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みー
8
Codeレイ
46
†††
次の日─
他の執事達も主についてもよくなり、主も自室に戻る事になった。
すると早速、部屋のドアをノックする音が部屋に響いた。
「主様ー♪やっとローズ君から解放されて良かったですね!今日は何して遊びますか?」
主の返事を待つ事なくラムリが部屋に入って来て、主に抱きついてきた。
「解放って…そんな風に言わないで?…ね?でもラムリも寂しかったんだよね、ごめんね。」
主はそう言いながら、ラムリの背中をさすった。
「…ごめんなさい。主様に謝らせるつもりはなかったんです!」
そう言って主とラムリは一緒に庭に行く事にした。
お花が見たい、というのはただの建前で本当はアモンに会いたかっただけだったのだが、ラムリは嬉しそうに主の隣を歩いていた。
主は庭に着くと、花の香りを楽しんだ。
(…やっぱり、薔薇の香りが1番好き。アモンと一緒に居るみたいだもん♡)
ラムリは楽しそうな主を見て胸がドキドキしていた。
(久しぶりだからなのかな…?でも僕、主様の事を考えてるとすごくドキドキしてあたたかくなる気がする…)
ラムリが主に見惚れていると、主はラムリの視線に気付きラムリに微笑んだ。すると、またラムリの鼓動が激しくなる。
「主様! 」
アモンがそう言って主に近寄って来た。
主がアモンと一緒に仲良く話しているのが、ラムリは気に食わなかったのかラムリは主の事を抱き締めた。
「ローズ君は主様とずっと一緒に居たんでしょ?今日は僕が担当なんだから!ね?主様♡」
そう言って主とアモンを引き離そうとした。
「そうだね。じゃぁ…またね、アモン。」
そう言って主がラムリと一緒に何処かに行こうとするのをアモンは引き止め主の髪についた葉を取りながら小声で言った。
「…愛してるっすよ♡ 」
主は顔を赤らめてラムリと一緒に再び歩き始めた。ラムリは顔が赤くなっているのを心配したが、アモンとの事は言えず誤魔化した。
そうして、ラムリは会えなかった分、その日一緒に居られてドキドキと幸せでいっぱいだった。
†††
主が仕事から帰ってきたある日の事─
(帰るのがちょっと遅くなっちゃった…)
主は屋敷に帰ってきた時、誰も居ない…?と思ったが何処かで何やら騒がしかった。
「……早く…主様が……!!」
「でも、まだ………?」
(私が居ない間に何かあったの!?)
主は1階で何かが起こっているのを察し、急いで1階まで行った。
「主様はまだ帰って来ないのか?早く浄化しないと、このままでは…」
主はバスティンの声がした方に急いで駆け寄った。
そこには、本邸のみんなが集まっていた。
主は1階執事室の前でみんな泣きそうな顔をしているのが分かったが、何がどうなっているのか分からなかった。
「主様!帰って来てくださったのですね!」
ルカスが声をあげると、みんな主の方に駆け寄った。
「ベリアンが… 」
ミヤジは声を詰まらせ、なかなか話せないでいた。
主は同じ1階の執事であるバスティンに声をかけた。
「バスティン!どうしたの?何かあったの?」
主はバスティンから話を聞いてみると、この数日ずっとベリアンは地下の自室に閉じ籠もって居たのだと言う。
ロノが食事を持って行っていたみたいだが、食事は取れているから大丈夫なのだろうと思っていたが、そうではなかったみたいだった。
いつもは主が浄化をしていたから良かったものの、ベリアンは主に浄化を頼まずに地下の自室に閉じ籠もっていたと言う。
「…ベリアンは何処に居るの?」
「今は執事室で寝かせているんだが…何故、ベリアンさんが主様に浄化を頼まなかったのか分からないんだ…」
主とルカス、アモンには理由が分かったが、他の執事達には不可解であっただろう、ベリアンがどれほど主の事を慕っているのかを何となくでも伝わっていたからだ。
主は”私が何とかする“と言ってみんなに部屋に戻るよう声をかけた。アモンは心配そうに主を見ていた。
一応、バスティンとアモンとルカスには近くのシッティングルームに居てもらう事になった。
主は胸元をギュッと握り締め、執事室を開けた。すると、ロノが心配そうにベリアンの側についていた。
「主様!助けてくださいっ!!ベリアンさんが!何で…何で、こんなっ…」
ロノが泣きながら主にうったえた。主はロノにシッティングルームに行ってもらい、ベリアンと2人きりにして欲しいと頼んだ。
主はベリアンが寝ているベッドに近付き、そっと手に触れゆっくり撫でた。すると、ベリアンの体はきらびやかな光に包まれていく。
「…ハァっハァハァっ、…主様!!…っ」
ベリアンは主の顔を見るやいなやボロボロと泣き始めた。
「…ベリアン。私ね、ベリアンが私の事を好きだって言ってくれた事は、純粋に嬉しかったよ。私も、失恋した事があるから分かるの。
辛かったんだよね?…苦しかったね。
でも、私が好きなのはアモンなの。
そして、ここに居る執事達は誰一人として欠けちゃ駄目な私の大切な執事達なの。」
主は持っていたハンカチで、ベリアンの涙を拭きながら言った。
「私、ベリアンが私の事を避けてたのは分かってたの。…何も出来なかった私の事を許して。
あとね、ベリアン…執事として、私の側に居てくれないかな…?
ベリアンが辛いならせめて浄化だけでも良いから、その時は私の事を頼って欲しいの。」
ベリアンは思わず主の事をギュッと抱き締めてしまいすぐに離れようとしたが、主はそっと優しく抱き締め返した。
「あ、主様申し訳ございません。あの、お離しくださいっ……っ、私は主様にあんな酷い事をしたのにも関わらず、尚も私に謝罪を請いその上、主様は私をお許し下さるのですか?
私は主様のお側に居てもよろしいのですか?」
ベリアンは泣きながら、離した腕を恐る恐る主の背中に回し、今度は優しく抱き締めた。主の声が、ベリアンの耳元で聞こえる。
「うん、許すよ。だから、私の側に居て。」
ベリアンは目を閉じそして何か思い立ったのか涙をグッと拭い、ゆっくりと主から離れベッドから降り、主の前に跪いた。
「主様の心の広さには本当に感服致します。そして、私ベリアン・クライアンは、一生涯主様に仕え、我が命に代えても、主様への忠誠を誓います。」
主はベリアンに顔をあげさせた。
「…よろしくね、ベリアン。」
主はベリアンに微笑み、ベリアンもまた主に笑顔をむけた。
「はい。これからは、けして道を違わぬ事を誓います。」
†††
それからのベリアンはいつも通りのベリアンに戻っていた。少し違うのは…
「主様、こちらアモン君からの差し入れでございます。…本当に、主様はアモン君に愛されていますね。」
ベリアンが主の前に差し出したのは、アモンが庭で育てていた薔薇から作ったコロンだった。
「わぁー…ありがとう、ベリアン。」
主は愛おしそうにコロンを見つめ、香りを嗅いだ。庭で薔薇の香りを嗅いだ時と全く同じで、アモンと一緒に居る感覚になった。
「私ではなく、アモン君に仰って下さい。私は届けたまでですから。」
主は首を横に振り、届けてくれた事に対して言った事を言うとベリアンは恭しく頭を下げた。
数週間後─
主がラトと一緒に、アリの巣の観察をしていた時だった。
「おや、いい匂いがしてきますね…そろそろお昼の時間ですね。食堂に向かいましょうか?」
「うん♪」
主は立ち上がった瞬間、意識を失いそうになりふらっと倒れ込んでしまいそうになるがラトが抱きとめてくれた。
「…ラト…」
「…立ち上がれないのですか?すぐにルカスさんに診てもらった方が良さそうです。」
主が動けなさそうなのを察して、ラトは主を抱き抱えて急いでルカスの元へ走っていった。
コメント
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第9話、読み終わりました……! ベリアンの閉じこもりと、主様がちゃんと向き合って「許すよ」って言ったところ、じんわり泣けました😢 「私の側に居て」って言葉、執事たちへの信頼が溢れてて。アモンとの甘いやり取りも可愛いし、コロンの差し入れしてくれるベリアンの変化も嬉しかったです。 最後のラトに抱きとめられる場面、何かありそうで続きが気になります…!