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第二章 大学で
【北村視点】
本を読んでいてたら
見知らぬ人が声を掛けてきた。
「すみませーん!あの、入ったばっかで
よく分からないんですけどー…」
髪の毛が長く、下の方で一つ結びしていた。
制服的に男だろうが、
チコリ色の髪にエメラルドのメッシュ。
くりくりの目。
女の子と間違うほどだ。
じっと観察していたら、彼は言った。
「あ!僕、男ですよ!?」
「…いや、制服で分かりますよ…」
その男は何も言わず隣に座ってきた。
なんというか、こういうタイプは苦手だ。
「北村先輩!何の本読んでたんですか?」
「あーこの本は…って、
何で名前知ってるんですか?」
話によると、同じ高校で
俺が賞をとっているのを見て、話がしたかったようだ。
「どこの大学に行ったか聞き回って!!
話せて良かった!!」
「…はあ。 」
そんな話をしていると
遠くで歓声が聞こえた。
「ああ!!国際科の王室先輩たちだ!!」
「王室?」
国際科の王室先輩たちとは
【国際科の王様 藤本大志】
【国際科の王女 長谷川奈緒】
【国際科の姫様 月岡蒼葉】
の三人。
国際科では有名らしいが
俺は理数科だったから知らない。
「む、なあ、あんさんら、ここええ?」
その王女とやらが話しかけてきた。
「……どうぞ。 」
三人は少し驚いていた。
「あたしらに話しかけられて
驚かへんかったやつ初めて見たわ!!」
すると、王様とやらが言った。
「大阪での話やろ?
隣の県とはいえ、知らん人の方が多いやろ。」
すると、姫とやらが言った。
「君たち、名前は? 」
「…北村樹です。」
「あっ、北村先輩にも言ってませんでしたね!!
山本颯樹です!!」
人はそんなに好きではなかった。
あーあ、
離れておけばよかった。