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Jinto side
ある日、
「じんとー」
という声が聞こえて、つい
「はやちゃん」
と答えた
これがいけなかった
「お前、調子乗ってる?」
教室に戻るとクラスのやつらが教科書やその辺りに置いてあったものを僕の体めがけて投げつけてきた
僕は静かに散らばったものを片付けた
そういうことが度々起こるようになった
ああ、今日もか
すっかり慣れてしまった僕は体に刺さるものを淡々と受け止めていた
「なにしてんの?」
聞きなれた声だった、はずだった
この人のこんなに冷たい声は知らなかった
「そういうの大嫌い」
「1人相手にそういのめちゃくちゃダサいよ」
はやちゃんがそう言うと、あいつらは出ていくしかなかったようだ
「仁人、大丈夫?」
「ごめんなさい」
「なんで仁人があやまんの」
「…ごめんなさい」
嫌だ
「これ以上迷惑になりたくないから先輩ももうこないでください」
嫌だ
「俺のこと嫌いならもうこないよ」
静かな声だった
「き、らい、です…っ」
やっと絞り出した声と共に走った
見られたくなかった
見て欲しくなかった
涙が出て止まらない
ぐちゃぐちゃになりながらひたすら走った
嫌なのは
嫌いなのは…僕だ
日課とは恐ろしいもので
あんなことがあったのに、その後も決まったこの席でグラウンドを眺めていた
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