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体が溶けるほどの蒸し暑さ。夏の日の日常。
俺、西ノ瀬燵はただの高校生だった。
友達がいて、学校生活があって、ただ、当たり前の楽しい毎日を過ごせると思ってた。
これまでも、この先も。
西ノ瀬「よう!浅田!佐々木!」
俺が、話しかけたのは、いつも一緒にいるいわゆる俺の親友の2人だ。
近所の女の浅田舞美と、男の佐々木蓮次。
幼少期から一緒に過ごし、小、中、高の今までずっと一緒だった。
浅田「おはよ!燵!てかその傷またやんちゃしたなぁ!」
西ノ瀬「あぁ、ちょっとな!」
俺は満面の笑みで笑いかける。
佐々木「本当何してんだよ〜」
佐々木は俺や浅田と違っておとなしい性格だから、俺たちに笑いながら呆れていた。
こんなくだらない毎日が俺は好きだった。
続けばいいと思ってた。
変化が起きたのは、高校2年生の夏休みのことだった。
俺たちは、毎年のように、夏休みを3人で満喫しようとしていた。
西ノ瀬「今日はプールだなぁ!」
浅田「だね!」
俺たちは夏休みの遊びでプールに来ていた。
しかし、その日、生憎、俺は体調が若干悪く、プールには入れなかった。
プール沿いから、泳いでいる2人を俺は見ていた。
佐々木「おまえもはいれよ!」
西ノ瀬「無理だって」
俺は笑いながら言った。
その瞬間、俺は上から見たプールの水の色が一瞬、濁った色に変わったように見えた。
バタッバタッバタッ
その瞬間、プールで泳いでいた人たちが次々と倒れて行った。
俺を含め、プール沿いの人間が急いで救出に向かった。
2人を引き上げた時、上から見た俺は気づかなかったが。
2人は喉を掻き切られて死んでいた。
即死だったろう。
泣き喚きながら俺は声をかけたが、反応はなかった。
周りの人間も俺と同じ感情だったろう。
俺はたった1日、親友と遊びに行っただけで一生の宝物を奪われたんだ。
日常というものを。
梅神は俺の心臓から腕を引き抜き、早々に立ち去った。
バタッ
薄れゆく意識の中、俺は残りのものたちに最後の力を振り絞って言い残した。
西ノ瀬「強く…生きてくれ」
俺は、みんなが俺の場所が来る前にゆっくりと瞼を閉じた。
西ノ瀬「なぁ、俺の人生は意味があったのかな」
西ノ瀬「親友を失って、復讐のためにがむしゃらに戦って。なぁ、浅田、佐々木」
浅田、佐々木「上出来だよ」
俺は、満面の笑みであの時と同じように笑った。
2人は俺の手を引いて、明るい方へ連れていってくれた。
暗い呪縛から解き放たれたように。
神空「西ノ瀬、、」
影月「西ノ瀬隊長。嘘だと言ってくれよ。なぁ」
俺たちは一夜にして、かけがえのないものを失った。
神空「絶対に殺してやる」
そう決意した後、処理班が来た後に、俺たちはゆっくりとその場を立ち去った。