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それぞれ部屋から出て行った3人にやれやれと首を振る。
僕の後ろに隠れていたトラゾーさんのあの幸せに満ちた表情。
照れくさそうな恥ずかしげな、嬉しいような。
そんな顔をしていた。
2人に見せてあげられなかったのは残念だが、寧ろ見せなくて良かったと思う。
あの顔は誰が見てもヤバい。
世に出して他人なんぞに見せたらあの2人、その人間を地の底まで追いかけてでも消し去りそうだ。
「ぺいんとさんの部屋でよかった」
もし、あの顔を見ていたらあの2人のことだから容易に僕からトラゾーさんを引き剥がして彼の部屋へ連れ去っていたことだろう。
さっきは不意を突かれて逃げられているけど。
「まぁ、お幸せに?いや、ぺいんとさんとクロノアさんは爆発しろか?」
どこか遠くでトラゾーさんの叫び声が聞こえた。
思ったより早い。
どちらに捕まったのかは分からないが、すぐにどっちかが合流することだろう。
「トラゾーさん、慰めはしますから…。今はご愁傷様です…」
手を合わせて今頃、涙目になってるであろう彼に念を送るのだった。