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番外編 帳のお散歩日誌
ある日のことだった。
夢路が恋愛占術館の2階から降りてきた。
「…帳?いないの?」
帳に声をかけるが返事はない。
「お散歩中か。」
夢路はそう呟いた。
帳は、たまに普通の黒猫に化けて、多くの人が住む町にでかけることがある。
夢路は首から下げている月の形をした。のペンダントに手をあてる。
そして、
「…導き出せ。」
と、呟くと、ペンダントから光の粉がでてきて、宙を舞い、机に置いてあった水晶に吸い込まれた。
すると、水晶に帳が化けている猫の姿が映し出された。
黒猫で、目の色を黄色っぽくしている。
「…町、楽しいのかな?」
夢路は、帳がお散歩に行くような町に行ってみたくなった。
「…行ってみよう。」
そう言って立ち上がると、
「月の輝き、纏え。」
そう唱える。
と、夢路の瞳も黒っぽくなり、髪の毛はいつもの長い髪ではなく、ボブヘアになった。
「…完璧。行ってこよ。」
夢路は、少しワクワクしながら町へ出かけた。
その頃の帳。
「はにゃ?」
何だか、帳は夢路の存在を近くに感じるのか鼻をヒクヒクさせていた。
それでも帳は、気のせいだと思い、いつもの散歩ルートを辿った。
小さな公園にでかけ、家の屋根の上を通る。
あとは、気ままにブラブラと町を探索している。
「…!はにゃ!!」
帳は何かを感じとったのか、急に勢いよく飛び上がり、駆け出していった。
その頃の夢路
「ほぇ。これが、町。人、たくさん。」
人の多さに驚いていた。
お店を見ながら、町を楽しんでいると、
「…!」
首下のペンダントが光った。
月の部分が黄色に点滅している。
夢路は何が起こったのか察知して、人がいない方に駆け出して。
人が、いない通りにでたら、
「月の輝きよ、静寂へと還れ。」
と、唱えて、いつもの姿へと戻った。
「月よ、導きを。」
と、呟くと、ペンダントの光が空へ向かった。
「…上?」
夢路はペンダントの光が差したほうを見上げた。
すると、高い屋根の上から、犬が落下しそうなのが見えた。
ここの通りは人が、ほとんどおらず、誰も気づかない。
夢路が少し考えていると、
「みゃあお!」
帳も合流して、いつもの姿に戻った。
「帳!」
夢路と帳は顔を見合わせた。
……今は夜だ。
そうこうしていると、犬が落下してきた。
「…月の輝き、空を舞え。」
そう、呟くと、帳と夢路のペンダントから出てきた光の粉が、一瞬で固まり、落下してくる犬を包み込み、もといた場所へ戻した。
「良かった…。」
その後、夢路と帳は占術館へ戻った。
「…町も楽しかったけど、ここが1番。」
「みゃあお。」
二人は顔を見合わせて、微笑んだ。
月が、二人を照らしていた。