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【長谷川視点】
その子は突然に現れた。
神様…?天使…?
そのくらい可愛い子だった。
私は長谷川奈緒(はせがわなお)。
英語教師をしている。
今は、一年二組の担任だ。
「英語って、難しくないですか?」
彼女は続けた。
「でも、日本語も難しいんですよね?
私、日本人だからあんまりよく分からないですけど…」
その子は、中野歩美(なかのふみ)といった。
神や天使じゃないのなら、なんと言えばいいのだろう。
神様に贔屓されてるのか…?
彼女と会う度、そう考えてしまう。
中一なんて、思春期や成長期で、
大人が嫌いになる人が多いのに、
今まさにその『中学生』と話しているのだ。
「中野は、神様に贔屓されてるみたいやな…。」
「ひいき…?」
中野は少し考えて、にっこり笑ってこう言った。
「神様のことだから、平等に接してくれますよ。
今、いい気分でも、あとからきっと、壁に突き当たりますから。」
中野の笑顔は好きだった。
2組に、中野と同じ学校だった子がいる。
神倉璃瑠(かみくらりる)だ。
「神倉〜!一組の、中野ってどんな子?」
神倉は、学級代表をしている、真面目な子で、
いろんな子とも仲良く出来る子だ。
「ふみちゃん…ですか?」
何か深く考えた後にこう言った。
「優しくて…いい子ですよ。」
絶対何かある、、、。
「なぁ、北村くーん。 」
「ん、なんですか?」
北村くんは、大学の時からの後輩で、
『教師だから』
が口癖の真面目な子。
……無口やし。
「中野ってどんな子?」
北村くんは、中野の1組の担任だ。
「中野さんですか!?」
うぉぅ…?
北村くんはあまり笑わないし、
授業や学校に関係ない話は嫌う。
でも、久しぶりに笑っているところを見た。
「う、ん…。中野。」
「中野さんは優しい子ですよ!あとあと…」
「あぁいや、ええわ。」
なんというか、ギャップがヤバい。
(まさか、好きになったとか!?)
その考えは、すぐに無くなった。
昔、北村くんは言っていた。
「教師ですから、生徒に危害を加えたり、
生徒と関係を持ったりなんてありえないですよ。」
と。
だから、多分違う。……多分…いや知らんけど。
ある日、もう一人の後輩、
山本くんに、聞かれた。
「長谷川先せー!」
「ん、どした?」
「北村先生って中野さんのこと好きなんですかね?」
同じことを思ってる奴が
ここにおった。
「んー、まあそれっぽいけどなぁ…」
全く同じことを思ってる奴がおるってことは
そうなのか?
いやでも、あの北村くんがそんな…
あーでもさっきの北村くんは違うなぁ…。
とか考えた後に言った。
「北村くん、生徒を好きになることないと思うけど…聞いてみなわからんなぁ…。」
やばっと思った。
山本くんは、
言われたことしてくれるいい子やし、
なんでも思った事言う子やし、
マジで聞くかもしれへん。
マジで聞いたわあの子。
(((((( ˙꒳˙ )引。
そんなある日、山本くんが言った。
「傷付けたいです………二人の心に。」
あぁ?この子は何を言うてはんの?
と思っていたが、山本は続けて言った。
「三組が理科で、一組が数学の日があるんです。
だから、北村先生に内緒で理科を
英語に変えてくれませんか?」
山本の企みは訳分からんかったけど、
言った。
「大学の時みたいな?wええで、楽しそうやし。」
山本は、まだ大学の時のことを根に持ってるみたいやったけど?