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〖涙絵〗
目が覚めた ラムネ色の空が寂しく写った
涼しげに頬を掠める風 美しい音色
ブルースターの水滴があの絵を完成に導く
〖一番〗
夏の匂い 涙のあと共に、空白のキャンバス
まだアイディアさえ湧いてこない
クレヨンで、描いてみても違うもので書いてみても 同じ物なんて書けなかった
雨玉転がす 少しの期間 心を潤すだけ
屋上へのステップ 未完成のままで
走りぬけて、飛び込んで、また同じ過ち
〖サビ〗
空からちらほら降ってくる
溢れ出して止まりやしないの
空白のキャンバス 彩っていく
あの日 涙を流していた彼女
脳裏に焼き付いていた記憶
未完成で終わった絵
人生の分岐点すら見失ったあの日のストーリー
才能なんて絵の具は持ってなかった
〖二番〗
「あなたには、造花が似合ってる」そう言われた時、目眩がした
本にも教科書にも載ってない あの日のメモリーが私を痛めつける
夜のワルツが耳を割いていく 造花が私の存在価値だった
波は、暴れて私を飲み込む そうやって過去から逃げる私のバツは、愛より残酷な結末だった
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何かを書いてみても、涼しげに頬を掠める風
篠突く雨が、私を悩ませる…
〖ラストサビ〗
空白のキャンバスを彩ってく 夏の匂いは、別れの匂いに変わった
溢れ出す滴を救い上げる
その滴に溶けていたのは、私の悔い一つだけで、醜かった
完成したのは、一つの涙絵