?茶番なんて悪い言い方しないで下さいよ、策略、ですよ、僕と砂鉄と、そこにいる警察さんのね? 」
鈴木ちゃんの目は、あぁ、これで全部、上手くいく。
と言わんばかりの安堵の表情だった。
砂鉄と自慢気に目を合わせる鈴木ちゃん。
砂鉄も疲れと安堵が同時に来たみたいだ。
口紅は何が何だか分からぬ様子で、砂鉄と鈴木を交互に見ていた。
「はッ?何?どゆこと…?策略って何?そんなことより、早く助けてよ!警察さん!」
「…残念ですが、安西口紅さん、貴方を殺人の容疑で、現行犯逮捕します。」
「は?だから私じゃないって、」
「全て、真相はお二人からもう既に聞いています。」
警察来たの??
やば、
益々面白くなってきやがったァァァ!
チョモと砂鉄、よく我慢したな。
警察の正しい使い方☆
凛子ちゃんも、報われるといいね。
静かに口紅を縛っていた縄を解く砂鉄。
解き終わった口紅の体には、縄で縛り付けた跡が身体中に出来ていた。
「…皆さん!僕らは初めからルーを殺す気はこれっぽっちもなかったんです!ただ、 人の人生も考えずに、ハッ…晒すと言うッ行為が……クッ、フ、どれだけ残酷か、それを!笑うことが、人としてどれだけ最悪な行為か!それを、わかって欲しかった。」
「皆さんを巻き込んででも、伝えたかった。僕らはずっと、それに苦しんで、人生滅茶苦茶にされて生きて来たから。」
苦しそうにする鈴木ちゃんを支えながら、追いかけるように言葉を紡ぐ砂鉄。
カメラに向かって訴えかける鈴木ちゃんの表情は、幼い子供のように見えた。
神回確定!
ネット界の伝説だな、こりゃ、
結局はルーが全部悪かったの?
いつの間にか口紅は警察の手の中に居た。
手錠を掛けられ、それでも抵抗する口紅。
未だに何がどうなっているのか理解出来ていない俺、
「…ッチョモ!……サ、砂鉄!私たち、ン、ずっと一緒でしょう?!ねェ!兄弟みたいな仲じゃん!離してッ!」
「無駄な抵抗はよしなさい」
警察が喋り続ける口紅の腕を押さえ付ける。
「…ルー、」
軽くもあり、どこか儚い足取りで口紅の所へやってきた鈴木ちゃん、口紅と視線を合わせ、一言、
ビリビリとした空気が部屋に充満する。
息ができなくなりそうだ。
「…じゃぁ、あとは頼みます。」
そう言って、口紅は呆気なく警察に引き渡されてしまった。
また書くね