6話
とある日のこと。
彰人くんが俺にクッキーをくれた日から2週間が経つ頃だった。
ふと、疑問に思った。
何故、彰人くんは鬱病になったのか、何かの原因があって鬱病になったのか日々のストレスからだったのか。これからも一生を彰人くんと過ごしていく為にこういう事も知っておいた方がいいのではないかとふと頭に出てきた。
聞くのも何か図々しい気がするし…でも聞かずに後悔してしまうより聞いてみた方がいいかと、とりあえず聞くだけ聞いてみることにした。
☕「彰人くん、向こうで一緒に少し話しながらコーヒーでも何か飲まないか?」
🥞「うん、飲みたい。そっち行く。」
リビング
☕「彰人くんはココアにしておいた。多分苦くないように調節したが苦かったらまた教えてくれ。」
🥞「冬弥くんありがとう。」
☕「あぁ。」
☕「その、聞きたいことがあるのだが…」
🥞「ん?」
☕「その、気に触ってしまったら申し訳ないが、何故彰人くんは鬱になったのだろう、と。」
🥞「あー、確かに言ってなかったかも。」
☕「嫌ならいいんだ、ただ、彰人くんのことを知りたいんだ。」
🥞「嫌じゃないよ。教えてあげる。」
🥞「えっと、…元々俺は気が弱い性格であんまり小学校とかで友達ができなくて…。中学上がってから気づいたら虐められてたんだ。クラスの子からハブられたり、笑いものにされて。そんな生活が続いて多分限界が来て冬休み入って家で過ごしてるのがめっちゃ居心地良くてさ、学校が近づくにつれてどんどん体崩してったんだ。」
🥞「学校前の日にはゲボ吐いちゃって…しばらく3日くらい休んでさ、そろそろ学校行かなきゃってなって頑張ったんだけどやっぱり体が受け付けなかったみたいで登校途中に倒れたんだ。それでやっと親が心の問題なんじゃないかって気づいて精神科行って…そんで鬱病が見つかった。」
🥞「そんで、まぁいじめとかだけじゃなくてシンプルにストレスを感じやすい性質だったみたいでそういうのも重なってたらしい。まぁここからが酷かったんだけど…聞く?」
☕「彰人くんが話せるのなら。」
🥞「ん、じゃあ…、一応頭の隅に入ってたらってだけだからそんなに重く思わなくていいからな?」
☕「あぁ、わかった。」
🥞「えっと、そりゃ学校も行けなくなって…親は優しかったし絵名も気使って気にかけてくれてさ、でもそれが逆に俺にはストレスに感じちゃって迷惑かけてるって思ったのかな、結構鬱が酷くなって朝昼夜関係なしに気分悪くなって発作起こしたり物壊したりしたもんだから薬強いのに変えてもらったんだよな。」
🥞「でもそれがもっとダメで強い薬だったから副作用も強くて頭痛くなったりお腹痛くなったりして、その他に薬のせいで浮腫が酷くて。確か何キロか体重増えたんだよ。食事の量は変わってないのに薬で浮腫んでさ、それもストレスになって。」
🥞「薬飲まない訳には行かなくて俺はご飯食べることが嫌になって一時期ほんとに何も食べなくなって、体重とか30下回る時もあって…飢え死にしたっておかしくなかったんだよな。もう親も俺が食べない事に焦ってたけど何より絵名がその時近くに居てくれてさ、学校帰りにはドーナツ買ってきたりパンケーキとかチーズケーキとか色々買ってきてくれて。」
🥞「残すのも申し訳なくて少しだけど食べて…そーゆーの繰り返していくうちに少しずつご飯も食べれるようになってやっと歩けるようになってさ…。」
🥞「あの時の俺に…よく頑張ったねって褒めてあげたい。本当に辛くて死にたいばっかりでベランダ出て落ちようとしてそれも親に止められてを繰り返しててさ、もう心なんてとっくに壊れてて何もかも捨てちゃおうとしたけど頑張ったあの時の俺を抱きしめてあげたいってたまに思う。」
☕「………泣」
🥞「…って、なんで冬弥くんが泣くの。笑」
☕「辛かっただろう、苦しかっただろう。生きててくれてありがとう、…泣」
🥞「…うん、ありがとう。続きも聞く?冬弥くん出てくるよ。」
☕「…聞きたい、泣」
🥞「…えっと、…高2かな、高校は通信行ってて…特に変化はなかった。そんでまぁ鬱にも波があって中学の時よりは収まったけどやっぱり酷い時にたまたまスマホで冬弥くんが出てきて冬弥くんの歌に救われたんだ、綺麗な歌声でかっこよくて、音もバッチリ合ってて曲の歌詞をちゃんと理解して歌ってる所とか冬弥くんが歌ってる曲を聞くと心が軽くなって鬱の時心の支えになってた。」
🥞「それで、ライブ公演が始まるって聞いて冬弥くんに会いたいって思って絵名と一緒に冬弥くんのライブに行ったら目の前に冬弥くんがいて、生の歌聞いて本当に涙しか出なくてこれが初恋ってやつだと思う。人間なんて家族以外嫌いだったはずなのに冬弥くんだけは大好きで大好きで仕方がなかった。」
🥞「まぁそれで…恥ずいけど、リアコになって同拒になって冬弥くんが一途でグッズ沢山買って配信もスパチャしまくって…とりあえず1番になりたかった。その為に少しバイトとかしたんだ。社会への1歩だったと思う。冬弥くんが居てくれたから働くってことを経験できたし。まぁ色々あって辞めたけど…。」
🥞「それで、今って感じかな、…」
☕「…教えてくれてありがとう。たくさん辛いことがあっても乗り越えてこれた彰人くんならきっと…」
🥞「ありがとう、冬弥くん。あんまり昔の自分は好きじゃなかったけど、冬弥くんにお話聞いて貰ってなんか楽になった。」
🥞「冬弥くんは昔のお話とかあるの?」
☕「俺か…んー、つまらないがそれでもいいなら…」
🥞「教えて!昔の冬弥くん聞きたい!」
☕「ふふ、もちろん。」
☕「俺はまず、音楽家の家庭に生まれて物心ついた時から音楽に触れていた。父さんのピアノを弾く姿とその音色が好きだったんだ。それに憧れてピアノやヴァイオリンを弾いてきたが…耐えられなかった。」
☕「父さんからの指導は厳しかった、間違えた所を完璧にするまでご飯を食べさせて貰えなかった。1つ間違えるとまた違うところを間違えてしまって、それを何度も何度も繰り返して指が痛くなってもう弾けないと言っても、もう一度だ。なんて言われてな…笑」
☕「中学に上がってから俺は…もう耐えられなくなってクラシックを辞めると言った。だがもちろん父さんはそれを許してはくれなかった。だが逃げた。逃げて逃げて、逃げてばっかりだった。」
☕「やっと父さんはそんな俺に呆れて無理にクラシックに戻そうとはしなかった。そのまま時は流れて高校を卒業した後、趣味だった歌に少し力を入れたいと思って歌の学校に行きたいと父さんにお願いをして歌の学校で学んで居るうちにアイドルになりたいと思って父さんに相談したら3年の契約で許してくれた。それでYouTubeを通して音楽活動をして…ファンも増えてライブも決まって…」
☕「そして、彰人くんに出会った。」
☕「つまらなかっただろう?こんな話で申し訳ないが…」
🥞「んーん、つまらなくない。冬弥くんらしい生き方で俺は好きだなぁ。」
☕「彰人くん…」
🥞「冬弥くんも、頑張ったね。」
☕「っ………泣」
🥞「ふふ、冬弥くん泣き虫。」
☕「彰人くん…大好きだ、…泣」
🥞「俺も大好き、愛してる。」
☕「!俺も愛してる!」
END
過去編書いてみました!
テスト終わったから幸せ!だと思ってたら次期末です。許せない。
感想教えてね!
リクエスト受け付けます!
書けない場合もあるのでご了承ください🙇🏻♀️
冬彰なら大体🙆🏻♀️です!
コメント待ってます!
いいねもよろしくね🎶
おつたに!
コメント
4件
あきとくんほんわかしてるの好き過ぎです♡ 続き気になり過ぎます😭
あきとくんかわよすぎ、 過去辛いけどガンバッててえらい 😭👏 いつも通りいいお話だったよ 👏😍