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「気づいた?」
さっき靴箱にいた人が、教室のドアの前に立っていた。
「おはようございます」
沈黙が続いた。
こういう時間が苦手な私は、どうすればいいか分からず彼のことをただただ見つめていた。
「そんな見られると困るんだけど、笑」
「あ、ごめん」
「でさ、俺の事覚えてる?」
「……会ったことある?」
「そっか、だよね」
「なんか、ごめんね、ほんと」
「大丈夫」
「雪宮 冬雪だよね」
「え、なんで知ってんの」
「隣のクラスだし」
「そっか」
「えっと、あなたは?」
「西崎 彪雅」
「なんか、、強そう!」
「笑」
「あ、そろそろみんな登校してきちゃう」
「そうだね、じゃあ俺は自分のクラス戻る」
「またね、」
「……また、」
もう8時。みんなが登校してきて、教室がガヤガヤと賑わってきた。そろそろ担任の先生が来るというのにまだみんなはお喋りの最中。なんなら盛り上がってきたのかな?楽しそうだなぁという視線を送る。私はあの中には入れないから。見て楽しもう。その中には柏木くんもいた。
柏木くんは、いつもクラスの中心にいて、みんなをまとめたり、楽しませたりすることも出来て、私とは真逆の人。私は、そんな柏木くんを見て好きになったんじゃなくて、あの時、好きになった
あの日、私はお母さんと喧嘩していた
「なんで、あんなことしたの?!」
私は、西崎 蘭という子に悪口を言ったり、暴力を振るったという濡れ着を着せられていた。あの子と話したこともあまりないのに。
「違うっていってんじゃん!」
「西崎さんがやられたっていってるのよ?」
「嘘かもしれないじゃん!」
「あなたが言っていることも嘘かもしれないでしょ?!」
「お母さんは自分の子供の味方してくれないの?」
「それは違うでしょ?」
「お母さんのバカ!!」
「大っ嫌い!」
私は最後まで否定したけど、お母さんが私の味方をしてくれないことにガッカリして、家を飛び出した。生憎外は暗くて、女子高生がふらついていたら、危ない大人の人とか、警察に話しかけられるのは覚悟していた。していたけど、いざとなると怖かった。
「あれ、JK?」
「ピチピチじゃ~ん♡」
「かわいー」
「やめてください、!」
「離して!」
怖くて、声が出なかった。助けてって、言っても、大きな声が出なくて、怖かった。そんな時に、君は来てくれた
「雪宮さん?」
「おい、離せよ」
「警察呼ぶぞ?」
「チッ」
私を守ってくれた柏木くんは、かっこよかった。