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ミリス
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第22話「映画が始まる」
7月18日(土曜日)
映画館の照明がゆっくりと暗くなっていく。
さっきまで聞こえていた周りの話し声も少しずつ静かになり、スクリーンに映画のタイトルが映し出された。
『夏、君に恋をした。』
陽葵はスクリーンを見つめながら、隣にいる塁を少しだけ意識していた。
画面の中では、主人公の桜が友達と訪れた海で、いつきと出会う。
青い海。
眩しい夏の空。
夕方になるにつれて、少しずつ色を変えていく空。
二人が一緒に過ごす時間が増えるにつれて、桜の中にも少しずつ特別な気持ちが芽生えていく。
陽葵は物語に夢中になりながらも、ふと隣を見る。
塁も真剣にスクリーンを見ていた。
その横顔を見た瞬間、陽葵の胸がまた少しだけドキッとする。
「……かっこいいな」
心の中でそう思って、すぐにスクリーンへ視線を戻した。
映画の中では、いつきが桜を夕日の見える場所へ連れていく。
いつき
「この景色、桜と一緒に見たかった」
桜
「……私も、いつきと見られてよかった」
二人は夕日に照らされながら、少し照れたように笑う。
そして、映画の終盤。
桜が自分の気持ちに気づき、いつきへ想いを伝える。
二人は静かな海辺で向き合い、少し緊張したように見つめ合う。
そして――
そっと距離を縮め、短いキスを交わした。
陽葵は思わず目を見開く。
「……わぁ……」
思わず小さく呟いてしまい、隣の塁がこちらを見る。
塁
「……びっくりした?笑」
陽葵
「う、うん……ちょっとだけ😂」
塁
「俺も、ちょっとびっくりした笑」
二人は小さく笑い合う。
けれど、陽葵の胸はなぜか映画を見る前よりもずっとドキドキしていた。
スクリーンでは、夕日の海を背景にエンドロールが流れ始める。
塁は画面を見つめながら、ふと思った。
――もし、いつか陽葵とこんな景色を見られたら。
そんなことを考えてしまう自分に、少しだけ照れながら。
陽葵もまた、スクリーンを見つめながら思っていた。
――私も、いつか塁くんとこんな夏の思い出を作れたらいいな。
映画が終わる。
けれど二人の夏は、まだ始まったばかりだった。
コメント
1件
第22話、めっちゃ良かった〜!!😭💕 映画の中の恋と、現実の二人の距離感がリンクしてて、胸がぎゅってなったよ…!特にキスシーンで陽葵がドキッとするところとか、塁くんが「いつか陽葵とこんな景色を」って思うところが、もうエモすぎる!!✨ 二人ともまだ自覚しきってないけど、確実にお互い意識してる感じが伝わってくる…。 夏はまだ始まったばかり、って終わり方も続きが気になりすぎるよ〜!!🌸