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🌈🕒 石油王と英雄の2次創作
(ファンタジー、口調・性格が多少異なります)
※微腐、微R18 (ご本人様とは無関係)
ー偶然の出会いー
コーヴァス帝国の中に、熱砂の地域が広がっていることを、ある英雄は知らなかった。
「はぁ、はぁ、砂漠に迷い込むとは…。もっと早く引き返すべきだったな。」
水も食糧もとうに底をつき、英雄はいつ倒れてもおかしくなかった。
「暑さで意識が朦朧としてきたのか?目の前に宮殿が…」
言いかけて、英雄は倒れた。
「意識がない。この男を運び込め。
全く…これだから愚民は困る。自分の容態くらいわからぬものか。脆くて弱い人間に、価値はない。」
英雄は、金の装飾が一面に施され、シルクのカーテンに覆われた天蓋付きのベッドで目覚めた。ふかふかすぎるマットレスと、手触りの良すぎる枕。住む世界が違いすぎる環境に英雄は驚きを隠せず、辺りをしきりに見渡す。
「ここに見覚えは無い…見知らぬ親切な人が助けてくれたのか?」
不思議に思っていると、遠くから誰かのヒールの音が近づいてくることに気づいた。いや、ヒールだけでは無い。ジャラジャラと沢山の装飾がぶつかり合うような音と、何やらぶつぶつと文句を言っているのだろうか。不満げな声も聞こえる。それらの音がどんどん部屋に近づいてくるため、英雄は少し身構えた。
すると次の瞬間、勢いよくドアが開けられ、音の主である人物が大声で叫んだ。
「おい!さっさと起きないか!なぜこの私が愚民の世話などしてやらねばならない!」
英雄はその人物とふと目が合い、息を呑んだ。
「なんて美しい男性なんだ…」