テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
85
アラームを止めない限り目覚まし時計は鳴り止まない。
目覚まし時計を止め、ベッドから起き上がった。
この布擦れの音が嫌いだ。
朝はあなたに会うし、夜は次の日あなたと会うから。
鏡の前で髪を整える。
私は鏡が嫌いだ。
鏡越しに映る自分の姿が、全てを見透かされてるみたいで恐怖心を煽られる。
もう全てが嫌いだ。
…一つを除いて。
『ガチャ…』
コメント
1件
あきなさん、第3話読了しました。朝の「布擦れの音」が嫌いで、鏡も嫌いで、もう全部嫌い——なのに「一つを除いて」で終わるこの余白、すごく好きです。嫌いなものばかり並べて、最後にたったひとつだけ残すその対比が、逆にその“好き”の大きさを浮かび上がらせてくる。ドアの開く音の向こうに、誰が立っているのか想像するだけで胸がぎゅっとなりました。次が待ち遠しいです。