テラーノベル
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君は白鳥になったらしい。
君の誕生日に、君は俺の元から飛び立ってしまった。
「どうして」
「俺はどうすれば良かった」
なんて考えを繰り返して。
何回だって飽きることなく答えを見つけようとして。
でも一回だってその答えが出たことは無かった。
君がいて、俺がいて、君の誕生日_2月4日を迎えられたなら。
今までの感謝とこれからのことを伝えたかった。
いつも通りの笑顔を向けてほしかった。
本当に君が白鳥になってしまったのなら、今度は俺の誕生日にでも戻って来てくれよ。
その時はきっちり叱った後で思い切り抱き締めるから。
君がいるというあの安心感をくれ。
また色々な表情を見せてくれ。
「もう離さない」って伝えさせてくれ。
…こんな事はもう叶わないのか。
「俺は、あいつを守れなかった…」
大切な者すら守れない”最強”に一体何の意味があるのか。
守れなかったのは俺なのだ。
俺なんだ。
それでも
願う権利があるとするならば、
もう一度、
「君に____。」
そんな事を
完成してしまった自分のタトゥーを見つめ、
ぼんやりと呟く俺は
やはり間違っているだろうか。
コメント
2件
〈解説のようなもの〉 白鳥は冬を日本で越し、2月頃に旅立つと言われています。 四季くんの誕生日は2月4日、無陀野さんの誕生日は12月31日なんで白鳥要素を入れてみました。
静かで、それでいて重く沈むような喪失感がよく描かれていますね。「白鳥になった」という寓話的な表現が、現実の死別を直接書くよりかえって情感を深めている。2月4日の誕生日、完成してしまったタトゥー、空白の「君に____。」——ここに何が入るのかを読者に委ねる構成が巧い。第1話として、語らないことで想像を広げさせる導入だと思います。
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