7話
とある日の事。
☕「おはよう、彰人くん。」
🥞「……はよ」
☕「ご飯かパンどっちがいい?」
🥞「…冬弥くんと同じ、」
☕「わかった。作ってくるから寝て待っててもいいぞ?」
🥞「…ん、…」
☕「じゃあいただきます。」
🥞「いただきます。」
🥞「…冬弥くん、」
☕「ん?どうした?」
🥞「お仕事何時に終わるの?」
☕「今日は6時だ。残業になったら7時だ。」
🥞「そ、お昼は戻ってくる?」
☕「すまないが今仕事場が忙してくて昼は帰れそうにないんだ。」
🥞「そっか…わかった。」
☕「なにか予定でもあるか?」
🥞「んーん、聞いただけ。」
☕「そうか。」
そんな会話をして朝食を食べ終わった。
☕「じゃあいってきます。」
🥞「いってらっしゃい、気をつけてね。」
バタン…
行っちゃったな…。
最近見てしまったのだ。
冬弥くんが女の人と楽しげに通話で話してたりメッセージでやり取りをしていることを。
とっても楽しそうで…不安になった。もしかして元カノとか。
その人と会ってるんじゃないかなとか。
不安になってしょうがなくてその不安を消すために萌え袖をしている左腕の手首をめくる。
昔付けた深い傷や浅い傷、最近切った傷もある。
今はもう、何も考えたくない。
そう思い棚に入っているカッターで腕を切り付ける。
痛い。痛い。気持ちい。
痛いけどそれすら快感に覚えてくる、この俺を見たら心配してくれるかな。もうあの女とは関わらないかな。
あんな女に負けたくない…!
最後に思いっきり刃を引けば切れ味がよく血の塊がポタポタと流れ落ちる。
久しぶりに脂肪見えた、
🥞「…いたい、」
俺はそうやって一生人を憎んで生きていくんだ。
人の幸せを願えないクソみたいな障害者。
早くしんでやりたい。
いっその事冬弥くんの手で殺してくれればいいのに。最後の最後には冬弥くんの手で殺めて欲しいなんて、
重い瞼を閉じてそのままリビングの床で眠りに入った。
その頃、冬弥は…
☕「(もうお昼か、)」
スマホの時計には12時過ぎだと映されている。
どこか店にも寄ろうか、コンビニは混んでいるだろうか。
カバンを持って会社の外に出た。
コンビニはそれほど混んでおらずパンが買えた。
そのまま会社の休憩室に戻りスマホを片手にパンを片手に昼食を取った。
メッセージ
冬弥「昼ごはんは食べたか?」
いつもだったらすぐに返事が来るのに。
寝ているのだろうか。食べることに集中しているか。
それほど深くは考えず食べながら返事を待った。
あれから何十分は経ったが連絡は来ない。
たまたまスマホを見ていないのか?
少し心配になりながらも雑誌のモデル撮影に戻った。
もう定時か。
今日は残業なしで帰れそうだな。
背を伸ばしてリラックスしていると後ろから同僚が話しかけてきた。
?「冬弥、今暇?」
☕「すまない、同棲者が待っているから夜の飲み会は…」
?「あぁ違う違う!前うち来てくれた時これ忘れてたよ。」
☕「…!どこに行ったのか探していたんだ!ありがとう白石。」
杏「いえいえ〜。」
☕「前は本当にありがとう。美味しい料理を振る舞うためにあんなに教えて貰えるとは…」
☕「最近ご飯を食べると美味しいって言ってくれるんだ。きっと白石のおかげだ。」
杏「なら良かった〜。こはねも最近は私に料理振舞ってくれるんだよね〜ほんと可愛くて困っちゃう。」
☕「ふふ、気持ちはわからなくもない。」
☕「じゃあそろそろ俺は帰ろうと思う。なにか手伝う仕事などあるか?」
杏「大丈夫!私も帰る所!じゃあまたあした!」
☕「あぁ。気をつけて。」
ん、……
目が覚めるとリビングの床に居た。
手が真っ赤で床も真っ赤。
そうだ、俺寝ちゃってた…
すげぇイライラするしむしゃくしゃして気持ち悪い。
カーテンから日差しは差し込んでおらずもう夜だとわかった。
冬弥くんはそろそろ帰ってくるだろうか。きっと帰ってきても強く当たってしまう。別に当たりたくなんてない。
なのに、冬弥くんなら大丈夫ってたくさん酷いこと言っちゃう。
いっその事捨ててくれればいい。
すぐ脳はそっちの方向へ行く。
捨てられたくない、一緒に居たい。こっちの気持ちの方が本当なはずなのに捨てられたいとか見放して欲しいとか考えてしまう。
俺も、ろくな人間じゃねぇな…。
ガチャ…
ドタバタ…
☕「……彰人くん?」
☕「床で寝てしまって…ほんと彰人くんは…」
☕「!」
俺の目に映ったのは彰人くんの手の周りに血が拡がっているのとカッターが近くに放り投げられている姿。
メッセージの返事もしなかったのはずっとずっとここで…苦しんでいたんだ…
☕「彰人くん、大丈夫か?」
🥞「…うるさい、」
☕「起き上がれそうか?」
🥞「うるさいって言ってんの!黙れ!」
☕「っ…」
🥞「っ…、俺に構うなよ、」
☕「嘘だ。」
🥞「は?」
☕「構って欲しくないのに泣くのか?」
🥞「泣いてなんかっ…」
☕「構って欲しいんだ。そう彰人の心が言ってる。」
🥞「うるさい!」
☕「この傷は自分でやったのか?」
🥞「…話しかけんな、」
そう言って立ち上がりそのままどこかに行こうとする。
☕「行くな、彰人。」
🥞「……」
そのまま彰人くんはペタンと座り込み下を向いてしまった。
☕「すまない、怖かったな。」
そう言って撫でようとすると…
🥞「触んないで!」
☕「…!」
🥞「もう嫌だ…」
ぽた、ぽた…と、涙が床をうちつける。
🥞「もう死にたい、生きたくない、泣」
☕「(何があったんだ…、)」
思い当たる事は無い。
強いて言えば昼に一度仕事から帰れなかったことくらい。
いや、こんな事で彰人くんは鬱にならない。
じゃあなんで…
☕「どうしたんだ?」
🥞「っ…グスッ…とぉやくんはっ…おれなんてッ…ヒック…いらなかったんでしょッ…ヒック…泣」
☕「…なんでそう思ったんだ?」
🥞「女の人ッ…グスッ…見たッ…泣」
☕「女の人?」
🥞「話してたじゃんっ…ヒック…なんでわかんないのっ!…グスッ…ヒック…泣」
☕「すまない、誰の事か…」
🥞「きのうもっ…電話してたッ…ヒック…ヒック…グスッ…泣」
☕「…白石か、」
☕「彰人くん、昨日電話してたのは仕事友達の白石さんだ。仕事の話をしてたりしてたんだ。」
🥞「嘘だっ…ヒック…楽しそうにッ…グスッ…泣」
☕「それは…最近俺の料理が上手くなったと思わないか?」
🥞「…、ん、…グスッ…泣」
☕「白石が教えてくれたんだ。白石のお父さんがお店を開いているから白石も料理が上手くてだな…」
🥞「おれのクッキーはッ…?…グスッ…泣」
☕「え?」
🥞「おれのクッキーはおいしくないの?…ヒック…泣」
☕「そんなわけっ…」
🥞「うぅっ…グスッ…えぇぇん…ヒック…ヒック…泣」
☕「彰人くん…」
彰人くんが作るクッキーが美味しくないなんて言っていないのに…。
そんなの世界で1番美味しいに決まってるのに。
きっと白石の料理を褒めたから自分の作ったものは美味しくないってことかと勘違いしてしまっているのだと思う。
☕「彰人くん…」
🥞「とぉやくんはおれなんかよりっ…その女の方がっ…ヒック…いいんだろっ…ヒック…?…泣」
☕「彰人くんが1番に決まってる!」
🥞「もう嫌だ、…死ぬ、死んでやる、…泣」
☕「彰人!」
🥞「っ…」
☕「彰人くん。俺が君を嫌いになると思うか?なるわけない。もちろん君が願うなら好意を向けるのも辞める。だが、嫌じゃないなら死ぬほど愛を教えてもいい。」
🥞「…やめないで、…ヒック…グスッ…泣」
☕「あぁ、辞めるつもりもない。すまない、嫌な思いをずっとさせてしまっていた。」
🥞「ずっとずっとっ…1番がいいの、…泣」
🥞「どんなときも俺が1番でいて欲しいのっ…、好きな人と言えば俺でいて欲しいし甘いものが好きな人と言えば俺でいて欲しいっ…」
🥞「冬弥くんと言えば俺ってくらい好きでいて欲しいのっ…泣」
☕「彰人くん…」
☕「たくさん辛い思いをさせてしまった。本当にすまない。彰人の気持ちを分かってやれていなかった。本当に、本当にすまない…。」
🥞「ん…俺も、メンヘラでごめんッ…1番がいいなんて迷惑ってわかってるけどッ…けど、冬弥くんの事大好きだから、許して…」
☕「許すも何も迷惑でもなんでもない。じゃあ彰人くんと言えば俺ってくらい彰人くんは俺の事好きか?」
🥞「すき!大好き、愛してる!」
☕「ふふ、じゃあお互い様だ。」
☕「なんだか可愛い彰人くんを見てたらお腹が減ったな。」
🥞「何それ、どーゆー意味?」
☕「可愛すぎて食べたいってことだ笑」
🥞「食べてみる?」
☕「エ…」
🥞「?俺は食べれないよ冬弥くん?」
☕「あ、そうだな…笑(そっちの意味か…)」
🥞「なんで笑うんだ?」
☕「大丈夫だ、気にしないでくれ。笑」
END
最近全然ネタないー!!
なんかリクエスト欲しいな🥹
多分1個しか書けないけどリクエスト待ってます!
感想コメントもよろしくね🎶
おつたに!
コメント
3件
泣く所描くのめっちゃ上手なんだけど?! 読んでて彰人と冬弥が住んでる家がどんな感じとか思い浮かんできて、本当に小説読んでるみたいだった! リクエストあるんだけど、彰人と冬弥がより仲良くなってお互い呼び捨てで呼び合うみたいな?どうかな? (本当に何話でも良いからね?!) 続きも楽しみに待ってまーす!!