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「まだつかねぇのかよッ!!」

レオリオが叫んだ。

老婆が言うには2時間だったのだが、4人はかれこれ4時間も歩いていた。日も暮れ、辺りは夜の闇の中。いったい何時になったら着くのだろうか…




それから進むこと約1時間。ようやく一本杉の生える場所に到着した。そのすぐ横にはログハウスが1軒建っている。

中に誰が居るかを確認するためにクロロが戸を叩こうとた。

その次の瞬間

ガシャーン!!

何かが割れるような音が森の中に響いた。

そして、微かに血の匂いを嗅ぎとった。

只事ではない様子に4人は中に突入を開始した。

中では男が一人倒れていた。腹部から軽くであるが出血している様子が確認できる。すぐさまレオリオは男の側へと駆け寄ると傷の手当てを始めた。

「妻か連れ去られたんです…!どうか助けてください!!」

男は掠れた声でそう訴えてきた。

男に妻は必ず取り戻す旨の約束をする。

この場はレオリオ1人で十分だと判断した3人は、この家に突入した時に見えた大きな影を追い、森の中に消えていった。




妻を連れ去ったと思われる黒い影。それは木を器用に使いながら森の奥深くに移動しているようであった。

クロロは走りながら、ゴンとクラピカに指示を出していた。

「俺とゴンがアレから奥さんを奪う隙を作る。だが相手は高所だ。万が一落としてしまえば一発アウト。クラピカは下で奥さんを受け取ることができるように構えててくれ。」

その言葉にクラピカとゴンは頷くと指示されたように、ゴンは高所、クラピカは地面を走りそれぞれが準備を始めた。




ゴンが自身の持っている釣竿で足場を不安定にさせ、クロロの右フックが炸裂し、バランスを崩し影は、妻を落としてしまった。しかし、これも想定済み。最悪の事態は免れたのだった。

妻を無事に捕まえる事の出来たクラピカは一安心である。そこへクロロが高所から降りてきた。

「妻の方は無事だ。…ゴンはどうした」

クラピカは妻の様子を確認しながらクロロに聞く。

「あの子、影を追って先に行っちゃったよ。俺は奥さんの方が先決と思ってコッチに戻ってきたって訳。」

クロロも妻の様子を確認しながら言う。

会話もそこそこに怪我がないか確認していたクラピカは、妻の腕を持ち上げた所で何かに気付いた。妻の腕には模様が書かれている。別に模様が書いてあること自体は何ら不思議なことはない。しかし、この模様は未婚であること主張するための証である。

男は妻と言っていた。しかし、彼女は未婚の証の模様が書かれている。何故?

「貴様…いったい何者だ?」

クラピカの問いかけに妻はニヤリと笑って瞼を開いた。

一方、その頃のゴンは

黒い影を追いかけ森の奥深くにまで来ていた。

黒い影の招待は、魔獣 凶狸狐(キリコ)であるらしい。

大きな黄金色の身体を持ったその魔獣は、細長くつり上がった目、長い耳が特徴的である。

キリコとゴンは向かい合っていた。

「君、だァれ?」

今目の前にいるキリコは、先程クロロが殴りつけた者とは違う。そう確信していたゴンは目の前のキリコに尋ねる。

「なぜ?なぜそう思うんだ?」

キリコが逆に尋ねれば

声や顔が違うからとゴンは言った。

すると目の前のキリコは大きな口で笑い、顔のよく似た父親を読んだのである。

まったく違いが分からないが、流石野生児である。




クラピカとクロロ、妻は揃って、あのログハウスへと戻っていた。そこには、ゴンと…キリコが2体、レオリオと夫が立っていた。

「あ!クラピカー!クロロー!こっちだよー!」

ゴンの元気の良い掛け声に頬が緩む。

この騒動は、最初から茶番だったのだ。

ハンター試験の選別である事を、妻が瞼を開けたあの時に聞いた。

そして、2体のキリコと夫と妻…正確には演じていただけなのだが…は親子ということである。

キリコは人に化けることの出来る魔獣だったからこその茶番だったという訳だ。

最後に、キリコ一家から講評は頂いた。

医療処置が評価されたレオリオ。

博識さが評価されたクラピカ。

素早い判断能力が評価されたクロロ。

鋭い観察力が評価されたゴン。

4人とも評価は違えと合格である。

「やったぁ!!」

ゴンの元気の良い声が森の響き渡る。

その様子を見たクラピカもクロロつられて小さく笑った。

その横でレオリオは、2体のキリコをみて唸っている。

「ゴンはなんでわかったんだァ?俺にはさっぱり分からねぇぜ…」

「俺たちも驚いたぜ!なぁ父ちゃん!!」

レオリオとキリコは首を傾げ、笑い始めた。

穏やかなひと時である。

こんな日が続けばいいのに。と願わずには居られないクラピカは夜空を見上げるのだった。




余韻もそこそこに、4人はハンター試験会場のあるザバン市に向かうことになった。

歩いて向かうのではない。

夜の空を飛行して向かうのだ。

「わぁ〜!!凄いね!!」

「…夜風が気持ち良いな」

「あぁ…景色も良い」

ゴンとクラピカは、一体のキリコの肩に。

もう一体のキリコの肩にはクロロが乗っている。

クロロとしては、クラピカと乗りたかった。しかし、総合的な体重を考えると申し訳ないので、別々に乗ることにしたのだ。

そしてレオリオはというと…

「ギャァァァァァ!!落ちるゥゥゥ!!なんで俺だけェェェ!?」

4人の中で1番体重のあるレオリオは肩には乗れなかった。どうしたものか…と考えた末に、キリコがレオリオを掴んで運ぶという事になったのである。

当然ではあるが、強風に煽られたレオリオの体はとても不安定だ。それを考えれば、あの叫びも頷ける。

3人と2体は苦笑いをし、心底レオリオに同情するのであった。

夜が開ける頃にはザバン市に着くはずだ。

それまでつかの間の休憩を取るために眠るのとしよう。

「俺寝れねぇよ!!」

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