テラーノベル
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⚠️【死ネタ】
仁と喧嘩した、しょうもない事だってのは
覚えてる…
でも、俺から謝るのは…なんか…嫌で
ぶっちゃけ事務所での空気も気まずいし
さっさと謝りたい…おっさんからも
視線から「早く謝れ」と伝わってくる
分かってる…けど……うまく、口に出せない
今日だって依頼が無ければ来てなかった
最近話題になっている銃撃犯
今、30人の人が怪我をしている…でも、死者はまだ、出ていない
仁ともその事件で喧嘩したんだよな…
信頼…されてないってのは分かってる
おっさんと違って年が違うから
どんなに取り繕っても…年月にはかなわない
それが…悔しい……
仲間として見てほしい…足を引っ張ってもそばにいてほしいって思うのは
傲慢なのか?
今日、その犯人が見つかった。
逃げているところを俺が追って、おっさん達に位置を教える
いつもの事だった…
でも、そのときの俺は、仁との事もあって
調子が良くなかった…
ボッーってしてた…だから……気づかなかった
犯人が銃を持っていることに
目が覚めたら…仁が隣にいた
仁「馬鹿が、油断するなって言っただろ」
俺を引っ張って助けてくれたのだ
あぁ…まただ……また、足を引っ張ってしまった。
そういえば避けた銃の玉はどこにいったのか
気になり後ろを見ると…
運転の荒い車があった。
見た瞬間分かった
俺が避けた玉は車のタイヤに当たりパンクを起こしたのだと
近くには人があまりいなかった…でも……
車の先には女性がいた
距離的には遠い…でも……スピードの出る車では
近い……
俺の腕を押さえている仁の手を振りほどいて俺は、走った。
こんな役立たずでも…役に立ちたい……
仁の顔に泥を塗りたくない……だから…
ここで死ねるなら…本望だと思った。
女性は近づいてくる車に怯えてお腹を守るようにしてうずくまっていた
俺は、そんな女性に覆い被さった。
押しても良かった…でも……その人妊婦でさ
押して…怪我したら良くないだろ?
俺が身代わりになれば良いだけだから…
痛いだとか…怖いだとか……今は良い
仁の邪魔にさえならなければ良かった…
瑠「ごめん……」
誰に対して言ったのだろう?
迷惑かけた仁に対して?巻き込んでしまった妊婦に対して?早く仲直りしろって言ってくれたおっさんに対して?
分からない…でも……多分全部だと思う
俺のせいで…ごめんなさい
鈍い…音がした……今まで…聞いたことのない音
視界は白く滲んでいた。
空と血しか…見えない……
痛い…苦しい……
ちーず
62
10
遠くから…仁の声がした……うまく聞き取れなかったけど…
おっさんの声もする…女性の声も
良かった…あの人は無事だったんだ……
赤ちゃん…も………幸せ…に……なっ…て…
ほし…い………な……
なんとなく…分かってた、ここで死ぬんだと
仁の声もおっさんの声も遠ざかっていく中
言えたのか分からないけど…伝えたかった
最後に…1つだけ…
「ありがとう」って
ーーーー
仁視点
瑠衣と喧嘩した今話題の銃撃犯について
あいつはいつも無茶をする…それで、怪我して…俺がどんだけ心配してると思ってる…
お前が良くても…周りは辛いんだ……瑠衣には笑っていてほしい
明るくて、綺麗な瑠衣には生きて…笑っていてほしい
無茶をしないでほしい
銃撃犯の追跡だってあと少しで危ないところだった。
仁「馬鹿が、油断するなって言っただろ」
助けた瑠衣は暗い顔をしていた。
どうせ、いつものしょうもない事で悩んでいるんだと思った。
そう考えていると瑠衣は俺の腕をほどいて
険しい顔で犯人とは反対の方に走っていった。
その方向を見るとパンクした車の先に妊婦がいた
その瞬間嫌でも分かった…瑠衣がしようとしていることを
仁「瑠衣!!」
俺の声は…瑠衣には届かなかった。
犯人を追うか…瑠衣を止めるか……考えたが俺は、犯人を追うことにした…
瑠衣なら…大丈夫だと……
自分に言い聞かせた…
犯人は案外あっさりと捕まった。
近くの柱に固定して瑠衣の方に走っていく
ついた時には…遅かった。
頭から血が出ていて体はガラスが突き刺さっていた。
アザも…沢山あった
妊婦は近くで怯えていた見たところ目立った怪我は無かった
瑠衣を抱き起こして名前を呼ぶ
おっさんがいつ来たかだなんて…覚えていない
気づいたら…いて……妊婦の近くにいて……
わからない…ただ……俺が間違えたことだけは分かった
判断を…間違えた……
冷たい体を抱き締める……震える声で名前を呼び続ける。
瑠衣は……そんな俺の声を聞いて目を覚ました
小さい声で…
瑠「ありがとう」
って、言った。
なにに対して?
俺は、お前を守れなかった。なにも出来なかったのに…なんで……
なぁ…説明してくれ……
開けた目に…光は灯っていなかった……
冷たい体…光のない目……動かない体…
嫌ってほど…突きつけられる……
現実は…いつも……残酷だ…
まだ…謝ってないだろ……
来週…サトルと出かけるんだろ?
新しく出来るハンバーガー屋に行くんだろ?
なぁ…まだ…まだ……やることあるんだろ?
頼むから…お願いだから……目を開けてくれ
死なないでくれ…俺をおいて逝かないでくれ
一人にしないで…
これ以上……
俺から…なにも奪わないでくれ……
コメント
4件
ううう泣く 神作品次回も絶対読みます
推しの不幸も幸せもオタクの栄養です。
第14話、読み終わりました…。瑠衣の「役に立ちたい」という一心の行動が、あまりにも切なくて。仁の「俺からなにも奪わないでくれ」という叫びに、胸が締め付けられました。喧嘩したまま、謝れなかった後悔も重なって、本当にやりきれない。でも、最後に「ありがとう」と伝えられた瑠衣の優しさが、仁にも読者にも刺さりました。お互いを想い合っていたのに、すれ違ったままの結末が辛いです…。