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「………なんかへらはらん?」


「あ?」


「間違えた間違えたwは、腹よ腹ッ…ww」

「ああ~~~…減りますね。」

「だよねぇ!?っふふ、俺トースト焼くわ」


で、陽気に立ち上がるぼんさん。やっぱ若いっすよ、あんたは。


「ドウゾドウゾ」


「MENは?」


「え。…えじゃあ俺も………トーストお願いしていいっすか」

「おけおけ。ウェルカムよウェルカム。」


せんべいはちょっと嫌味(もちろんネタ)っぽく言われたのに…。




「…Let’s!お料理タ~イム♪」

「イエーイ。」


二人でキッチンに立つ。いつかの動画ぶりだな。懐かしい。


最近貰ったという高級食パンを二枚、トースターに乗せて。

じじじじじ、とツマミを回す。


最近はもっぱらウーバー頼みの彼。…




「……ふふふふふん♪ふふふんふんふん♪」


アッ!おんおらのやつだ!


「てれれてれってれて~れ~て~れ~~♪♪」


というわけで俺も便乗してやった。

ぼんさん深夜のカラオケタイム。

これ騒音大丈夫か?大丈夫か。まあいける。


「恋をした~のあなった~の~♪」


「……………あ~……なんだっけ。」

「なんだっけなんだっけ、俺も忘れたわ。歌詞。(笑)」


「もうだめっすね、俺ら…。」

「ダメたねぇ…おっさんだね………って誰がおっさんじゃい!」


(いや否定しきれな…)


「完璧なノリツッコミだww」

「まだまだまだ、ね、まだ若いから!うちら。」

「そうっすよそうっすよ、まだ大丈夫っす、ぼんさん。」


「あと何年後に大丈夫じゃなくなるんだ…」

「……………………じゅうねんご?」


「マジ?」

「知らないです知らないですw」


「俺ぐらいの歳になると10年とかあっという間だが???」

「大丈夫です、ぼんさんはおじいちゃんになってもぼんさんなので」

「…名言じゃぁん」

「うははwww」


「でもイケおじになったMENは見てみたいなぁ~」

「…あぁ~~……………?」


「……サングラスかける?」

「え、かけないっすよ」

「…ぴえん。」

「はい。」


「急に冷たいなおいw」

「や、いろんなMENを見ていただこうという試みでございます。」

「ああ、そういうね?」

「そういうです。」



……チーン。


「おっ。」

トースターが鳴いた。擬音、文字に起こすとちょっと羞恥心クるからやめよ。



「あ~~…はは、無事(笑)焦げてる(笑)」

「ほんとだww」


覗いてみると、真ん中が焦げ茶色に変わり果てた姿のパン達が。


「まぁ…ね?中はおいしいから、中は。」

「まぁまぁまぁ、外の焦げてるとこ削ぎ落とせばいけます。えぇ。」

「そうよねそうよね」


食パンを乗せるにはでかすぎる皿にそれぞれ乗せる。こんがり(?)。


「…あ、ジャムとかねぇわ」


「もしかして……素うどんならぬ素トーストっすか?」

「素トーストって言いづらw」

「すとーすと…。うーん(笑)」


冷めないうちに。


ことり、例のちゃぶ台に二人分、例のでかい皿と例の焦げたトーストを。


「……さ。お食べ。」


時計は無情にも2時を指していた。

こんな時間にこんな炭水化物摂取したら、不健康ルートまっしぐらなんだけど。



「…いただきます。」


…ばりっ。

天然の素トーストや。



「…………おいしい?」


いつもの、少しにやけた表情で訊くぼんさん。



焦げたトーストは、苦いのにやけに美味しかった。

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