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「気をつけ、礼」
「さようなら〜」
「さよならー!」
「じゃぁな〜」
終礼が終わり、放課後。
放課後はいむちゃんと部活見学に行く予定だ。
「いむちゃん、うちちょっと先生に用があるからここで待っとってや!」
「わかった〜!」
「じゃあ、りうらは生徒会のお仕事に行ってきます」
「りうちゃん頑張ってー!他のみんなにも頑張れって伝えといて」
「うわ、ほとけっちが頑張れって言ってたって言ったらまろが死ぬほど喜んじゃうよ」
「?」
いむちゃん…わかっとらんなぁ。
ま、ええけどな!!いむちゃんがまろちゃんだけのものになるんいややもんうち。
うちだっていむちゃんと仲良くしたいしもっと仲良くなりたいもん。
「じゃ、待っとってないむちゃん」
「はーい!ここでまっときます」
りょうかーいっと敬礼のポーズをしたいむちゃんを教室に残して職員室に向かった。
*
(しょーちゃん行っちゃった…)
転校初日にしては上出来ではないだろうか。
誰も知り合いがいなかったこの学校に転校することになり友達はできるだろうかと不安に思っていたが案外何とかなるもんだな、などと呑気に考えていた。
(しょーちゃんとりうちゃんはめちゃくちゃいい子で可愛いし…)
余所者の自分にも優しく接してくれるしなんか…めちゃくちゃ懐かれている。
こちらは2人のことを認知していた訳ではないのだが、2人が一方的に認知いていてくれたみたいだ。
そして、出会う前から仲良くしたいと思ってくれていたらしい。
ただ、1つ懸念点があるとすれば。
(あの5人!!!めちゃくちゃ人気高いよね!?!?)
そうなのである。
あの5人と話している時、しょーちゃんとりうちゃんと3人で話している時。
周りからの視線が怖い。怖すぎる。
周りの子達がなんかヒソヒソ話しているのも聞こえるし…なによりあの5人は全員顔がいい。
死ぬほどいい。
(こんな新参者が仲良くしていい相手じゃないって…!!!)
なんといっても生徒会長に生徒会副会長、生徒会書記にバスケ部部長に、チア部のエースなのだ。
(こんな田舎娘の特別可愛い訳でもない僕が仲良くしていい面子じゃないよぉ…!!)
「あ、あの水上さん!」
「?」
この子誰だ??この教室にいるということは一応クラスメイトなのだろう。
「もしよかったら放課後俺たちと遊ばない?白崎さんとか赤羽さんとか誘って…」
ははーん、この男子しょーちゃんとりうちゃん狙いだな!?
でも残念、生憎しょーちゃんもりうちゃんも今日は放課後予定が入ってるのだ。
「水上さんと遊ぶの!?なら私達も!」
ん??
「え、男子ずるいわ!私も私も!!」
え????
「はぁ!?なら俺も!!」
いやいや、僕遊ぶなんて言ってないんだけど!?
「いや俺らだけで遊ぶんだけど!?」
「はぁ!?なんでよ!私達も混ぜなさいよ!」
「そーよそーよ!!」
「あ、あの…」
「ほら水上さんが困ってるじゃない!」
いや、男子だけじゃなくて皆が話聞いてくれなくて困ってるんだけど!?
「水上さんだって俺らと遊びたいよね?」
「いやいや、女子同士で遊ぶ方が楽しいわよね水上さん!」
「あ、ゃ、え?」
(う…助けてしょーちゃーーん!!!!!)
*
(あの先生話長いねん…!いむちゃん待たせてもうたやん!)
職員室での用事を済ませて急ぎ足で教室に向かう。
「いむちゃーーーん遅れて、え?」
教室に入った瞬間うちの目に飛び込んできたのは、20人近くのクラスメイトに囲まれて縮こまってるいむちゃんやった。
(わ、わぁ…っていむちゃんがちいかわみたいになってもうてるんやけど!?)
「ぅ、しょーーちゃぁぁぁぁん」
「お、待たせてもうてごめんないむちゃーん!!泣かんといてやぁ…」
「僕泣いてないよ!?」
「なんやねん」
いむちゃんとクラスメイトの様子からなんとなーく状況を把握した。
「あー、ごめんな皆。今日うちといむちゃん放課後予定あるから」
「あら、それは残念。ごめんね、水上さん!!」
「多人数で囲っちゃってごめんなさい!!」
「俺らもごめん…」
「水上さんとお近付きになりたくて…」
「おい、ばか!それは言うなって!」
「やっぱり下心じゃない!!」
「う、うるせー!!」
「このクラス仲良いんだね…」
すっかり疲弊しきった様子でいむちゃんがそう言った。
「ん〜、確かに仲ええかもな」
「いむちゃん、うちがおらんかった間どーなってたん?」
「なんか、男の子達が僕と遊びたいって言ってくれたんだけど、そしたら女の子達も遊びないって言ってくれて」
「うん」
「今日しょーちゃんと予定入ってるからって断ろうとしたんだけどちょっと断るタイミング逃しちゃって…あはは」
「いむちゃん悪ないわ、うん。」
うちのかわええいむちゃんはいむちゃんと仲良くなりたいクラスメイト達に遊びに誘われていたようだ。
「ちょっとみんなうちのかわええいむちゃん怖がらせんでくれる!?」
「うあーごめんなさい白崎さん!」
「次から気をつけるよ!ごめんな水上さん」
「怖がらせるつもりじゃなかったの…ごめんね」
「わかればええんやわかれば」
「うわ、皆そんな謝んないで!!僕気にしてないから!」
「水上さーーん!!」
「水上さん…!!」
「しょーちゃんなんでドヤ顔なの」
「いむちゃん守れたからな!」
「しょーちゃん…!!!」
うん。やっぱりいむちゃん可愛ええ。
あんなやつの彼女にしてたまるか。
うちはより一層その決意を固くした。
「よーし、ほな部活見学行こか!」
「れっつごー!」
*
「もう無理…まろもう無理ぃぃぃ」
「あとちょっとだから頑張ってまろ〜」
ないこたん無慈悲。まろもう頑張ってるだろ!!
「やだ!!!!ほとけは!?」
「しょーちゃんと部活見学中」
「なんでなのぉぉぉぉぉまろのほとけなのにぃぃぃぃぃ」
せっかくほとけと同じ学校になって1日中一緒にいられると思ったのにクラスは違うし初兎とりうらにほとけは取られるし。
まろもうつらいです。病む。
「まだでしょ」
ないこが呆れたように言ってくる。
「まろ、さすがにちょっとキモイかも」
「ないこたんには言われたくない」
「えっ」
「いや、でもまろも大概キモイよ」
「うるせーー!」
「りうらに向かってうるさいとはなんですか!」
「ないくんはりうらの親なの!?」
「ないこはりうらのなんなんだ…」
「お兄ちゃんです!!!」
「もーー違うってば!!」
「なんでだよりうらぁぁぁぁぁぁ」
ほら、ないこたんもきもいやん。
「はー…もうやだ生徒会やめよっかな…」
「!?!?りうら!?!?」
「だってなんで同じような男2人相手しなきゃいけないんだよ〜!2人ともキモイ!!嫌われちゃえ!」
「グサッ」
「ぐえっ」
りうらの最後の一言が刺さった。
というかりうらはないこのこと好きなんやないの!?
結構というかかなり毒舌やけど…
ちらっと隣のないこの方を見ると目を輝かせてりうらの方を見ていた。
(あ、これ関わっちゃあかんやつや…)
たぶんないこはドMなのだろう。
好きなひとに毒吐かれて喜んでるんだからドMだ。ドMに違いない。
「ほとけ何部に入るんやろな〜」
慌てて話題を変えた。
「え〜、バトン部とか?」
「ほとけっち可愛いもんね」
「ま、まろのほとけなんでね〜」
りうらとないこが呆れたようにこっちを見てきた。いいやろ別に。絶対ほとけと付き合うんやから。
「おつかれーー!!!」
「おつかれさまーーーー!!」
そう言ってほとけと初兎が生徒会室に入ってきた。
「ほとけ!!!」
「いふくんお疲れ様!」
天使。天使おった。たぶんこっから50時間くらいぶっ通しで仕事できる。
「よし、まろ頑張る」
「?」
「しょーちゃんとほとけっちおかえり!」
「ただいま〜」
「りうちゃんもお疲れ様〜」
「なに入るか決めた?」
「よくぞ聞いてくれたなないちゃん!」
「ん?」
「いむちゃんな、なんでもできるんよ!」
「お?」
「え、そうなの?」
「そんなんなんに?」
「いふくん失礼!!!」
「ごめんて」
怒ってるほとけもめちゃくちゃ可愛ええ…
「バスケもバドもテニスも料理もできるんよ!!」
「いやいや、しょーちゃん大袈裟だって…」
「え〜ほとけっちすごいね!」
「運動神経いいんだねほとけっち」
「さすがほとけやん!」
「ふふーん」
大袈裟だなんて言いながらも褒められたのは嬉しかったのだろう。
アホ毛がぴょこぴょこしとって死ぬほど可愛ええ。ほんま好きや。
「そんでな?めちゃくちゃ悩んどったんよ、いむちゃん何部に入るか。で、さっき決めたんやけど!」
「僕、チア部に入りまーす!!!」
「えー!!いいじゃん」
「しょーちゃんと同じ部活にしたんだね?」
「そう!僕前の学校でチア部入ってたの!」
「えめっちゃぽい」
「似合いそうやもんなほとけ」
本音を言ってしまえば俺以外の男子をほとけが応援するなんて嫌だ。
でも、ほとけのやりたいことを制限するのは違うだろう。
「みんなお疲れ〜」
「!悠くん!!」
「ほとけお前めっちゃ運動神経ええんやな!?びっくりしたわ」
「ま、いむちゃんやからな」
「なんで初兎がドヤ顔してんねん」
「にこいちやからうちら!な!」
「ね!」
「えしょーちゃんずるい!!」
「りうちゃんは妹だね!」
「えなんでりうら俺がお兄ちゃんって言ったら嫌がるのにほとけっちと初兎ちゃんは嫌がらないの!?」
「だってないくんキモいじゃん」
「ぇ…泣くよ俺?」
「ふんっ」
「まろぉぉぉぉあにきぃぃぃぃ」
「うぇっほんまに泣くなや!」
「なんで泣いとるんww」
「うぇーーーーんw」
「笑うな笑うなお前が始めたんやから最後までやれや!w」
「ちょ、あかんw」
「馬鹿な男子共は置いて帰るか」
「そうだね」
「え?う、うん」