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短編

4 - こんくらいがちょうどいい

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2025年07月27日

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ある日の夕方、鍛錬帰りの不死川実弥は、炊事場から漂う香ばしい匂いに足を止めた。


「……ん?」



ふらりと覗き込んだそこには、派手にエプロンをつけた煉獄杏寿郎がいた。


羽織も脱いで腕まくり、顔には粉までつけている。



「おぉ、不死川! ちょうどいいところに来たな!」


「……なんだその格好。……何してんだよ」


「ドーナツを作っていたんだ! 任務帰りの皆に振る舞おうと思ってな!」


「……はァ?」



実弥の目が点になる。

鬼を斬る風柱にとって、ドーナツなど縁があるようでまったくなかった。



「手伝え! お前、こねるの得意だろう?」


「誰が得意だっつった! ……けど、まぁ……暇だから手ェ貸すだけだ」



言い訳をしながら、エプロンを手に取る実弥。


まぜたり、丸めたり――


気づけば二人で粉まみれになって笑っていた。





ドーナツが揚がるころには、外はすっかり夕焼け。


煉獄が一つ差し出した。



「ほら、不死川。お前の初ドーナツだ!」


「……なんか、ふにゃってしてんぞ、これ」


「揚げすぎだな! だがそれもまた一興!」


実弥はぶっきらぼうに受け取って、一口。


「……あっつ……でも、悪くねぇ」


「そうだろう! 甘いものは心に効く!」



その言葉に、実弥は少しだけ、笑ってしまった。



(うるせぇのに……なんだか、あったけぇ)






その後、柱たちがひとり、またひとりと戻ってきて。


台所は、甘い香りと笑い声で満ちたのだった。




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