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😋side
翌朝の楽屋。
ゆうまくんはやけに静かだった。
いつもなら誰かに一言二言軽口を叩いてから席に着くのに 今日は挨拶だけしてバッグを置いて黙って台本を読んでる。
fmy(……ああ)
わかりやすい。
俺はコーヒーを片手に何でもない顔で隣に座った。
fmy「おはよ」
ym「……おはよ」
視線が合わない。
首元、ほんのり赤い。
声は、少し低い。
全部昨日の名残。
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fmy「ねえゆうまくん」
小声で呼ぶと肩がびくっと跳ねる。
ym「な、なに」
fmy「声、出してないよね?」
一瞬固まる。
ym「……っ」
fmy「大丈夫」
くすっと笑ってさらに低く続ける。
fmy「ちゃんと約束守ってたの知ってるから」
ゆうまくんは耳まで真っ赤にして俺を睨んだ。
ym「……そういうのやめて」
fmy「何が?」
ym「朝から……」
その反応がもう答え。
fmy(可愛い)
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メンバーが集まってくると空気が一気に“いつも通り”になる。
hrk「なんか今日ゆうまくん大人しくないですか?」
hd「昨日の予想大会のせいじゃない?笑」
誰かが言ってみんなが笑う。
ゆうまくんは曖昧に笑って誤魔化す。
——誤魔化せてると思ってるのは本人だけだ。
fmy「ねえ」
ym「?」
fmy「ゆうまくん昨日ちゃんと寝れた?」
俺がそう聞くと場の空気が一瞬止まる。
ym「……うん、まあ」
fmy「ふーん」
それ以上何も言わない。
言わなくても全部伝わる。
ゆうまくんの膝がほんの少しだけ俺の方に寄った。
fmy(はい、正解)
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リハの合間、廊下。
誰もいないのを確認してから俺は立ち止まる。
fmy「ゆうまくん」
ym「……なに」
fmy「昨日さ」
距離を詰めると自然と壁際に追い込まれる。
fmy「ちゃんと覚えてる?」
ym「……覚えてる」
fmy「どこまで?」
意地悪だってわかってる。
でもやめられない。
ym「……途中まで」
fmy「途中?」
耳元で囁く。
fmy「俺がどんな声で名前呼んだかも?」
ym「……っ、ふみや」
その名前の呼び方。
fmy(ああ、これ)
俺だけが引き出せるやつ。
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fmy「安心して」
ym「……」
fmy「ここでは何もしない」
そう言って指先で顎を軽く上げる。
fmy「でもさ」
ym「……」
fmy「みんながまだ勘違いしてるの楽しくない?」
ゆうまくんは観念したみたいに小さく息を吐いた。
ym「……性格悪」
fmy「昨日から言ってるでしょ」
笑って、最後に一言。
fmy「でも、俺の猫ちゃんは」
「今日もちゃんと、俺のだ」
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その日の終わり。
メンバーが帰り支度を始める中、 ゆうまくんは無言で俺の袖を引いた。
ym「……今日」
fmy「うん」
ym「早く帰ろ」
上目遣い。
小さな声。
——ああ、はいはい。
予想大会の答えは 今日も明日も 俺たちだけのまま。
fmy「了解」
そう返して俺はゆうまくんの手を握った。
誰にも見えないところで、しっかりと。