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こんな行為を知らない私は、驚いて声を漏らす。
同時に、硬く漲ったモノに圧迫され、擦られるのが気持ち良くて艶冶な息を吐いた。
「こうすれば子を孕む危険もなく、純潔を汚す事もない」
アルフォンス様は少し呼吸を乱しながら言い、タンッタンッと音を立てて腰を打ち付けてくる。
「気持ち……っ、なら、い、ぃ……っ、の、です、が……っ」
秘所では先ほど刺激を受けた肉芽が、張り詰めたように充血して勃起しているのが分かった。
それが圧倒的に大きくて太い肉棒に擦られるのだから、一擦りごとに凄まじい快楽が私を襲ってくる。
陰唇は何かを欲しがるようにヒクつき、ズリュッと擦られるたびに蜜壷がきつく収斂した。
――気持ちいい……っ!
私はトロンとした表情でこの行為を甘受し、凄まじい色気を放つアルフォンス様を見つめる。
(……私、こんなに素敵な方に求められているんだ。アルフォンス様は、レティじゃなくて私を求めてくださっている)
罪深い事に、私はそう思う事でいまだかつてない幸福感を味わっていた。
そんな自分が浅ましく、彼に愛されて嬉しいのに涙を流してしまう。
「う……っ、うぅ……っ」
小さく嗚咽し始めると、アルフォンス様はハッとして動きを止める。
「どうした? 痛かったか?」
尋ねられ、私はかぶりを振る。
「違うんです……っ、続けて。愛されていると実感させてください」
そう言うと、アルフォンス様は微妙な表情ながらも、再度腰を動かし始めた。
「気持ちいいです……っ、もっと……っ」
私は彼が遠慮してしまわないように、素直に快楽を表す。
アルフォンス様はそんな私を心配そうに見ていたけれど、途中から迷いを断ち切ったように表情を引き締め、本格的に腰を振った。
「んっ、あぁっ、……あぁあんっ」
私もなるべく雑念に惑わされないよう、目を閉じて官能に集中する。
擦れ合う場所が熱を持ち、ヌルヌルした粘液によって、繊細な器官は痛みを感じる事なく淫悦を得ている。
(こんなに幸せな気持ちになれる事は、そうないんだから)
私は自分に言い聞かせ、「はぁ……っ」と無意識に止めていた息を吐いた。
アルフォンス様の腰の動きは速まり、打擲音の間隔が狭まる。
「はぁ……っ、はぁっ、はぁっ」
どちらともつかない呼吸音が重なり、寝台が軋む音が静かな室内に響く。
小さな肉粒を蹂躙された私は、何度も小さな絶頂を迎え、息も絶え絶えだ。
「う……っ」
やがてアルフォンス様はくぐもった声を漏らし、屹立の先端を押さえて胴震いした。
「あぁ……、…………ぁ…………」
疲れ切った私は彼の動きが止まった事で、行為の終わりを知る。
ボーッとしながらアルフォンス様を見ていると、彼は背中を丸めたまま絶頂の残滓に酔いしれているようだった。
「……すまない。少し席を外す」
少ししてから彼はそう言うと、寝台を下りて続き部屋に向かう。
全身を火照らせた私は荒くなった呼吸を整えながら、目を閉じて幸せな気だるさに身を任せた。
ほどなくして手を洗ったアルフォンス様が現れ、私たちが休憩している間に、浴室ではお湯の準備がされているようだった。
寝台の上、彼は様々な形のクッションを重ねて背中を預け、膝の上に私を横抱きする。
「嫌じゃなかったか?」
「とても気持ち良かったです」
彼に問われ、私は恥じらいながら素直に返事をする。
「しかしさっきは……」
行為の途中に泣いてしまった事を指摘され、私は苦く笑って説明する。
「アルフォンス様に愛されて嬉しいと感じる反面、あなたがレティではなく私を選んでくれた事を喜ぶ自分に、呆れてしまったのです」
説明すると、彼は納得すると共に安堵したらしい。
アルフォンス様は少し緊張させていた表情を緩め、私の髪を撫でながら言う。
「俺に愛される覚悟を持ってほしい。俺が望んだのはフェリだ。この恋愛は俺たち二人の問題であり、いくら双子であっても彼女を気にする必要はない。他人を気にして自分の幸せを手放しては駄目だ」
「……その通りですね」
どんなに気持ちが揺らいでも、彼の力強い言葉を聞くと「大丈夫なのでは……」と思える。
「帰国したら、頃合いを見計らって求婚された事を家族に話そうと思います」
「そうしてくれ。俺のほうも正式に議会で君を娶りたいと発表する」
皇族、王族の結婚は、本人たちの意志があればまかり通る訳ではない。
帝国の頂点に立つ彼は、国そのものを表す象徴でもあるし、貴族たちでしっかり話し合ったあと、合意されなければならない。
王女も政略結婚の駒として扱われる事が多く、受動的な立場だからこそ、個人の我が儘で夫を決める事はできない。
いくら〝はずれ姫〟であっても、この体に聖王陛下の血が流れているのは確かだからだ。
「しかし、少し時間がかかるかもしれない。なるべく早く承認させるつもりだが、父上の問題があって……」
彼の言葉を聞き、私は退位した先帝陛下を思い出す。
「何か問題が?」
そっと尋ねると、アルフォンス様は私の髪を弄びながら、溜め息混じりに言った。
「聞いた事はないか? 帝国には皇帝が代々受け継ぐ指輪と、魔王から授けられた力があると」
そう言って彼は、右手の中指に嵌まった赤い石のついた指輪を示す。
濃い色の石は上等なルビーのようだけれど、石の中で魔力が渦巻き、炎のように揺らいでいるのが分かる。
「巨大な帝国を揶揄する噂と思っていました」
返事をしながらも不思議な指輪を見つめていると、彼は手をひっくり返した。
「強い魔力の籠もった石だから、あまり見つめないほうがいい。慣れていない者は気を持っていかれる」
思っていた以上に危険な物らしく、私は少し緊張して「はい」と頷く。
アルフォンス様は私の髪を弄りながら話を続けた。
「帝都の城の地下には巨大な魔石があり、この指輪は魔石の魔力を引き出して力を振るう。……たとえば戦争において巨大な炎を生んで敵軍を焼き尽くすとか、自分の意に沿わない者に言う事を聞かせるとか。……金銀財宝や食べ物、あらゆる物を具現化する力をも持つと言われている。数世代前の帝国では、欲に溺れきった皇帝による堕落した治世となり、力を求めて血で血を洗う争いが起こった」
「そんな……」
確かに、帝都の上空が常に曇っているのは魔王の呪いがあるからと、子供の頃から聞いていた。
けれど魔王などそう簡単に人の前に姿を現す存在ではないし、よくあるおとぎ話と思っていたのだ。