「ん…ん、ふぁ〜…」レイラはあの時のようにあくびをしながら手首をぎゅっーと上に伸ばして背伸びをする。辺りは勿論何の変わりもなく、幽閉された空間の中にポツリと居る。
「起きたようだね、おはよう」バンバンはそう言い、チラッとレイラの方に目線を向けた。「お、おはよう」そんな挨拶を交わしていると、レイラに寄りつかれながら寝て居たビターギグルが起床し、今朝も機嫌良く、笑い出して挨拶を始めた。
「おはよう、レイラさん、それにウスマンさん」
「おはよう!ギグル!あ、そうだ‥!おはようのハグ……しても‥良い?」レイラはそう言い、ビターギグルにぎゅっと抱きつき、ビターギグルは戸惑いながらも了承して朝のおはようの挨拶替わりのハグをした。
「ふふっ、ギグルの肌の感触……ほんとに気持ち良いな、柔らかい〜」レイラは気持ち良さそうにリラックスして、今にも溶けそう…そんな雰囲気にまで落ち着いて居る。「幽閉されている身なのに、危機感を感じさせない…いや、それを忘れて居るかのようにこんな事態になる以前と同じように宮廷道化師と戯れているなんて」バンバンは朝起きて早々に変わらず甘え姿を見せる彼女に見惚れながら、そう一言。
と……その後、朝食を食べるのだが、勿論今朝もレイラのみが研究者から事前に用意した食料に手を伸ばさなくてはならない。ずっと、行動が監視されて居る以上は当然下手な真似は出来ないが‥「そういえば……あれから調子はどうなノ?食べてから、何処か痛くなったりしてなイ?」ビターギグルは彼女の体調を気にして、そう声をかける。「……?、うーん…特には何処も痛んだりとか…苦しくもないよ、私が鈍感なだけかもしれないけど、良く分からないや」レイラはそう話す。幼い子供で感覚などが寧ろ敏感の筈で、そう簡単に鈍るなんて思えない。「そうか、もし、痛みや何か身体に不調が表れてきたと感じたら何時でも言って。俺にでも良いし、それこそ宮廷道化師にだって良い、此処に居るのは皆んな、君の味方だ」
バンバンはそう親切に彼女に寄り添った。「うん……ありがとう」そう言ってまたビターギグルに抱きついた。とりあえずは、またゆっくりと時間を過ごす、此処に連れて来られてどうなるかと思ったが、けど顔馴染みのあるメンツとの再会を果たして、今や安堵の感情に包まれて‥。「それにしても、まだ此処から出られないのか…」スティンガーフリンはまたもや痺れを切らして、退屈さに嘆き耐え切れなくなって、愚痴を吐くように溢す。案外、気が短く少々気が立ちやすい……まあ要するに怒りやすい性格なのが彼の場合は多く垣間見える。「まあまあ、そう焦らないで。すぐには解放とはいかないさ、それに君ももう知ってるだろう…?彼女は新たなジバニウムの実験体……つまりは『モルモット』‥‥彼らが大事な『モルモット』を逃すような事をする訳がないだろう、用が済めば解放してくれる事を願いたいが…… 」バンバンは飽々としているスティンガーフリンに対して、少し冷静になって欲しいと頼み込むようにして、そう言葉をかける。
「でも、それにしても‥ずっと死ぬまで此処に閉じ込めておくのは子供に対しての教育上悪いんじゃない?彼らがまともな思考をしてるとは思えないのはとっくに知ってるけど、まあ私も良くおかしな教師なんて言われるけど」バンバリーナは彼女を思う言葉をかけた一方で、自分は研究者らと似てるところがあって、同じような物だと……そんな事を言った。「そうだね、ずっと同じ場所に居たら気が狂ってしまいそうだよ、何もする事ないし……ただ此処に囚われてるだけじゃ身が持たないのも確かだ」バンバンもなんだかんだで結局退屈だと思っている事は同じようで、「それなら…なんか皆んなで遊ばない?きっと、遊び道具もちょっとぐらいあるだろうし、それに私も…何かしないと落ち着けないもん、こんなところで囚われて…誰かにずっと監視されてるって思うと、怖くなって恐怖でストレスが溜まっちゃいそうだよ……だから少しでも気持ちを紛らわせたい… 」レイラはそう提案し、ついでに彼女が抱え込んでいた気持ちも一緒にポツリと添えた。
「それは良い提案だね、とは言っても、あまり大きな音を立てたりすると、騒がれてたあの子猫達がまた様子見に戻ってくるだろうし、なるべくなら静かに楽しめる物が望ましいね」
「そっか、じゃあひっそりと遊べるような…何かないか探してみるよ」レイラはそう言って、道具箱に種類別で仕分けられている箱を取り出し、その中で『なるべく音が出ない、静かに暇つぶしが出来る玩具』を手探りで探してみる。
「何かないかな〜、あ‥あった!」レイラが見つけたのは子供用の玩具で、その種類も意外と豊富でも手で握ってその感触を楽しむタイプの玩具や、飛び出しの仕掛け付きの絵本‥積み木、と幼い子供なら興味津々間違いなしの玩具が沢山あった。
と、皆んなで遊べるようなパーティゲームセットも箱の底辺りに混ざり込んでいて、レイラは「これなら、皆んなで遊べたり出来るかも…!」と、とりあえずは遊ぶ候補の玩具をある程度選別して、箱から取り出して……「こんなに沢山…玩具ってこんなに多いの‥?これって全部、子供用の玩具って事?」ビターギグルは多種多様にも及ぶ玩具を眺めてそう言った。彼らはジバニウム製のマスコットモンスターとして生み出されてから、ずっと園内の中のみで生きてきた為に外にある、このような『物』に関しては全く見た事がなく、それに加えてビターギグルやトードスターはバンバン幼稚園の園内は園内でも、地上階ではなく、地下に存在する『王国』で暮らしているので、更に目にする機会がない。
だから、驚いてるのだ。
「これ……何で遊ぶ?」レイラはビターギグルらと一緒に遊ぶか、それとも一先ずは自分だけでポツリと遊んで遊戯時間を過ごすか、その二択の選択に迷い、バンバンらに聞いてみてみる事に。「折角だから、皆んなで遊べるよう物で遊ぼう、その方が君の方もあまりストレスを抱えないで済むし、皆んなで遊んだ方が一人より何倍も楽しくなる」バンバンはそう言って、なんだかんだで皆んなも一緒に遊ぶ事を希望したので、遊ぶ為の玩具も皆んなでわいわい盛り上がれるであろうパーティゲーム系統の玩具をそこから更に厳選していく。
「とりあえずは…決まったね。これで退屈な気分が無くなれば良いんだけど‥‥」ポツリと不安な事を溢した溢した彼女であったが、皆んなで楽しい一時を過ごした事で抱えている不安とストレスが消えればそれで、もう良い。
その様子を…気配を消しながらずっーと一切目を離すこと無く、監視を続けるハピープティら達‥
「はあ、もう‥つまらないなあー、何であの女の子…あんな良い子にして言いつけ守っても下手に手を出さないであの子だけは何としても生かしておけってパパから言われたから、別に良いんだけどさー、なんか面白みがない‥ 」
「良いじゃん、私達が守るべきは……もう分かってるでしょ?それに急に死なれたらそれこそ、パパから怒られちゃうし、私達が任されてるこれは、実験の準備が全て整うまでの大事な使命なんだから」こそこそと、レイラ達がいる密室から離れた付近のエリアで話し声が響く。
もう、その声の正体は分かってると思うけど、『ハピープティ』と『セノアドル』だ。彼女らの監視の使命は……来るべき時が来るその時まで終える事は出来ない‥‥。
「そういえば、我々とは別種として生まれたというあの者達は何やら気性が荒く凶暴性が極めて
高いと……人間に対して牙を向ける者が多いと情報を得ていたが、それにしては……何者も襲ってこようとはしてこないな」シェリフはそう、ふと思い出して言った。
「ああ、狂暴な性格で敵対意識能力も高い、ある意味…元々の目的とは真逆で失敗作…欠陥と呼ぶべき存在のように思えるよ」バンバンは遠回しにまるでプティ達を憐れむような……そんな発言をした。
「うん…、何だか怖いね、狂暴な子達って聞いてたから、こんなに静かだと逆に気持ち悪いくらい 」彼女もまた別タイプのマスコットモンスターが聞いてた全く真逆の印象でしか今のところはないが為に、思わずちょっと困惑の気持ちを隠せない。狂暴さが静まり返って、逆にそれが別の意味で異様さを放っており、癒されていた心がまた不安に包まれそうだ。
「じゃ、じゃあとりあえず遊ぼ」レイラがまず最初に選んだ遊びはトランプだ。これなら、これ一つで色んな遊び方を楽しめるので、大人数での娯楽には、まさに持ってこいの物。他には…ジェンガ、積み木…又は積み木を利用したちょっとした教育用玩具までこの部屋にだけでもこんなに色んな子供の遊び道具が盛り沢山だ。
そうして、レイラ達はとりあえず、トランプで遊んでみる事に。とはいえ、バンバンらマスコットモンスターは子供と関わる事があっても、レイラの場合のように此処まで身近になって互いに接し合うなんて事はもう随分前の話で、今は廃れた……そもそも幼稚園としてまともに機能しているのかも不明なぐらい。
だから正直のところ、レイラのような幼い子供に対してどのようにして接すれば良いのか、実のところはあまり深くは理解できていない。
「ふふ、楽しい!」レイラは微笑みを溢す。不安な気持ちに押さえつけられていたけど、でもやっぱりビターギグルやバンバンなどの安心できる存在がすぐ傍にいる事で、不安が一時的に吹っ切れ、微笑みが不意に出る程にまで落ち着きと、安堵の感情がほんのり安定してきたように思える。「地下に降りてきてから、顔が曇ってる事が多かったけど、少しでも気持ちが晴れてきたのなら良かったよ、まあそれでも監視されてる恐怖があってその不安全ては消えづらい状況なのには変わりないけど、君の傍には、俺たちが居るから」
バンバンがそう言うと、レイラはホッとして、『ありがとう』……そうバンバンにお礼を言うのかと思ったが、彼女はビターギグルの方へ行き、また抱きついた。
「……?、おや?どうしたの‥?レイラさん」ビターギグルは戸惑う。自分に対して子供の方から、懐かれて、好かれているという事を上手く認識、理解ができず、こういった行為をされた事がないから余計にどうしたら良いのか、そんな事を思ったのか、じっ…と行動に迷ったビターギグルはバンバンの方を見て、言葉を求める。
ビターギグルに抱きついたレイラはぎゅっとハグをしたまま、離れようとしない。寧ろ幸せそうな声を漏らしていた、「ふふっ、ふにゅ〜……」少女らしさが溢れた、子供の甘え声を…その様子を傍で見ていたバンバンは、「どうやら、彼女はよっぽど君の事を好いてるようだね、そんなに甘えられてるって事は…でもそれは逆にこれまで…愛情を満足に貰えてなかった、その証拠にもなる、子供でそんな頻繁に甘えているのは…愛情に飢えているという事も意味すると聞く」バンバンはそうビターギグルに言葉をかけた。
「幼い少女が…しかもこんな小さい子供なのにろくな愛情も知らないで此処まで生きてきたというのか。はあ、何故人間は何故子供のような幼い命を持っているのには変わらない筈だ、何と非情な」スティンガーフリンはやたら人間…特に 大人に対しては強い妬みや偏った感情、強い険悪感を冷酷な態度を徹しているようで、その一方で幼い子供や園児などには優しさのある接し方をする。
前提として、バンバンやビターギグルらは全てこのバンバン幼稚園の属している人間によって人工的に大掛かりな実験を経て、生成、誕生したマスコットモンスターと言っても過言ではない。
しかも、実験の過程で成果があまり良くないのであれば、問答無用でそれらに関わった人間の判断と都合により、地上階から奈落の底行き……このような粗末な扱いを受けている者も居て、だからスティンガーフリンのように人間に対して恨みや険悪感などを抱いてるマスコットモンスターも中にはいる……という訳だ。
「ああ、それに彼らに何かを問いただしても変に誤魔化されて、挙げ句の果てには逃げられる…妙なプライドを持って居て、彼ら程厄介な人間は居ないよ」バンバンはぼやいた。
「ふふ、ははっ…!」レイラは幸せそうな笑い声を零した。ビターギグルに甘え出してから一向に離れようとしない。
「ギグル、まさかそんなに人間の子供から好かれるになったなんてな、まあお前は人をジョークで笑わせるのが取り柄のヤツだ、だからこそなのかもしれないな、しかもその子供は女性…きっと女王様が今のお前のその光景を見て居たら…嫉妬でもされそうだ」トードスターは若干羨ましい‥そんな気持ちをひっそり滲ませながらそう言った。
「ふふっ 」
レイラはまだビターギグルに夢中のようで‥‥と、此処で、彼女とビターギグルの今の様子と、レイラの感じからして…もしかしてと、ふと一つの疑惑が過った。その疑惑というのは……「これが
正しいかは分からないが、もしかすると宮廷道化師、恐らくだけど‥君は彼女にとって親ように安心感を得られる‥だから、彼女は君の事…親として認識し始めてきたのかもしれないね、ただ懐いてて、その性質も幼い年齢の子供の特性的なものというだけの可能性もあるけど」「え…!?、私の事…を?」ビターギグルはまさかの言葉で反応に困ってる様子。
「まあ、これはあくまでも一つの可能性として、だから。だから、ほんとはどうかは分からないよ」不確定な事で、勿論それで真実かも不明なので、どうかはどうにも分からないが、しかし‥それにしても急にビターギグルに、より甘えるようになったのは、一体何がきっかけだったのだろうか、その理由ガ何にも見当がつかない。
そうして、とりあえず脱線してしまってたままだったから、また皆んなで遊びの時間を再開する。
しかし、その最中に…何か物音が突然鳴り出し始めた、更には此方に、つまりレイラ達がいる部屋に近づくように。
「ああ、もう限界だ…ずっとこんな場所に居て、絶え間ないジバニウムの痛みに耐えた、もう散々だ…!、暴れたい‥このイライラが…止まらないんだ…!」怒鳴ってるような、野太い声が響く。それは…徐々に、徐々にレイラ達の方へ。更に…「なあ、誰かそこに居るのは分かってる、相手をしろ…この……残念な失敗作の俺らのさ…!」と狂暴さがもう聞こえてきた声を聞いただけでも安易に想像が出来てしまう、そんな風で‥荒ぶった声をその声の主は上げた。
凶暴性の高い問題児が此処には多く潜んでいる事はもうとっくに皆んな知っては居たが…、まさかそれが本当に現実に…そんな油断が生じてしまったのは、【ハピープティ】と【セノアドル】の前例があったからだ。
ある程度は情報を得てはいたものの、目立って凶暴性が高く、攻撃的な様子でもなかった‥しかし、今目の前に差し迫っているであろう声の主のマスコットモンスターは明らかに凶暴的な事がすぐに理解できた。
「え、え…!?、い、一体‥‥何が…」レイラは怖くなって、ビターギグルの後ろに隠れる。
「あんな声、聞いた事がない…知ってる奴らじゃないとなると‥残された可能性は…… 」
「我々とは別タイプのcase No.の……つまりは我々の子供と……そう呼ばれる存在の‥‥あの子猫ちゃんの仲間の存在‥‥か、まあ考えられるとすれば、その可能性しか無いだろうな、何せ此処は全く別の施設‥ならそうとしか思えない」バンバンとトードスターはそう、ひそひそ声で互いに話し合う。
ドアが叩かれる音は次第に大きく、激しくなり‥この重々しい扉でさえ、壊れてしまいそうな程にかなり強い力でドアを叩いて、此方に開けるように命じてきた。
「え……?これって…開けた方が良いの‥?」レイラは戸惑う。「いや、開けない方が良い。きっと開けてしまったら侵入を許して入って来てしまう‥それにあの感じだと間違いなく俺たちを襲ってくる。だから彼らの要求には応じないでそのまま言う事に耳を傾けないで、無視しておいて」バンバンはレイラにそうアドバイスをした。
味方や良心的なマスコットモンスターでは無い事は聞こえてくる声の雰囲気からも大体は予想がつく。凶暴的で、此方にも敵意を向け‥剥き出しにしているのも…だから万が一この重々しい扉を開けて侵入を許してしまった場合……『やられる』のは目に見えている。
「で、でも……どうしたら良いの‥!?、ずっと外に居る子達‥ドアを叩いたりして、無理矢理でも入って来ようとしてるみたいだよ…!?」レイラは強くなる殴打の音に、パニックになって、迫り来ている危機に、ずっとどうしたら良いか……愈々分からなくなって居る。「と、とりあえず…、何としても入らせないようにしないと…! 」ビターギグルは侵入者を防御する為の物が何処かに施されて無いかをあたふたしながら、見つけ出そうとするも、そんな物など何処にもなく、更には侵入者を知らせるブザーまでもが鳴り出して、余計に混乱状態が悪化……ドンッ!!、ドンッ!!とドアを殴るような音は更にまた強さが増して……しかし、何故かそれでも凹みがあまり出ないのが不思議である。
まさかとは思うが、彼らが狂暴なのを生み出した当人に該当する為に当然熟知している…だから最初から何時かは痺れを切らして暴れるのを見越して、当初から……。と、なればこの頑丈さにもある意味頷けるが…。
「えっと‥…えっと……」
ビターギグルは何とかして守れるような彼らの侵入を妨げられる物が此処には何処にもない為にもう慌て怯える事しか出来なくなり、でも…それでも、何より怖がっているレイラに寄り添う事を選んだ。「まだ粘るとは…よっぽど我々に粘着してるらしい」トードスターは呑気にそう言うも、その一方でスティンガーフリンやバンバリーナは彼らが決して入って来られないように、ぐっッとドアを押さえ込んだ。
この緊急事態に、監視役に徹していたハピープティらは、「あ〜、遂に我慢の限界が来ちゃったかな‥‥何もせずにじっと閉じ込められてるだけじゃストレスが溜まっちゃう…まあ元から血の気が多くて危険判定をテスト過程で喰らっちゃったからあんな厳重な檻に保管される事になってるんだけど‥‥あ〜……あの子達が死んじゃわないか心配…彼ら、怒ってる状態の時が一番歯止めが効かなくなるから、ただでさえ‥大人しくさせるの大変なのに… 」ハピープティがこう言っている一方で、
「ど、どうしよう……あんなに苛立ってるなんて、もしかして何かまた変な性質があるジバニウムを入れられてるのかな……幾ら元々が凶暴だからってあんなには…」と異常さを感じ取ったセノアドル。それに彼女らと今レイラ達の前に立ちはだかろうとしているマスコットモンスターは全員、実はcaseナンバーが00〜と羅列されている者達で、同種…つまりは仲間である事が分かる。
普段より更に狂暴化して居る事に疑念を持ち、何処かおかしい……まあハピープティらの種のジバニウムマスコットモンスターはそもそもとして問題児が多いとは何度も説明しているから、もうお分かりだろう。
しかし…今、凶暴化しているこの状況は……それにはまた別の理由があるんじゃないかとという可能性を指摘したセノアドル。
「まあ、ほら怒りっぽくて人間とかに対して敵意を持ってる奴らなんて私たちの種の場合は別に珍しくもないし、そのせいで危うく、私たちもやられかけた事が何度もあるの、覚えてるでしょ?それに何れは落ち着くでしょ 」と何も気にしてなさそうなプティ。
元々が狂暴で危害を加える可能性レベルがかなり高く、要注意して研究者らさえも、扱っていたのを全て彼女らは知ってるからなのか、今更そんなに騒ぐ必要なんてないでしょ……と言うように見慣れた光景だと、認識しているハピープティにとってはそこまで異常とも思わない様子…。
監視役にじっーと視線を送られながら、更には目の前にゆっくりと差し迫って来ている、『何か』に怯えるレイラ達‥…「頑丈な扉でも、こんなに大きな衝撃が伝わってしまっているとは…」スティンガーフリンが扉を一点に見つめていると、厳重な施錠機能が効かなくなってきて、ボタンが誤作動を起こしてしまい、絶対に入られないと思っていた厳重な扉が意図も簡単に開いてしまうい、扉の前で怒鳴っていたあのマスコットモンスターらがウジャウジャと入ってきて、
「やっと…会えた…ははっ!!、やっとあの狭い部屋からに抜け出せて最高だ、お前が……あのお方が言っていた、人間か……会うのを楽しみにしてた……」ホオジロザメのマスコットモンスターは鋭いナイフを片手に持って高らかに不気味な笑い声を上げた。
その背後には赤く目を光らせた……明らかに凶暴さが一目で分かってしまうくらいに、不気味なマスコットモンスターらが…。
「ど、どうしよう……入ってきちゃったよ……!!?」レイラは恐怖で後退り、「下がってて、前に出たら危ないよ」ビターギグルはレイラを守るようにして、手を引っ張り、一緒に後ろの方に退避。
そうして、凶暴なマスコットモンスターらはレイラ達を目掛けて襲いかかってくる。
「きゃあっ!!」
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とっても面白い 小説でした次も楽しみにしてます